2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート-3,3′,4,4′-テトラカルボン酸二無水物(ESDA)と種々のジアミン(
1a-1l)からポリアミック酸(
2)を合成し,
2を熱イミド化することでポリエステルイミド(
3)を得た.
3は,種々の有機溶媒に溶解し,とくにメタ結合を有するジアミン{ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン(
1a)}から合成した
3aはエーテル系溶媒にも高い溶解性を示した.溶液
1H-
15N HSQCによりアミドプロトンの化学シフト値を決定し,
1H NMRからそのイミド化率を99.5%と決定できた.
3lのイミド化率は,トリフルオロアセチル化
19F NMR法で定量すると,98.5%であった.
3は,その一次構造から凝集構造を形成できないため,かつ,大きな自由排除体積を有するジグザグ構造を有するために,優れた高温流動性を有していると考えられた.
3aのキャストフィルムは透明で,良好な機械的特性と,高い絶縁信頼性を示す熱可塑性フィルムであった.
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