高分子化學
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10 巻, 104 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 第1報ポリ酢酸ビニルに対する溶媒の影響
    渋川 尚, 中島 章夫
    1953 年 10 巻 104 号 p. 507-512
    発行日: 1953/12/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    可及的に分岐度の小さいポリ酢酸ビニルの重合度500ないし5000の分別物ならびに平均重合度1200の未分・別物の各種溶媒中における溶液粘度の測定より, 第1次相互作用係数a2あるいはHugginsのk'係数に対する溶媒の効果を検討した。
    同一重合度試料に対して, 各種溶媒中におけるa2と [η] の間にはほぼ比例関係があり, 溶媒能の尺度としての熱力学的係数μとk'の逆数の間には直線関係が成立することを実験的に見出した。
  • 第2報ポリ酢酸ビニルの重合度ならびに分岐の影響
    渋川 尚, 中島 章夫
    1953 年 10 巻 104 号 p. 512-518
    発行日: 1953/12/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    種々の重合条件で製造したポリ酢酸ビニルの分別物について重合度の広範な領域で重合度ならびに分岐のk'に与える効果について検討した。
    重合度300ないし10, 000の領域ではk'の変化は極めて僅少であるがこの領域より低及び高重合度の領域では変化は著しく大である。同一重合度て比較するときは分岐度の大なるものでk'は大きい価を示す。これらのk'の挙動について, 溶液中における分子の形態と関連して考察を加えた。
  • 第3報高分子混合系の相互作用係数
    中島 章夫, 松岡 正敏
    1953 年 10 巻 104 号 p. 518-521
    発行日: 1953/12/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    二成分の高分子分別物の混合系に関するamtxあるいはk'mixの混合率依存性について検討した。成分1の重量分率及び相互作用係数をx1, a11とし理想混合系で次式が成立すると考える。
    ポリ酢酸ビニル高重合物-低重合物系のベンゼン溶液のごとき同種分子の混合では上式の適合性は良好であるが, ポリスチレン-ポリイソブチレン系のテトラリン溶液のごとく, 化学構造ならびに分子の屈曲性にもかなりの相違のある混合系では上式よりの偏位がみとめられた。
  • 桜田 一郎, 中島 章夫, 滝田 博
    1953 年 10 巻 104 号 p. 522-529
    発行日: 1953/12/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    通常の滲透圧測定用として良好な条件のコロジオン膜に対する低重合度溶質の膜透過を, 低重合度ポリスチレン分別物ベンゼン溶液の滲透圧の直接測定より検討した。用いた膜に対し, 重合度166迄の溶質は完全に膜透過性であつた。膜孔ジメンションと透過溶質の大いさの関係についても考察を加えた。
  • 今井 嘉夫, 宇野 虹児, 岡村 誠三
    1953 年 10 巻 104 号 p. 530-534
    発行日: 1953/12/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    脂肪族Acyl peroxide 4種を, それぞれ相当する酸塩化物より合成し, これらを触媒とする, スチレンならびに酢酸ビニルの接触塊状重合をおこない, 次の結果を得た。すなわち, スチレン, 酢酸ビニルいずれにむいても, 同条件ではこれらの重合触媒能はいずれも過酸化ベンゾイル (BPO) よりも大で, 4者の間の重合触媒能の大きさの順序は, 両モノマーで一致するが, 脂肪酸基の鎖員数と重合触媒能との間には, 明瞭な関係は認められなかった。酢酸ビニルにおいては, 脂肪族Acyl peroxide接触重合物分子の分岐は, BPO接触重合物分子のそれよりもやや少ない傾向が認められた。
  • 宇野 虹児, 岡村 誠三
    1953 年 10 巻 104 号 p. 535-539
    発行日: 1953/12/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    t.-Butyl hydroperoxideおよびその誘導体 (Di-t.-butyl pemxide, t.-Butyl perbenzoate, t.-Butyl-α-hydroxy-βββ-trichloroethyl peroxide, 2, 2-Di-t.-butylperoxy propane) を合成し, 沃度滴定法で純度を定ゐ, これらを触媒として, スチレンならびに酢酸ビニルの塊状重合を行い, 重合触媒能を比較した。その結果, これらの過酸化物を重合に対する有効性の順にならべると, スチレンと酢酸ビニルでは, 必ずしもその順序が一致しないことを知った。
  • 第3報n-ブチルビニルエーテルとアクリロニトリルとの共重合
    有富 勇美, 秦 弘
    1953 年 10 巻 104 号 p. 540-543
    発行日: 1953/12/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    n-ブチルビニルエーテルとアクリロニトリルとの乳化共重合を検討し, 触媒としては過酸化ベンゾイルあるいわ過酸化水素を, 乳化剤としてはモノゲンを用い, 温度70℃, 重合液の開始時のpH7.0附近で重合を行うのが好結果を与えることを知つた。重合速度, 重合体の牧率及び重合度はビニルエーテルの配合量の増加とともに低下する。
    アルキルビニルエーテルとアクリロニトリルとの共重体はI. G.会社で研究された模様であるが, 学術文献は全然見当らない。共重合方法としては, 塊重合, 溶液重合及び乳化重合があげられるが, 前二者は重合方法としては芳しくないことを予備実験でたしかめたので, 以後は主として乳化重合につき検討を進めた, 本報ではまずn-ブチルビニルエーテルとアクリロニトリルとの共重合条件を検討した結果を報告する。
  • 第3報ポリアクリル酸エチルのアセトン溶液粘度-分子量関係ならびに分子量分布
    住友 宏, 八浜 義和
    1953 年 10 巻 104 号 p. 544-550
    発行日: 1953/12/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    過酸化ベンゾイル触媒ベンゾール溶液重合によって得たポリアクリル酸エチルをアセトン-水系で35区分ニ分別し, 未分別原試料及びそれらのフラクションにつき30℃においてアセトン溶液粘度及び滲透圧の測定を行った溶液粘度に関しては約1g/100cc以下の稀薄領域ては全重合度範囲にわたりHuggins式を満足しそのk'値は未分別原試料に対しては0.35であり各フラクションについても概ね0.35て一定とみなし得るが高重合度フラクションにおいてはわずかに増大する傾向を認めた。また溶質-溶媒間相互作用恒数μ値として0.44を得た。滲透圧法によって求めたフラクションの重合度Pと極限粘度数 [η] との間には測定重合度範囲において次式の閥係が成立する。
    [η] =4.19×10-3 P0.66 (分別試料, アセトン溶液, 30℃, 100cc/g) 分子量分布曲線はSchulzの接合度k=2とおいた理論曲線に類似し, 重合機構として開始反応はモノラジカル型てあり停止反応はラジカルのrecombinationによる安定化であることが推論された。
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