高分子化學
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11 巻, 108 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 附同上電子顯微鏡写眞の一考察
    鈴木 恵, 荒井 渓吉
    1954 年 11 巻 108 号 p. 136-141
    発行日: 1954/04/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
  • 澁川 尚, 中島 章夫
    1954 年 11 巻 108 号 p. 142-148
    発行日: 1954/04/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    諸種の方法で重合したポリ酢酸ビニルの分別物について滲透圧法および氷点法を用いて分子量を測定し, 廣範囲の重合度領域に関して重合度Pと, 30℃におけるベンゼン溶液極限粘度数〔η〕の間の関係を檢討した。典型的高分子の領域 (P=300~10,000) では, 重合條件に無関係に〔η〕=8.91×10-4p0.62の関係が成立するがこの領域より低および高重合度側では偏違が認められた。熱力学的係数μは重合條件により異り, 分岐度の大なるもので大きい値が得られた。
  • 第1報アセチレンおよび青酸のモル比ならびに室間速度について
    増井 賢, 木内 愛
    1954 年 11 巻 108 号 p. 149-155
    発行日: 1954/04/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    34%の塩化第一銅と, この1/3重量の塩化アンモニアを含むpH=1.5の触媒液について原料ガスのモル比を変え併せて供給速度を変化させ, ANに変化する青酸と生成液中のANの含有率について吟味し, 青酸のANへの轉化およびANの含有率はアセチレンおよび青酸のモル比に比例し塩化第一銅濃度が一定のときは, 青酸の供給速度の小さい程ANへの轉化がよく, アセチレンの供給速度にかかわらずに, 青酸の供給速度がこれを支配し, また再現性のある触媒は一定の賦活が必要であり, ガスと触媒の接触効果がよければ, 主反應が良好に進み, 青酸の供給速度を上げられるが, 同時に副反應も増加するのを見出じた.
  • 第2報塩化第一銅の作用について
    増井 賢, 木内 愛
    1954 年 11 巻 108 号 p. 155-158
    発行日: 1954/04/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    前報では塩化第一銅を中濃度に定めて実験し, アセチレンの供給速度にかかわらず青酸の供給速度に関してのみ定まった反應挫を示すのを明らかにしたが, アセチレンと青酸との吸收速度の比から考えて, アセチレンが活性化をうけて青酸およびアセチレンなどと反應するものと推定されるので, 塩化第一銅の濃度を増加させると單位時間に発生する活性アセチレン量が増加し, 中間化合休から解離する活性アセチレンも濃度に比例するであろうから, 青酸の轉化率もこれに伴って比例して増加するはずであり, 実験結果によればアセチレンと青酸のモル比にかかわらずこれを満足している。またこの場合塩化第一銅のみ増しても青酸の変化率ほ増加せず, 共存する塩化アンモニアが適当に存するとき (第3報で記す) のみ増加する (この場合の塩化第一銅濃度を仮りに有効濃度と名づける)。さらに触媒の賦活には塩化第一銅1gに対して平均76ccのアセチレンを要する (アセチレン流速1.331/min触媒1の場合)。これはCu2Cl2として1モルに対し0.68モルのアセチレンに相当する。また副反應は青酸のある供給速度について最少のところがあり, その速度より大または小なる場合には副反應が増大し, この極少点は触媒中塩化第一銅の有効濃度の増加と共に漸次に青酸の供給速度の大きい方に移行する。
  • 第3報塩化アンモニアの作用について
    増井 賢, 木内 愛
    1954 年 11 巻 108 号 p. 158-163
    発行日: 1954/04/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    第2報で塩化第一銅の作用について吟味して同モルの塩化アンモニアが共存するときに, 青酸のANへの轉化は塩化第一銅の濃度に比例して増大するのを見出したので, 本報では塩化アンモニアの作用について吟味し, あわせて塩酸および反應温度, 反應の再現性について調査し, 塩化第一銅が有効に触媒作用を営むには, これと同モルの塩化アンモニアが共存する必要があり, またこの反應では一旦中間錯化合体がアセチレンと触媒との間にでき, これと成分間に解離平衡が存する。反應温度は90℃ 前後が青酸の轉化率がもっとも大きいが, 温度による反應の差異は極めて少かった。さらに触媒は別個に調製しても同じ賦活を行えば反應の再現性が極めて良好であるのを知った。
  • 第9報共沸系における懸濁重縮合の特徴について
    芦田 包義
    1954 年 11 巻 108 号 p. 164-168
    発行日: 1954/04/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    100℃ 以下で懸濁重縮合する場合に, 從來の方法でほ反應系に既存する水も反應副生水も系外に移行しないので反應が遅い。著者は共沸現象を利用して水を系外に除去しつつ懸濁重縮合する方法を考案した。本法の特徴ほ從來法に比べて初期反應も破化反應も早いので比較的低温かつ短時間に反應が完結することであって樹脂性質にも好結果を與える。木報では四塩化炭素を懸濁媒とするスルフォン化フェノールとフォルムアルデヒドとの共沸懸濁重縮合例を述べた。
  • 第1報ポリカプロアマイドの無触媒熱分解について
    井上 良三, 須本 操
    1954 年 11 巻 108 号 p. 169-175
    発行日: 1954/04/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    ポリカプロアマイドの熱分解は高分子分裂においても一つの特殊の型に属するものと思われる。一般に高分子化合物の化学試藥による分裂は簡單であり, Random degradationと考えてよいのに対し, 加熱分解は複雑である。例えばビニルポリマーの熱分解は連鎖解重合反應であることは疑いないとしても, その反應の開始については分子中の特殊の位置に注目した解釈もあるが, これをRandom initiationとする考え方も成立する。しかるにポリカプロアマイドの熱分解については, 分子の特殊な位置に起因する反應と, そうでない分裂との2種類が複難に起っているものと解せられる。なおくわしくいえば, 熱分解について触媒が存在すると否とでは事情が異るので, まず本報告において無触媒の場合を取り扱うこととする。そうすると, この場合は上述の2種類の反應は別の見方をすれば, これ1は (イ) 正規の分裂としての分子端活性基とペプタイド結合との交換反應と,(ロ) 高分子としてのポリカプロアマイド主鎖における無秩序分裂に大別することができ, 後者からはラクタムを発生しない。
  • 第1報ポーラログラフによる定量
    浮田 純二, 高山 剛三, 小南 次夫
    1954 年 11 巻 108 号 p. 176-181
    発行日: 1954/04/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    ポリビニルアルコール (P. V. A.) 中に存在するカルボニル基に, パラニトロフェニルヒドラジン (N. P. H.) を反應せしめ, P. V. A.-ヒドラゾンとして, ポーラログラフによるカルボニル基の定量を試みた。まずN. P. H.単独のポーラログラムは, pH4にて半波電位-0.4Volts附近で良好な還元波を示し, 濃度と波高は比例する。またP. V. A.は良好な極大抑制剤である。次にヒドラゾン加水分解前後の波高はいちぢるしく相違し, ヒドラゾンになっている場合波高は低くなる。したがって直接ヒドラゾンをポーラログラフにて定量することはできず, 加水分解後の遊離のN. P. H.を定量しなければならない。この事実はポーラログラフで高分子化合物を取り扱う際に特に注意すべき点である。結局加水分解後N. P. H.をポーラログラフにて定量することにより, P. V. A.中のカルボニル基が容易に定量できることを知った。
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