高分子化學
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11 巻, 109 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 松本 昌一
    1954 年 11 巻 109 号 p. 182-190
    発行日: 1954/05/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    Spencerの提唱した分別法について沈澱時の高分子の二相への分配にFloryの理論を適用してSpencerの仮定に基く偏差について考察し, スペンサー法により得られる分配函数ほ, 実驗誤差に基く誤差は別として, 眞の分配函数より高分子量側へずれることを明らかにした。しかしBillmeyer等の指摘したようにスペンサー法は実驗誤差によるばらつきが大きいから非常に大まかな結果しか得られないが, 別に報告したように逐次分別沈澱法でみられるような本來の偏差はむしろ少ぐ, 大まかな結果を知りたいときは十分用いられる。
  • 生駒 一郎
    1954 年 11 巻 109 号 p. 191-195
    発行日: 1954/05/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    PVCのCS2/CH3COCH3混溶媒による2~80g/l稀薄一濃厚溶液の粘度をNitrobenzol, Tetrahydrofuran單独溶媒と対比して毛管粘度計により測定し, 混溶媒溶液は測定濃度域を通じて單独溶媒に比較して低粘度を示す特性を認めた。粘度の安定性も大きく, 低温の溶解性がよいように見えるが, 溶解力は單独良溶媒に比較してむしろ小さいと思われ, これ得の特性は混溶媒の混合特性に起因するものと推考される。
  • 第1報ビスアクリルオキシ化合物の合成およびそのメタアクリル酸との共重合物について
    岩倉 義男, 鈴木 勇
    1954 年 11 巻 109 号 p. 196-200
    発行日: 1954/05/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
  • 第2報ビニロンの染色性の改良への應用について
    黒木 宣彦, 西尾 充之, 鶴田 基弘
    1954 年 11 巻 109 号 p. 201-205
    発行日: 1954/05/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    熱処理ポリビニルアルコール繊維をベンゼン中および芒硝水溶液中で繊維状を保ったままアクリルニトリルと反應せしめポリビニルアルコールの部分シヤノエチル化物を得た。このものをフォルマリンと反應せしめて得られる含窒素ビニロンは普通ビニロンに比し遙かに染色性良好であり, 機械的性質もあまり劣らないことを知った。
  • 第3報氣相シヤノエチル化およびシヤノエチル化物とフオルムアルデヒドとの反應について
    黒木 宣彦, 苦松 和衛
    1954 年 11 巻 109 号 p. 205-211
    発行日: 1954/05/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    熱処理PVA繊維とANとをKCN触媒下に氣相静置法で反應せしめた。この際触媒量および反應温度を変えることによって各種シヤノエチル化度の繊維をえた。ただしN%が9%以上では繊維は膠着してくる。触媒量が大なほど, また反應温度が高いほど反應は早い。反應は主として非結晶領域内で起っていることがX線図より認められた。これらシヤノエチル化PVA繊維とフオルムアルデヒド (CH2O) との反應物の機械的性質, 耐熱水性, 溶解性, 染色性よりみてフオルマール化, CN基の加水分解の他にCH2Oによる架橋の起っている可能性が認められた。
  • 第2報各種重合條件下のカルボニル基量
    浮田 純二, 高山 剛三, 小南 次夫
    1954 年 11 巻 109 号 p. 212-217
    発行日: 1954/05/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    ポリビニルアルコール (R. V. A.) 中のカルボニル基のボーラログラフによる定量法に二, 三の改良を加え, 各種重合條件下のR. V. A. 中のカルボニル基量を定量した。ヒドラジン縮合條件としては, 從來のように高温 (90℃) では反應中に重合度が低下するので, 30℃附近が良好である。またヒドラゾン加水分解も30℃の方がよい。なおこの定量法には残存酢酸基の影響は認められなかった。次に普通精製の酢酸ビニルを過酸化ベンゾィル触媒にて重合してこれを鹸化してつくったP. V. A. 中のカルボニル基量はたかだか0.03mole%附近で, Clarke, Blout等のごとく0.4mole%も存在しない。また二次重合の旺盛に起ったポリ酢酸ビニルとそうでないものよりのP. V. A. 中のカルボニル基量は殆んど変化しないので, 二次重合にて生成せる結合の鹸化の際の分裂でほカルボニル基は生じないことを明らかにした。これは櫻田, 大杉, Crozier等の二次重合の機構より考えても安当である。また重合の際に連鎖移動剤としてアセトアルデヒドを入れた場合, P. V. A. 中のカルボニル基のmole%はいちぢるしく増加することを認めた。
  • 第3報熱処理ポバールの粘度的性質について
    長井 栄一, 相根 典男
    1954 年 11 巻 109 号 p. 218-222
    発行日: 1954/05/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    ポリビニルアルコールフィルムを前報と同様に弱アルカリ性あるいは弱酸陸前処理して200℃で時間を変えて熱処理を行い, その溶解度と溶解物について粘度測定を行ったが, 粘度測定より算出されるところのいわゆるHugginsの粘度式中のk'の値は熱処理を行わない試料について從來報告せられている値の0.5より大きく, この値は熱処理の進行とともに増大する傾向を示した。このことはポバールが熱処理をうけると化学変化をうけ, 分岐, 架橋反應をうけて, 構造がもとのものと相違してくることを物語っている。かかるポバール分子の構造の変化の進行は熱処理による結晶性の向上と密接に関連すると考えられるからビニロンの熱処理においては化学的変化という面からの研究も必要となってくる。
  • 第32報※ヘプタメチレンジイソチオシヤナートおよびその誘導体の合成について
    岩倉 義男, 石塚 由雄, 和田 義彰
    1954 年 11 巻 109 号 p. 223-226
    発行日: 1954/05/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    ポリメチレンジイソチオシヤナートの合成についてはすでにメチレン基3, 4, 5, 6, 8のものについて報告したが, 今回はメチレン基7のヘプタメチレンジイソチオシヤナート (沸点182~4℃/35mm) を常法に從ってヘプタメチレンジアミンより合成したので報告する。なおヘプタメチレンジイソチオシヤナートとアンモニヤ水とよりヘプタメチレンジチオ尿素 (融点151~2℃), ヘプタメチレンジイソチオシヤナートとテトラメチレンジアミンとよりはポリチオ尿素が得られた。
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