高分子化學
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11 巻, 110 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 第2報電線用塩化ビニル樹脂混和物の可塑度計粘度
    山本 三郎
    1954 年 11 巻 110 号 p. 227-232
    発行日: 1954/06/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    本報においては引続き圧縮型プラストメーターを試作し, これを恒温槽中にとりつけ, これを使用して塩化ビニル樹脂混和物の可塑度計粘度を測定した、すなわち塩化ビニル樹脂100部に対し可塑剤TCP・DOPを70部から30部の間で配合した試料につき, 130°±1℃ において可塑度計粘度を測定した。その結果はTCP配合のものは1.42×109~71.8×109Poiseであり, DOP配合のものは13.8×109~61.7x109Poiseの範囲にあることがわかった。
  • 浮田 純二, 高山 岡三, 小南 次夫
    1954 年 11 巻 110 号 p. 233-237
    発行日: 1954/06/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    ビニル重合触媒, α, α'-azo-bis-isobutyronitrileのポーラログラムをとり, -1.6Volts附近の一段波より定量の可能なことを見出し, その分解を追跡した。合わせて分解に伴うN2 発生量を測定して分解速度を比較した。これらの結果は從來の速度恒数とほぼ一致し, 從ってきわめて簡易なポーラログラフによる定量法を確立した。なおポーラログラフによる分解の追跡では誘導期は見られない.またdimethy1-α, α-azo-isobutyrateはtetramethylammonium bromideの電解液中で-2.25Voltsで還元波を示し, α, α'-azo-isobutyronitrileの半波電位との差が, 電子論的に説明できることを知った。
  • 第3報不飽和ポリエステルの性状に及ぼすビニル架橋剤量の影響
    後藤 憲三
    1954 年 11 巻 110 号 p. 238-244
    発行日: 1954/06/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    不飽和ポリエステルを架橋固化する場合, 配合するビニルモノマーの量によって生成レジンの諸性状が大きく影響をうけることが豫測される。二, 三のポリエステルにモノマー (主としてスチロール) を種々配合して固めた試料について, モノマー含有量の多くなるにつれて
    (1) 固化反應はおくれるが反應熱はある範囲迄大きくなる。ゲル化前後に起る誘電損失のピークは低くなる。
    (2) 誘電率および損失角は共に漸減して行き, Parkynのデータとは異る傾向を示す。
    (3) 温度上昇に伴いゴム状彈性を呈する傾向が認められるようになる。また固体粘性も低下するが, 温度変化に伴う粘彈性的性状の変化は簡單でない。
    (4) ベンゾール抽出量は大して増大しないが, 抽出減小量はスチロール80%附近より急増する。膨潤性は当然モノマー含有量の増す程いちぢるしくなる。
  • 鶴田 四郎
    1954 年 11 巻 110 号 p. 245-250
    発行日: 1954/06/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    重合反應に伴う收縮率と重合体の單位分子当りの分子屈折との積が, 4.2~5.7の價になることを文献値によつて示し, その利用價値と今後の問題につき述べた。
  • 井本 英二, 本山 良三
    1954 年 11 巻 110 号 p. 251-254
    発行日: 1954/06/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    ポリビニルアルコール (PVA) に多官能性アルデヒド類を作用させて分子間架橋を行わしめ, その性質を改良するこころみの一つとしてアクロレィンアセタール化を行った。まずPVA皮膜についてそのヤング率および粘度変化から架橋の起ることを推定した。つぎにPVA繊維のアクロレインアセタール化を行ったが, 予期する耐熱水性の向上を認められなかった。そこでアクロレインアセタール化の反應速度を求め, ホルマール化に比して遅いことがわかったので, ホルマリンーアクロレイン混合アセタール化を行い, 鮒熱水性のすぐれたPVA繊維を得ることができた。
  • 第1報酢酸アリルの重合
    櫻田 一郎, 高橋 儀作
    1954 年 11 巻 110 号 p. 255-260
    発行日: 1954/06/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    酢酸アリルの過酸化ベンゾイルを用いる重合について研究した。重合経過, 平均重合度などではBartlett等と大体一致した結果を得たが次の諸点は新らしく見出された事実である。1) 触媒初濃度, 重合時間等に無関係にポリマー分子1個は平均0.20個の二は重結合を有している。2) O-chloro benzoyl peroxideを触媒に用いた実験によればポリマー分子1個は平均0.54~0.72個の塩素原子を結合している。3) 過酸化ベンゾィルを触媒とする重合生成物中にPhenyl benzoateの存在を確認した。またこのほかにベンゾイル基1個と酢酸アリル1個の結合したと考えられる物質ならびに触媒切片を結合せず酢酸アリルの二量体と考えられる物質の存在を認めた。
  • 第2報酢酸アリル重合の動力学
    櫻田 一郎, 高橋 儀作
    1954 年 11 巻 110 号 p. 260-265
    発行日: 1954/06/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    酢酸アリルの過酸化ベンゾイルを用いる重合反應において, 第1報の実瞼結果をもとにして触媒から生じたラジカルの相互反應により触媒が消費されることを考慮に入れた機構を提案した。この機構によればモノマーの消費速度と触媒の消費速度の比d[M]/d[Cat] が触媒初濃度の増加とともに減少し, 平均重合度はこれと無関係にほぼ一定であることをよく説明することができる。
  • 第3報アリル化合物の重合における有効連鎖移動について
    櫻田 一郎, 高橋 儀作
    1954 年 11 巻 110 号 p. 266-270
    発行日: 1954/06/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    アリル化合物の重合において, degradative chaintran sferのほかにeffective transferも起ることを具体的に考慮にいれて動力学的に考察し, モノマーの消費速度と触媒の消費速度の比と, 平均重合度から両移動速度の比を求める式を誘導し, Bartlett, Gaylord ならびにわれわれの実験結果にもとずきこれを計算した。重合体に結合した触媒切片を定量することによっても両移動速度の比が求められるが, その結果は動力学的に得た結果と大体には一致を示した。AIIyl acetateおよび-ethyl carbonate, ethyl etherの時はdegradative transferが盛んであるが, Laurate, Benzoate, Chloride Chloroacetate等の場合はeffective transferの起る割合の方が大きい。
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