不飽和ポリエステルを架橋固化する場合, 配合するビニルモノマーの量によって生成レジンの諸性状が大きく影響をうけることが豫測される。二, 三のポリエステルにモノマー (主としてスチロール) を種々配合して固めた試料について, モノマー含有量の多くなるにつれて
(1) 固化反應はおくれるが反應熱はある範囲迄大きくなる。ゲル化前後に起る誘電損失のピークは低くなる。
(2) 誘電率および損失角は共に漸減して行き, Parkynのデータとは異る傾向を示す。
(3) 温度上昇に伴いゴム状彈性を呈する傾向が認められるようになる。また固体粘性も低下するが, 温度変化に伴う粘彈性的性状の変化は簡單でない。
(4) ベンゾール抽出量は大して増大しないが, 抽出減小量はスチロール80%附近より急増する。膨潤性は当然モノマー含有量の増す程いちぢるしくなる。
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