高分子化學
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11 巻, 111 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 第1報鎖状高分子固体の降伏に関する歪模様および偏光弾塑性学的研究
    伊藤 勝彦
    1954 年 11 巻 111 号 p. 271-279
    発行日: 1954/07/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    延性鎖状高分子固体の降伏の問題をセルロイド板につき一次元および二次元應力のもとで歪模様と偏光弾塑性学的に究明した。高分子固体には各種の欠陥が存在するが, セルロイド板にはマクロな欠陥まで明確に観察される。これらの各種欠陥が不規則に存在するためかなり早い引張歪速度では美麗な歪模様が引張方向と45°にあらわれろ。次にセルロイド板にこれらの欠陥の代表とみなしうる円孔を穿って二次元應力状態で, 引張應力による円孔周辺の降伏を歪模様と偏光による等色曲線とを同時に写眞撮影して比較した。この結果は両者はきわめてよく相似して主應力差が大体上降伏点5kg/mm2程度になると最大勢断應力により降伏することがわかった。
  • 第18報乳化現象について
    鶴田 四郎
    1954 年 11 巻 111 号 p. 280-285
    発行日: 1954/07/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    いわゆる乳化時間とホルムアルデヒド附加速度の関係を, 反應温度が変化する場合および反應系の組成が変化する場合について考察した。
  • 第4報塩化アリルの重合ならびに共重合
    櫻田 一郎, 高橋 儀作
    1954 年 11 巻 111 号 p. 286-290
    発行日: 1954/07/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    触媒過酸化ベンゾイルの初濃度を変更し, 60℃で盧化アリルの單独重合を行い, 重合物の分子量を氷点降下法で測定し, またポリマーに結合した触媒切片たるベンゾイル基を鹸化法で定量した。ポリマーの分子量は触媒濃度にほとんど無関係に約600であり, 全ポリマー分子の約27%が触媒切片をベンゾイル基の形て結合していろことが明らかにせられた。動力学的数値から本研究第3報に述べた方法で計算した触媒切片を結合したポリマー分子の割合は31%であり, その結果はほとんど一致する。酢酸ビニル (M1) と壇化アリル (M2) の共重合を初期モノマー混合比9:1および8:2で行い, 重合経過に伴うポリマーの組成変化を塩素の定量により求め, またmonomer reactivity ratioを計算し, γ1=0.55, γ2=0.7なる値を得た.[M1]/[M2]>1なる條件のみで反應が行われた関係上γ2の数値に対する信頼性は少いが参考のために掲げた。
  • 第5報Allyl chloroacetateの重合ならびに共重合
    櫻田 一郎, 高橋 儀作
    1954 年 11 巻 111 号 p. 291-294
    発行日: 1954/07/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    過酸化ベンゾイルを触媒に用い第4報の塩化アリルのときと同様にAllyl chloroacetate (ACA) の重合実験を行った。重合物の平均分子量は触媒初濃度の上昇とともに幾分低下する。最低触媒濃度 (0.414モル%) のときの分子量は990であった。ポリマーに結合した触媒切片たるベンゾイル基の定量により全ポリマー分子の8.2%が触媒を結合していることを知った。第3報に述べた方法て動力学的に求めた價は12%であった。ACA (M1) と酢酸ビニル (M2) の共重合反應を [M1] 0:[M2]0=1:1および1:2で行った。いずれの場合に竜重合の進行につれ重合物の塩素含有率は一度増加し, 極大を経て減少する。これはd[M1]/d[M2] がある [M1]/[M2] において極大を有することを意味するものて, 從來の共重合理論からは説明できない。これはおそらくクロルアセチル基による連鎖移動反應のため塩素の定量による組成の決定が正しい結果を與えないことに基因するものであろうと考えられる。
  • 第6報安息香酸アリルの重合ならびに共重合
    櫻田 一郎, 高橋 儀作
    1954 年 11 巻 111 号 p. 295-299
    発行日: 1954/07/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    O'-dichloro benzoyl peroxideを触媒とし, その初濃度を種々変更し60℃ で重合を行った。触媒初濃度が1から7%に増加するにつれ重合物の分子量は1430から1010に低下し, ポリマーの塩素含有率は054%から0.95%に増加する。触媒濃度0に外挿して計算すると全ポリマー分子の21%が触媒切片を結合していることになる。動力学的に得た値は16%て幾分誤差は大きいが大体の見当は一致している。安息香酸アリル [M1] と酢酸ビニル [M2] の共重合を混合比 [M1]0:[M2]0を1:9, 2:8, 3:7, 4:6, 5:5と変更し, 種々の時間反應を進め, 未反應のモノマー中の酢酸ビニルを鹸化しアセトアルデハイドに変え定量した。monemer reactivity ratioの計算結果γ1=2.5, γ2=1.25となった。從來知られている例でγ1とγ2つ積が1より大きいのはきわめて稀な例であり興味のある事実である。
  • 第1報熱処理の際の化学構造の変化について
    浮田 純二, 宇佐 美四郎, 小南 次夫
    1954 年 11 巻 111 号 p. 300-305
    発行日: 1954/07/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    ポリビニルアルコールの熱処理の際の化學構造の変化を明らかにするために, 二重結合およびカルボニル基の微量定量, 着色度の測定を行った。その結果195℃でのポリビニルアルコール粉末の熱処理においては, 窒素下にては二重結合, カルボニル基, 着色度共に変化なく, この温度では脱水反應による二重結合の生成およびカルボニル基の生成は起らないことを明らかにした。これに対し空氣下では二重結合, カルボニル基, 蒲色度共に増大し, 熱水不溶化物を生ずる。したがってこの温度では室氣酸素によるポリビニルアルコールの自働酸化が顯著であることを認めた。またこの際の不溶化物は生成の初期においては塩酸加水分解にて可溶化しうるので, 他の結合の存在は否定しえないが, 不溶化にはケタール結合が重要であることを知った。
  • 吉崎 修
    1954 年 11 巻 111 号 p. 306-311
    発行日: 1954/07/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    製造法ならびにホルマール化度を廣範囲に異にするポリビ乱ルホルマールのフィルムを試料とし, 水を一成分とし, メチラール, エチラール, メタノール, アセトンなどを第二成分とする二成分系液体中における膨潤度を重量法で測定した。一定溶剤を用いた場合には適当のホルマール化度の点に, また一定ホルマール化度の試料の場合には二成分系の適当混合割合の点に膨潤度の極大が認められる。後者の極大は試料のホルマール化度の相違により移動する。
  • 吉崎 修
    1954 年 11 巻 111 号 p. 312-316
    発行日: 1954/07/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    ポリビニルアルコール (PVA) を水溶液でホルマール化して得られたポリビニルポルマールと純PVAとを混合してフィルムをつくり, そのフィルムについて比重ならびに水およびビリジンにより膨潤性を測定した。混合フィルムの比重は同一ホルマール化度のポリビニルホルマール單一物より得られたフィルムより多くの場合小さい値を示す。水による膨潤度は少量のホルマールの混合によってもいちぢるしく低下する。
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