酢酸ビニル (M
1) とフタル酸ジアリル (M
2) の共重台をBPOを触媒として, 60℃ で初濃度比 [M
1]
0:[M
2]
0を80:10から20:40まで種々変化させて行い, 共重合経過を明らかにした。生成共重合物分子はなお未反応のアリル不飽和基を結合している。たとえば [M
1]
0:[M
2]
0=30: 35で共重合して得た初期重合物は平均共重合物中の全m2のアリル基に対して, なお12.4から15.1mol%のアリル不飽和基を結合しているが, この量を無視し, かつ, フタル酸シアリル分子に結合している2個のアリル基の反応性は互に無関係であると仮定して, 酢酸ビニルとフタル酸ジアリルのアリル基の共重合におけるmonomer rreactivityratioを求め, r
1=0.72, r
2=2.0の値を得た。この値は本報告第6報で得た, 酢酸ビニルと安息香酸アリルの共重合のそれに比し大きな差異はない。重合の進行過程で共重合液がゲル化を開始するときの重合率は, [M
1] 0
の初濃度のより大きい場合ほどかえって低い。それは生成共重合物の分子量がより大きいための結果であろう。スチレンとフタル酸ジアリルはほとんど共重合しない。
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