高分子化學
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18 巻, 196 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 第5報カラム法によるポリ塩化ビニルの分子量分布についで
    遠藤 隆一
    1961 年 18 巻 196 号 p. 477-481
    発行日: 1961/08/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    カラム法を用いてポリ塩化ビニルの分子量分布を研究した。この方法で得られた分子量分布函数と分別沈殿法, 超遠心法の結果と比較した。カラム法の結果はMw/Mnの値がいちばん大きいことがわかった。分子量分布から計算した固有粘度 [η] と実測値を調べたところ, この方法の信頼しうることが明らかとなった。
  • 第3報インフレーションフィルムの配向 (II)
    伊藤 行雄, 稲垣 正浩
    1961 年 18 巻 196 号 p. 482-486
    発行日: 1961/08/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    インフレーションフィルムの複屈折度 (Δ) とΦ110の間にほぼ直線関係が成立し, ψ110=34゜ではΔ=9×10-3をとることが推定できる。この結果からも大部分のインフレーションフィルムの結晶の配向はKeller TypeIIと考えられる。また厚いフィルムの厚さ方向の複屈折度の測定結果から, フィルムの厚さの方向について結晶の配向は均一とは考えられない。さらに引裂抵抗の温度変化, 引裂き角と結晶配向の関係から結晶部分は機械方向に層状に重なっており, その間に非結晶部分がはさまれて存在するような構造をとっているものと考えられる。
  • 増井 賢, 佐倉井 栄二郎, 小林 樹
    1961 年 18 巻 196 号 p. 487-491
    発行日: 1961/08/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    CuClとNaClとから成るNieuwland触媒に, アセチレンと青酸を連続送入し, 生成せるアクリロニトリル (AN), 逃散した青酸および触媒中に残留した窒素化合物を測って, 触媒に加えた青酸量と一致するのを見出した。またNieuwland触媒を用いて, AN合成を行なうとき初めに青酸のきわめて低い転化率を示す条件で合成したのち, 同触媒にアセチレンのみを通すと, 引続き長時間にわたって, 多量のANの生成のあることを見出した。またNieuwland触媒にあらかじめ一定の液化青酸を加え, よくふりまぜたのち, 反応温度90℃ でアセチレンを通すとき, 初めに青酸の逃散のみ起るが, 一定の誘導期後にANの生成が一定の速度で起り, 触媒中の青酸濃度の減少とともに, ANの生成速度が減少し、減少するANに代って, それだけアセチレン重合体の生成速度が増加した。また青酸を触媒に加える代わりに, これと同モルのCuCNおよびHClをCuClと入れ替えた場合でも同じ結果が得られた。以上のことから青酸は, 触媒中にCuCNおよびHClの状態で安定に存在するものと推論した。
  • 第2報ポリマーの共橋かけ
    松田 竜夫, 林 建中, 早川 浄
    1961 年 18 巻 196 号 p. 492-495
    発行日: 1961/08/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    ポリビニルアルコール, ポリビニルピロリドン, ポリアクリルアミド・ポリメタクリル酸およびメチルセルロースの各限界濃度以下の水溶液を混合し, そのγ線照射効果を検討した結果, 2種のポリマーがともに橋かけ型の場合は互に共橋かけし, 一方が分解型の場合はゲル化が遅延されることが認められた。ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンの混合水溶液を照射すると, 粘度は一方的に上昇するが, 沈殿剤に対する溶解度は著しく変化し, 照射初期ではグラフトポリマーの生成が起り, ゲル化点近くでは両ポリマーの共橋かけ物が沈殿した。橋かけ型ポリマー混合水溶液のゲル化線量は両ポリマー混合比に比例して変化した。橋かけ型ポリマーとメチルセルロースの混合水溶液ではメチルセルロースが橋かけ型ポリマー自体の橋かけを遅らせる。以上の共橋かけの反応機構について考察した。
  • 桜田 洋
    1961 年 18 巻 196 号 p. 496-503
    発行日: 1961/08/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    Al (C2H5)-TiCl4触媒によるスチレンと2-メチル-5-ビニルピリジンの共重合をAl/Ti=2.5 (モル比), 70℃ で行なった。アゾビスイソブチロニトリルおよびナトリウム触媒による共重合も比較のために行ない, それぞれの単量体反応性比として次の値を得た。
    rst=0.5 (±0.1), γmvp=2.9 (±0.3), γstmvp=0.45 (Al (C2H5) 3-TiCl4), rst=0.60 (±0.1), rst=0.68 (±0.1), γstst・γstmvp=0.41 (AZN)・γst=0.3 (±0.1), γmvp=2.9 (±0.3), γststmvp=0.87 (Na), この結果はAl (C2H5) 3-TiCl4触媒による共重合反応がアニオン的であることを示している。
    共重合体についてメチルエチルケトンへの溶解性, 赤外吸収スペクトル, およびX線干渉図を測定した。この結果, 少なくとも平均30個から40個のアイソタクチックな規則的スチレン連鎖がこの共重合体がアイソタクチックポリスチレンの特徴的な性質を示すために必要であると考えられる。
  • 第50報酸性基を有する物質の混合紡糸
    高橋 正夫
    1961 年 18 巻 196 号 p. 504-509
    発行日: 1961/08/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    アクリル繊維の染色性を向上させるために, 酸性基を有する物質の混合紡糸によって酸性基を導入する方法を試みた。紡糸および繊維物性についての知見は次のとおりである。(1) ポリアクリロニトリルとここで用いた酸性基含有物質 (アクリル酸エステル樹脂部分ケン化物, HNO3処理ポリアクリロニトリル, ポリアクリル酸メチル) の混合溶液形成状態は添加量4%の範囲で良好であり, 得られた繊維の不均一性も認められない。(2) 混合物質添加によって, 概して紡糸状態は低下する。(3) 添加によって, 酸性基当量数の増加は達成できるが, 沸騰水処理によるその減少が大きいことが問題である。HNO3処理重合体のPANとの相溶性は比較的良好である。(4) 添加によって繊維の色の熱安定性は劣化する。
  • 第59報化学的に均一な組成をもつアクリロニトリル-酢酸ビニル, アクリロニトリル-2-メチル-5ビニルピリジン共重合体の製造
    柚口 貞夫, 城内 宏, 渡辺 正元
    1961 年 18 巻 196 号 p. 510-514
    発行日: 1961/08/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    単量体の相対反応性 (MRR) の著しく異なるアクリロニトリル (AN) と酢酸ビニル (VAc), AN と2-メチル-5-ビニルピリジン (MVP) とを共重合して化学的に均一な組成をもった共重合体を得るために, より反応性の大きな単量体を連続的に反応槽に添加していく方法をとり, ほぼ満足すべき結果を得た。セミバッチ式にこれらの均一な共重合組成をもつ共重合体を製造する方法について検討し, 重合の進行につれて加えていくべき単量体の量を示す曲線を求めた。
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