7-アミノエナント酸および9-アミノペラルゴン酸を重合して, ナイロン7およびナイロン9を合成し, その物性を調べた。ポリマーの転移点はディラトメトリーで調べ, ナイロン7の二次転移点は52℃で, 融点は223℃であった。ナイロン9の二次転移点は46℃で, 融点は210℃であった。溶融紡糸した未延伸糸を熱水中で種々の割合に延伸して, 配向性を偏光顕微鏡およびX線回折で調べた。未配向試料の屈折率 (
niso) はナイロン7の場合1.526で, ナイロン9の場合1.521であった。延伸倍率を上げると糸の複屈折度は向上し, その最高値はナイロン7で0.058で, ナイロン9では0.064であった。ギ酸溶液から作ったフィルムを熱処理して, 結晶化度を, 赤外法, X線法, および密度測定によって測った。結晶化度と比容積の関係は次式で示される。
α=7.94-8.33v (ナイロン 7), α=8.30-8.47v (ナイロン9)
ここでαは結晶化度,
vは25℃における比容積 (cc/g) である。
抄録全体を表示