高分子化學
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22 巻, 242 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 河本 央, 早乙女 和雄
    1965 年 22 巻 242 号 p. 337-343
    発行日: 1965/06/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    7-アミノエナント酸および9-アミノペラルゴン酸を重合して, ナイロン7およびナイロン9を合成し, その物性を調べた。ポリマーの転移点はディラトメトリーで調べ, ナイロン7の二次転移点は52℃で, 融点は223℃であった。ナイロン9の二次転移点は46℃で, 融点は210℃であった。溶融紡糸した未延伸糸を熱水中で種々の割合に延伸して, 配向性を偏光顕微鏡およびX線回折で調べた。未配向試料の屈折率 (niso) はナイロン7の場合1.526で, ナイロン9の場合1.521であった。延伸倍率を上げると糸の複屈折度は向上し, その最高値はナイロン7で0.058で, ナイロン9では0.064であった。ギ酸溶液から作ったフィルムを熱処理して, 結晶化度を, 赤外法, X線法, および密度測定によって測った。結晶化度と比容積の関係は次式で示される。
    α=7.94-8.33v (ナイロン 7), α=8.30-8.47v (ナイロン9)
    ここでαは結晶化度, vは25℃における比容積 (cc/g) である。
  • 第1報プロピレン重合の頻度因子について
    慶伊 富長
    1965 年 22 巻 242 号 p. 344-349
    発行日: 1965/06/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    プロピレンの定常重合速度の実験値と三塩化チタン触媒の実測表面積とから得られる単位表面積あたりの頻度因子の値が, プロピレンの気体運動論的表面衝突のそれにきわめて近いことを見出した。この事実を手がかりとして, 可能な反応モデルを絶対反応速度論的に考察した。最もわかりやすいモデルは, あたかも気相から表面に衝突したように, 溶解プロピレンが分子状で, 全表面をおおっている重合中心に衝突するTwigg-Rideal型である。重合中心への吸着プロピレンのアタックを考える説は, きわめて特殊な吸着を考えないかぎり実験と合わないことなど, 通常考えられているモデルと実験との比較検討も行なった。
  • 第2報プロピレン重合初期段階における速度低下について
    太平 雅也, 慶伊 富長, 高木 徳二
    1965 年 22 巻 242 号 p. 349-353
    発行日: 1965/06/25
    公開日: 2012/02/20
    ジャーナル フリー
    アルミニウム還元三塩化チタンートリエチルアルミニウム触媒によるプロピレンの重合速度は, ごく初期の極大を経て減少しながら定常速度に近ずく。減少部分の速度論的研究を行ない, 速度式として次式を得た。

    v∞は定常速度, Pはプロピレン圧, τは重合時間。この速度式は, 増加型についてのNattaとPasquonの見出した

    に比較できる

    を保証する。この類似性から, 減少, 増加両型に対して, 共通な速度則

    が成立していることを示唆した。この速度則の意義およびτ34に伴うエネルギーを手がかりとして, 速度の時間的変化の性格を議論した。
  • 第3報ポリ酢酸ビニルエマルジョンに及ぼす後添加ポリビニルアルコールの作用
    林 貞男, 中野 千世子, 本山 卓彦
    1965 年 22 巻 242 号 p. 354-358
    発行日: 1965/06/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    保護コロイドのない系でつくったポリ酢酸ビニル (PVAc) エマルジョンに及ぼす後添加ポリビニルアルコール (PVA) の作用をボウ硝による凝析で調べた。PVAcエマルジョンや完全ケン化PVA, 均一再酢化PVAを後添加したPVAcエマルジョンはいずれもボウ硝で容易に凝析される。しかし, PVAcをメタノール中で普通のアルカリケン化でつくった部分ケン化PVAを後添加したPVAcエマルジョンはボウ硝に対して非常に安定であった。この傾向は残存酢酸基量が増すほど, 残存酢酸基が分子内に連なっているものほど大きかった。これらのことから分子内に連なっている残存酢酸基をもつ部分ケン化PVAはPVAcエマルジョンの粒子表面に吸着し水和層を形成するものと推察された。
  • 第4報ポリ酢酸ビニルエマルジョンに及ぼす前添加ポリビニルアルコールの作用
    林 貞男, 中野 千世子, 本山 卓彦
    1965 年 22 巻 242 号 p. 358-362
    発行日: 1965/06/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    重合前にポリビニルアルコール (PVA) を添加してつくったポリ酢酸ビニル (PVAc) エマルジョンの粒子径, 粘度およびボウ硝に対する安定性を調べた。PVAcをメタノール系で普通のアルカリケン化でつくった部分ケン化PVAを使ったPVAcエマルジョンは, 完全ケン化PVAや均一再酢化PVAを使ったPVAcエマルジョンに比べて粒子径は小さく, 粘度は高く, またボウ硝に対して安定なものが得られた。この傾向は残存酢酸基量が増加するほど, また残存酢酸基の分子内分布が不均一なほど著しかった。
  • 第1報スチレンのイオンテロメリゼーションによるグリコールの合成とグリコールとジイソシアネートの反応
    古川 淳二, 山下 晋三, 佐藤 哲雄
    1965 年 22 巻 242 号 p. 363-366
    発行日: 1965/06/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    スチレンのイオンテロメリゼーションをカチオン重合触媒系で酢酸およびパラホルムアルデヒドを用いて行なった。得られたテロマーはIR, 分子量 (ラスト法) およびケン化当量の測定結果から1-5個のスチレン単位を含むジアセテートであることを認めた。ジアセテートはアルコール性カセイカリによって容易にケン化されてグリコールとなり, 得られたグリコールと二三のジイソシアネートの反応から樹脂状のポリウレタンを得た。
  • 第2報イソプレンのイオンテロメリゼーションによるグリコールの合成とグリコールとジイソシアネートの反応
    古川 淳二, 山下 晋三, 佐藤 哲雄
    1965 年 22 巻 242 号 p. 366-374
    発行日: 1965/06/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    イソプレンを酢酸およびパラホルムアルデヒドを用いてテロメリゼーションを行ない, 1-10数個のイソプレン単位を含むジアセテートを得た。また, 反応系に無水酢酸が存在するときの効果を検討し, さらにテロゲン量および触媒量を変化させて高分子量のジアセテートを得るための反応条件を追求するとともに, この反応機構に少しく考察を加えた。これらのジアセテートをケン化して得られるグリコールはジイソシアネートと容易に反応し, いずれも樹脂状のポリウレタンを与えた。また得られたポリイソプレンのグリコールの存在下で, ポリテトラメチレングリコールとジイソシアネートを反応させることによってイソプレン単位をもつポリウレタンゴムを合成し, イオウ, および加硫促進剤によって加硫することができるポリウレタンゴムを得, さらに加硫ゴムの物理性質を測定した。
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