高分子化學
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24 巻, 272 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 林 誠一, 浜田 文将, 西城 彰, 中島 章夫
    1967 年 24 巻 272 号 p. 769-774
    発行日: 1967/12/25
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    大量の高分子試料を分別するため, 大型カラムを試作し, それを用いて低圧法ポリエチレン40gを分別した結果について報告する。本装置ではボイラー部分をステンレス製にすることにより, カラムの上部と下部の温度差を1℃以内に制御することができ, また, 充てん物をカラム本体から容易に取り出せるようにした。分別は酢酸ブチル蒸気を熱媒として循環させ126℃で行ない, 担体としてCelite 545, 溶媒としてキシレン, 非溶媒としてブチルセロソルブを用いて1分別区分あたり約3時間を要して合計32の区分に分別した。その結果, 本大型カラムによる分別は従来の小型カラムによる分別と同程度まで分別効率を向上できた。
  • 西城 彰, 林 誠一, 浜田 文将, 中島 章夫
    1967 年 24 巻 272 号 p. 775-778
    発行日: 1967/12/25
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    別報で大型カラムの製作と, 溶媒組成変化法によるポリエチレンの分別について報告したが, 本報では同カラムに温度制御のために減圧系をとりつけ, 異なった減圧下における熱媒の沸点での分別をも可能にした。本装置を用い, それぞれ約20gのポリプロピレンについて最初, 温度変化法で立体規則性による分別を, 次いで同一の結晶性部分について溶媒組成変化法によつて分子量による分別を行なった。
  • 上出 健二, 河合 徹
    1967 年 24 巻 272 号 p. 779-784
    発行日: 1967/12/25
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    結晶性高分子をカラム分別する際, 特に結晶融点以下で分別する場合に, 高分子を担体に沈着させる温度 (沈着温度) が分別効果にどのように影響するかを検討した。アイソタクチックポリプロピレンをデカリン-フタル酸ジエチル系 (140℃) でカラム分別した。同一分子量成分で比較すると, 沈着温度が高くなるほどより良溶媒の溶液にはじめて溶解し, 得られる見かけの分子量分布の幅も狭くなった。カラム分別の高分子沈着条件と同じ条件を用いて調製した, 溶液から析出した結晶の熱特性と形態 (morphology) を調べたところ, 沈着温度が低いほど結晶は低温融解成分を含み, 結晶も樹脂状晶となった。これより, 少なくとも溶出温度が結晶融点より低い場合には, 担体への高分子の沈着状態の相違が沈着高分子の溶解特性, したがって分別効果を明らかに左右することが確かめられた。
  • 第8報 アリルグリシジルエーテルと無水マレイン酸のラジカル共重合
    野間 夬之, 丹羽 政三
    1967 年 24 巻 272 号 p. 785-789
    発行日: 1967/12/25
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    無水マレイン酸とアリルグリシジルエーテルとのラジカル共重合をアゾビスイソブチロニトリル (0.5wt%) を開始剤としてアセトン溶液で60℃で行なった。重合率は80%に達し, コポリマーの極限粘度数 (アセトン溶液, 30℃) は0.08~0.10であった。モノマー反応性比は0.002 (rm) および0.01 (ra) である。このコポリマーは無水マレイン酸基とエポキシ基の反応で不溶性に変わる。
  • 第10報 高温におけるイタコン酸無水物の熱重合とシトラコン酸無水物への転位
    永井 進, 吉永 安司, 吉田 経之助
    1967 年 24 巻 272 号 p. 790-794
    発行日: 1967/12/25
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    イタコン酸無水物の塊状ラジカル重合に際して, 副反応としてのシトラコン酸無水物への転位の起こりやすさを検討することを目的とし, 種々の温度に加熱したイタコン酸無水物の変化を追跡した。その結果高純度のイタコン酸無水物は少なくとも90℃における転位は無視しうるほど緩慢であり, さらに温度を上げると転位よりも熱重合を起こしやすく, 150~160℃以上の高温に至って初めて熱重合と転位の両反応を起こすことが明らかになった。一方純度の悪いイタコン酸無水物は比較的低温でも溶融時にかなりすみやかに転位するが, その速度は不純物の種類と含有率により鋭敏に影響を受けるようである。たとえば不純物としてイタコン酸が共存するとイタコン酸無水物の熱重合は抑制され, 転位が容易に進行する。
  • 高松 俊昭, 古永 捷慶, 深田 栄一
    1967 年 24 巻 272 号 p. 795-800
    発行日: 1967/12/25
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    キシレンの希薄溶液より種々の温度で結晶化したポリエチレン単結晶累積膜, および, これらを温度を変えて熱処理したものを液態のスチレンに漬け, 室温でγ線を照射してグラフト重合反応を行なった。これら累積膜の長周期, および, 密度の値は, 結晶化温度や熱処理温度の高いほど大きくなる。スチレン吸収平衡量は, 結晶化温度の上昇に伴い, しだいに増加する。しかし, 100℃以下の温度で熱処理したものは, 熱処理温度の上昇につれてしだいに減少し, 100℃以上でほぼ一定値に近づく。
    グラフト効率は, 結晶化温度の高い方が小さい値を示す。これに対して, 熱処理した場合は, 温度が約90℃以下のとき, 温度によらず, ほぼ一定である。しかし, 90℃以上になると, 温度の上昇につれて急に低下し始め, 115℃以上では, ほぼ一定値になる。これらの結果から, グラフト反応が試料の全体としての結晶化度に依存するのみならず, 単結晶の形や厚さ, および, その積み重なりの状態にも依存することが見出された。グラフト重合が主として単結晶の表面で起こることが結論される。
  • 菊川 清, 野桜 俊一, 村橋 俊介
    1967 年 24 巻 272 号 p. 801-806
    発行日: 1967/12/25
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    炭酸ジビニル (DVC) の共重合パラメーターをp-クロルスチレン (p-ClSt) および酢酸ビニル (VAc) と共重合させて決定した。また, これらの値を炭酸エチルビニル (EVC) のそれと比較した。Q, e値は各々, DVCについて, Q=0.035, e=-0.23, EVCについて, Q=0.025, e=-0.26である。これらの値から, DVCとEVCは互いによく似た共重合反応性を示し, VAc (Q=0.026, e=-0.22) によく似ていることがわかった。DVCはかなり環化重合を行なうので, この結果はまた, 環化反応が共重合パラメーターに対し特別な影響を及ぼさないことを示していると思われる。DVC-p-ClSt系の共重合体中では, DVC-VAc系の場合よりも環化率が低いことがわかった。
  • 黒岩 城雄, 中村 亦夫
    1967 年 24 巻 272 号 p. 807-808
    発行日: 1967/12/25
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    Using Oldroyd model, Booij predicted that the dynamic viscosity of a viscoelastic fluid under the superimposed steady shear flow may increase with increasing angular frequency in some frequency ranges.
    In the present report, a double cylinder type apparatus was employed to estimate the dynamic viscosity of polyelectrolyte solutions under the steady shear flow. The free damped oscillation of the inner cylinder was recorded by a variable capacitance type transducer under the steady revolution of the outer cylinder.
    The effect of the superimposed steady shear on the dynamic viscosity-angular frequency relation in the studied solutions seems to show the validity of the prediction by Booij.
    The experimental results also seem to reveal that the dynamic viscosity in usual definition is influenced by structural changes of the material in the oscillating shear, even in small amplitudes.
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