1, 3-シクロオクタジエソ (1, 3-COD) と液体亜硫酸 (SO
2) との共重合について検討した。1, 3-CODはAgNO
3, H
2O
2などの添加によりSO
2と共重合し, DMF, DMSOおよびSO
2に可溶な1: 1組成のポリスルポソを与える。共役二重結合へのSO
2の付加は主に1, 2-付加であろうと推定した。AgNO
3を触媒とし, 過剰のSO
2中で重合を行なった場合共重合初速度はAgNO
3初濃度の1/2乗に比例し (0℃), 活性化エネルギーは約8.5kcal/mol (-10-+15℃) であった。重合初速度は約20℃に極大を有し, それ以上の温度では急激に低下し, 天井温度が35-40℃付近に存在することがわかった ([1, 3-COD]
0・[SO
2]
0=10mol
2/l
2)。さらに1, 3-COD-SO
2系に微量のH
2O, アルコール類およびDMFなどを添加した場合でもポリスルホンが得られた。一方アミン類を単独で添加した場合にはほとんどポリマーは得られないが, この系に微量の酸素を加えると高収率でポリスルホンが得られた。1, 3-CODポリスルホンは約160℃から熱分解し始め, また, アルカリ水溶液によっても分解する。
抄録全体を表示