高分子化學
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28 巻, 317 号
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  • 中山 晃, 大沢 直志, 三平 和雄
    1971 年 28 巻 317 号 p. 715-718,769
    発行日: 1971/09/25
    公開日: 2012/02/20
    ジャーナル フリー
    (1) 粒子分散系複合材料の粒子の大きさの分布を知るために, 複合体内部の粒子半径rの分布f (r) と断面におけるintercept長の1/2の長さtの分布f (t) との間の関係を, 断面粒子半径sの分布f (s) を介して確率統計的に求めた。
    ここに, F (t) はtの累積分布関数, ssの平均値である。また, f (s) は次のように表わされる。
    (2) f (r) に5種類の分布型を与えたときのf (t) とその平均値, 分散および変動係数を求め, tからrを推定するときの係数を比較した。係数はf (r) の型によっていちじるしく異なり, f (r) の影響の大なることが示された。
  • 第4報ビスフェノールA/ポリアミン系エポキシ樹脂の粘弾性
    小菅 詔雄, 矢野 彰一郎, 金丸 競
    1971 年 28 巻 317 号 p. 719-724,769
    発行日: 1971/09/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    ビスフェノールA/ポリアミン型エポキシ樹脂の動的粘弾性をTBA (Torsional Braid Analysis) を用いて測定した。硬化条件の異なる試料の温度分散曲線から樹脂の硬化度を推定し, 硬化反応について検討を加えた。さらにポリアミン硬化剤の分子鎖長を変えて粘弾性の温度特性に対する効果も検討した。その結果, ビスフェノールA型/ポリアミン系エポキシ樹脂の粘弾性の温度特性は硬化条件や測定時の昇温速度によって大きく影響される。とくに不完全硬化樹脂のガラス転移温度 (T0) は硬化温度や硬化時間の増加に比例して上昇する。また完全硬化樹脂のT0は網目構造中のジアミン部分における橋かけ点間のメチレン基数について直線関係が成立した。
    完全硬化樹脂のゴム状態における剛性率よりTobolskyのゴム弾性の状態式中のフロント係数 (φ) を求めた。φ は硬化剤の分子鎖長が大きくなると減少する傾向にあった。同じ組成の樹脂を鋼の接着剤に用いて, 測定時の温度の影響を知るために引張り強度試験を行なった。完全硬化した接着剤のT0以上の温度領域では接着強度がアレニウス型の温度依存性を示し, みかけの活性化エネルギーは脂肪族ポリアミン系硬化剤を用いたときに18kcal/mol, 芳香族ジアミンでは11kcal/molとなった。
  • 第7報1, 3-シクロオクタジエンと無水マレイン酸の共重合および1, 3-シクロオクタジエン, 無水マレイン酸およびアクリロニトリルの三元共重合
    山口 格, 長井 勝利
    1971 年 28 巻 317 号 p. 725-730,770
    発行日: 1971/09/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    1, 3-シクロオクタジエン (1, 3-COD) は無水マレイン酸 (MAn) といわゆるDids-Alderタイプの付加反応せず, ラジカル開始剤により共重合し, 1:1組成の白色粉末で, アセトン, 無水酢酸, DMFなどに可溶な交互共重合体を与える。
    共重合速度は次の式で示される。
    Rp=k[AIBN]0.8[T]1.8
    [T]=[1, 3-COD]+[MAn](ただし [1, 3-COD]=[MAn])
    全活性化エネルギー: 22.7kcal/mol
    BPOの場合: Rp∝[BPO]0.7
    三元共重合では生成ターポリマーの組成はつねに(1, 3-GOD・MAn)m(AN)nで表わされ, ターボリマー中の1, 3-GODとMAnは1:1組成であった。仕込の全モノマー濃度およびAN濃度を一定として, 1, 3-GODとMAnの仕込組成を変化した場合, ターポリマー中のAN含有量は [1, 3-COD]=[MAn] 近辺で最小となり, また溶媒によっても変化することが認められた。1, 3-COD-MAn錯体 (M1) とAN (M2) との共重合として三元共重合を取り扱った場合のみかけの反応性比はr1K=1.88, r2/K=0.12であった (ただしKは錯体の平衡定数)。
  • 玉置 克之, 錦辺 洋子, 坂口 康義
    1971 年 28 巻 317 号 p. 731-738,771
    発行日: 1971/09/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    種々の高分子カルボン酸の水溶液の電位差滴定曲線に及ぼす界面活性剤の影響を検討した。高分子酸としては, モノまたはジカルボン酸単位からなる単独重合物, モノカルボン酸単位を含む共重合物, およびマレイン酸単位を含む交互共重合物を用い, 界面活性剤としてはドデシルアルコール・ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム・ヘキサデシルスルホン酸ナトリウムを用いた。一般に, 活性剤の添加によって, 低中和度領域におけるpH値が上昇した。これは高分子酸と活性剤との疎水性相互作用に基づくと考えられる。活性剤の影響は滴分子酸の種類によって明らかに異なる. これらの結果について, 粘度の測定結果も考慮に入れて考察した。
  • 緒方 直哉, 田中 穂積
    1971 年 28 巻 317 号 p. 738-742,771
    発行日: 1971/09/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    シクロヘキサノンをアルカリ触媒の存在下で縮合させて得られた (1-シクロヘキセニル) シクロヘキサノンから, α-あるいはε-(1-シクロヘキセニル)-ε-カプロラクタムを合成した。オキシム化反応ではsynあるいはantiオキシムが得られ, これらオキシムのBeckmann転位はベンゼンスルポニノレク時陣でのみ起こった。synあるいはantiオキシムからそれぞれラクタムAあるいはBが得られた。ラクタムBの開環重合の反応熱は1.3kcal/molで環鎖構造間の化学平衡はかなリラクタム側に有利である。
    ラクタムAあるいはBとスチレンとのラジカル共重合を行なった結果はラクタムBとスチレンのモノマー共重合反応性比がrst=2.0, rlactam=0.36であり, 共重合体組成はスチレンが多くはいった。
  • 坂本 昌弘, 伊藤 彰彦, 林 晃一郎
    1971 年 28 巻 317 号 p. 742-746,772
    発行日: 1971/09/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    トリオキサンとジオキソランとの放射線後効果固相共重合について検討した。トリオキサン結晶にジオキソランを添加すると, 重合収率と分子量はジオキソランの添加量の増加とともに減少した。得られたポリマーの熱安定性はジオキソランの添加量の増加とともに増加し, ポリマーの融点は低下した。これは, トリオキサンとジオキソランの共重合体が得られることを示している。実験結果の遠度論的解析から, 連鎖移動反応は起こらないことが見いだされた。ガスクロマトグラフ分析によって, ポリマー中のジオキソランモル分率がモノマー中のジオキソランモル分率より大きいこと, また高収率において残存ジオキソランは検出されないので, 生長反応の逆反応は無視できることが確かめられた。
  • ポリヒドロキシエチルメタクリレート網目とポリメタクリル酸メチル網目
    児玉 峯一
    1971 年 28 巻 317 号 p. 746-750,772
    発行日: 1971/09/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    ヒドロキシエチルメタクリレート網目とメタクリル酸メチル網圏の力学的性質に及ぼす網目形成時の共存希釈剤の効果 (前膨潤の効果) を比較して調べた。転移域より高温側での力学的性質からメタクリル酸メチル網目は前膨潤によって網目の形態が変化するが, ヒドロキシエチルメタクリレート網目の場合には前膨潤によって網目の形態は影響を受けないことを推定した。しかし転移域より低温側での前膨潤による挙動の変化がヒドロキシエチルメタクリレート網目の場合にはみられるが, メタクリル酸メチル網目では前膨潤による低温域の性質の変化は生じない。
  • 滝沢 章, 浜田 敏裕, 下川 順造
    1971 年 28 巻 317 号 p. 751-755,772
    発行日: 1971/09/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    1) Poly (γ-rnethyl-D-glutamate) の水への親和性は低いが, 水蒸気の透過係数は10-6cc stp・cm-1・scc-1・cmHg-1程度 (25℃) にきわめて高く, これは拡散係数の大きいことによる。CO2ガスの透過性は水ほどに高くなく, その約1/1000である。
    2) ポリマー中の水の拡散係数は水の濃度とともに減少し, これは水分子の会合によるものである。等温吸湿曲線の解析結果もこれを裏付け, 飽和蒸気圧部分で数個の分子からなるクラスターを生じている。ポリマー中の水の自己縮合モデルが適用でき, 4~5分子会合のものまで, 拡散しうる結果を与える。
    3) ディラトメトリーによると, このポリマーは28℃ に転移点を有し, これは側鎖の分子運動に関するものと考えられる。水蒸気の拡散係数のArrheniusプロットはこの点で屈曲を生じないが, CO2ガスのそれは, この温度以上で拡散係数が急に大となる。
  • 坂口 康義, 山田 順一, 玉置 克之, 西野 潤
    1971 年 28 巻 317 号 p. 755-760,773
    発行日: 1971/09/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    種々の単独重合物および共重合物のスルホン化物の, 酢酸-n-ブチルの水溶液中における加水分徽対する触媒作用を検討した. 似た基本分子からなるポリマーの触媒効果 (E) は, スルホン酸基含量の低下に伴って増大し, また基本分子が疎水性であるポリマーは大きいEを示す傾向が認められた。しかし, 疎水性のポリマーでも小さいEしか示さな時のがあり融媒反応において立体効果も重要な役割りを演じていると考えられる。
  • 坂口 康義, 辻本 良昌, 玉置 克之, 西野 潤
    1971 年 28 巻 317 号 p. 761-765,773
    発行日: 1971/09/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    酢酸メチル, 酢酸-t-ブチル, フマル酸ジメチル, マレィン酸ジメチル, 部分アセチル化ポリビニルアルコールおよび酢酸ビニルービニルピロリドン共重合物を, 種々の高分子スルホン酸を触媒に用いて水溶液中で加水分解した。高分子スルホン酸の触媒効果は, 疎水性以外に立体効果によっても支配された。触媒分子のスルホン酸の一部をラウリルアミンによって中和すると, 立体障害が増加するために, 触媒効果が低下した。またこれらの触媒酸とオルトおよびパラアミノ安息香酸エチルとの結合性は, 静電相互作用以外に, 疎水性相互作用および立体因子によっても影響された。
  • 古田 光和, 結城 康夫, 長野 正満
    1971 年 28 巻 317 号 p. 766-768,774
    発行日: 1971/09/25
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    イソプロペニル-s-トリアジン誘導体として, 2-アミノ-4-p-トルイジノ-6-イソプロペニル-s-トトリアジン (I), 2-アミノ-4-p-アニシジノ-6-イソプロペニル-s-トリアジン (II), 2-アミノ-4-p-クロルアニリノ-6-イソプロペニル-s-トリアジン (III) を合成し, アゾビスイソブチロニトリルを開始剤としてジメチルスルホキシド溶液重合を行ない, 相当するホモポリマーを得た。また, スチレン (M1) との共重合の結果, 共重合パラメーターとして, それぞれつぎの値を得た。I (M2) では, r1=0.43, r2=0.61, Q=0.93, e=035, IIでは, r1=0.43, r2=0.43 Q=1.02, e=0.23, IIIでは, r1=0.48, r2=0.66, Q=0.89, e=0.27
  • 1971 年 28 巻 317 号 p. 774
    発行日: 1971年
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
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