D-, L-ポリァラニンおよびそのランダムおよびブロック共重合体のトリフルオル酢酸 (TFA) およびジクロル酢酸 (DGA) 中における分子形態を旋光分散 (ORD), 高分解能核磁気共鳴 (NMR) により検討した。DL-共重合体ではORDのb
0値から右巻きおよび左巻きヘリックス含量の差が, NMRからはそれらの和が求められる。NMRの結果から, DCA中では分子形態を敏感に反映するNHプロトンピークが3本に分裂しており, それぞれの強度がDL-組成によって大きく変化することを見いだしたが, ピークの帰属は必ずしも明らかでない。したがって, ヘリックス含量を定量的に議論することができなかったが, ORD, NMRの結果からTFA中でも単独重合体およびブロック共重合体は多少のヘリックスを残し, DGA中ではpartial he1ixをとること, DCA中でランダム共重合体でもL体 (あるいはD体) にD体 (あるいはL体) のわずかの混合でヘリックス含量は減少するが, 多少のヘリックスはとりうることなどを明らかにした。また, DGA中では, ポリアラニンの分子形態が温度によって異なること, 分子量依存性のあることなどを指摘した。
抄録全体を表示