熱重量測定による高分子の耐熱性の評価を目的とし, ポリベンゾイミダゾールと二, 三のモデル化合物を合成し, TGによる耐熱性の測定条件による影響を調べた。真空中の場合, ポリマーの1量体に相当する構造のモデル化合物は, その融点付近で100%消失するが, それ以上の大きさのモデル化合物およびオリゴマーは, ポリマーと比較して分解生成物の大きさの差を示したTG曲線を与える。窒素中では, 1量体に相当するモデル化合物も, 500℃以上でも40%前後の炭化残を残し, 低分子となって消失するものと, 再結合していくものとの競争反応が起こっていることを示す。さらに大きなモデル化合物の場合, ポリマーとの差は, 見られなかった。
TGに現われる熱分解挙動は, 外的条件とも関連し, 分解後再結合, 橋かけによって生成した2次ポリマーの耐熱性に強く支配される。
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