高分子溶融物の毛細管流動におけるBarus効果は毛細管長が短いほど著しい。これを説明するため, (1) 毛細管入口に至るまでの定荷重下における伸張, (2) 毛細管中での内部応力緩和, (3) 押し出された後での残留ひずみの回復, と連続した三段階の変形機構を考え, 線形粘弾性現象論を用いてまず一般式を導いた。つぎにその一般式を簡単にする目的でOldroydモデル (ダッシュポット (η
1) とVoigt要素 (η
2とG
2) とが直列に連らなったもの) を用いた結果, つぎのような式が得られた。
見かけのずり速度γ
aを固定して毛細管長 (
L/
R) を変えた場合, log {1-1/ (d-Δ)
2} 対 (
L/
R) は直線関係にあり, 勾配から求められるτ= (η
1+η
2) /
G2はγ
aの増加とともに
d log τ/
d log γ
a_??_-1の関係で減少した。
抄録全体を表示