高分子化學
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6 巻, 56 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 第3報加硫板の加硫度均一性の吟味
    大北 熊一
    1949 年 6 巻 56 号 p. 229-231
    発行日: 1949/10/20
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
  • 第4報加硫ゴムーケタヂン架橋反應速度に就いて
    大北 熊一
    1949 年 6 巻 56 号 p. 231-234
    発行日: 1949/10/20
    公開日: 2010/12/22
    ジャーナル フリー
    加硫度の比較的小なる軟質加硫ゴム中から結合していない硫黄を除さ, その構造中のチオケトン基を對象としてケタヂン架橋を行わしめる時には, 時日の經過と共に伸率一定に於ける歪力は増大して行く。今ある伸率に於ける歪力をfとし, それが架橋を完成してしまつたと考えられる時の歪力をF∞ で表示すれば, 加硫ゴムーケタヂン架橋に於て次の關係式が成立つ。
    [4-1]
    ここにtはケタヂン架橋生成の時間を表わし, f0はケタヂン架橋されない前の, もとの加硫ゴムの歪力を表わす。Kはその加硫ゴムに就いて, その温度による恒数である。
  • 第5報加硫ゴム中のチオケトン基よう轉ずる架橋型式の弾性論的吟味
    大北 熊一
    1949 年 6 巻 56 号 p. 234-240
    発行日: 1949/10/20
    公開日: 2010/12/22
    ジャーナル フリー
    加硫ゴム中にはチオケトン基が存在する。このチオケトン基はゴム加硫中に生じ, 加硫の進むにつれて架橋に轉ずる。又, 加硫ゴムの経日變化に伴なつて架橋に轉ずる。アセトンで加硫ゴム中の結合していない硫黄を除去する操作中にも架橘に轉ずる。しからば, このチオケトン基の架橋に轉ずる構造は次のいずれであろうか。([5-1], [5-2], [5-3], [5-4] 圖参照)
    [5-1]式はヂ・チオエーテル型であり, [5-2] 式は, トリ・チオエーテル型である。加硫ゴムの経日變化に依り, チオケトン基より轉ずる架橋生成に對する弾性的及び化學的取扱いに併せて, 加硫ゴム-ケタヂン架橋を全く同時に行つた結果, 次の知見を得た。W. Kuhn 及び久保氏理論 という代表的な弾性理論の解釋に定性的に矛盾を來たすことなく, 又, 低分子チオケトン重合の一般性にも合致し, 弾性的な實驗とも合致する構造は [5-2] 式表示のものの内, ゴム加硫中にあつては [5-4] 圖型のゴム分子内環状構造及び [5-3] 圖型のゴム分子内一部環状構造が期待され, 加硫ゴムの経日變化に伴なうチオケトン基より轉ずる架橋には [5-3] 圖型が期待される。他の構造は矛盾を生ずる。即ち加硫ゴムケタヂン架橋は, [5-3] 式で自己分子内環状構造は成り立ちにくく, 殆んど弾性架橋であると考えられる。これに反し, 硫黄に依るゴム分子架橋中には弾性に關與しない自己環状構造を型作る事が期待される。
  • 渡邊 正元
    1949 年 6 巻 56 号 p. 241-243
    発行日: 1949/10/20
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    スベリン酸は從來コルク, ひまし油或はその他各種の油脂類を硝酸酸化して造つたが, 同時に生成する二監基酸との分離が困難であつた。ところがReppe により究究された方法によるとアセチレンから好收率でスベリン酸が出來るから, このものはポリアミドの原料として工業的に使用し得る可能性がある。そこで著者はアヂピン酸より次の方法でスベリン酸とオクタメチレンヂアミンを合成して, その重合物を造り紡糸したところ6.6ナイロンに劣らぬ強度をもち, 熱的にはより安定性の高い優れた繊維となることを見出した。
    次に以上の順に實驗の大要を述べる。
  • 第23報苛性ソーダ性フノンフラール石炭酸樹脂の熱硬化について
    井本 稔, 住友 宏, 的場 啓子
    1949 年 6 巻 56 号 p. 244-260
    発行日: 1949/10/20
    公開日: 2010/10/14
    ジャーナル フリー
    先にわれわれは可溶性フルフラール石炭酸樹脂を加熱して不溶性樹脂に變えることを熱硬化と稱し, その動力學的な實驗と理論とをしばしば報告してきた。それは本報の最後にも記すように種々の缺點をなお持つものであるがともかく多数の實驗結果を統一して説明できるものであつた。今回も引きつづいて苛性ソーダを促進剤として調製したフルフラール石炭酸樹脂の熱硬化について報告するが, 今回の可溶性樹脂が從來のものと異なる所は反應性の 基をとくに多く有し, 從つて硬化し易いと豫想されるものであること (實際の結果は反對であつたが), 及び樹脂中に種々の割合にNa分を含んでいるのでNa分の作用について何かを知る便宜があることの2點である。
    なお戦争直前からあとにFloryやStockmayerは圭としてグリプタル樹脂などの不溶性化を統計力學的に追跡している。われわれの研究方向と異なるが, われわれが現在計剤しているように各々の硬化段階に於いて可溶性部分の分子量分布函数を求めてゆけば, 凡そ連絡がつくと思われる節が多い。
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