要 旨 著者らはアニミズム心性に関する一連の研究を通して、わが国ではアニミズム心性が幼児期特有の心性ではなく、児童から老年に至るまで全世代に共通したパーソナリティ特性であることを明らかにした。従来の発達研究ではアニミズム思考は幼児期特有の未熟な思考形態で、脱中心化が進むにつれて次第に消失していく思考と考えられてきた。 本論ではアニミズム心性が思考や認知能力の発達、さらには社会性や人格発達に伴って次第に低減するような未熟なパーソナリティ特性なのかどうかを、アニメ文化と関連づける中で論じた。その結果、アニミズム心性はアニメ文化と同様、未熟で幼児性の強い思考や感覚ではなく、成人が普遍的に所有する適応様式の一部分であることが示唆された。
要 旨 2011年から2013年にかけてF県の3つの公立高校の女子高校生の「自然体験」を比べた。人口100万人を超える都市にある高校と20万人規模の町の高校の自然体験頻度に有意差はみられなかった。自然体験頻度の高い女子高校生の多くは、「楽しませる態度」で接する親に育てられ、社会性の「視点取得」「空想力」、社会的スキルが高かった。 大都市にある進学率の高い高校では、社会性について自然体験頻度間に大きな差はみられなかったが、中小都市の高校では自然体験頻度の最も高いグループの社会性は特に高く有意差がみられた。
要 旨 フレーベル『母の歌と愛撫の歌』に描かれた教育思想における植物の栽培活動の意義は、広義では園芸療法の意義に通ずるものであり、植物とのふれあいは、子どもたちにとってストレスの軽減や豊かな人格形成において価値があると思われる。 そのため、保育士養成において、植物についての知識と栽培技術の習得、また、それらをどう保育に活かし子どもたちの心を癒すことができるかを構築する保育能力の養成は、現在の保育現場で求められるものであろう。そして、園芸療法士の資格を持つ保育士の養成は現代の保育の源流であるフレーベルの教育思想実現のためにも意義あるものと考えられた。
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