顎骨にみられる解剖学的バリエーションはCBCTの普及により少しずつ認知されるようになってきたものの, その詳細については論文を読み解くこと以外にあまり知識として手に入れる方法がない。本総説では, 下顎の解剖に焦点を絞り, CBCTから読み取れる解剖学的バリエーション (副オトガイ孔, 臼後孔, 舌側孔) を解剖学, 画像診断, そして臨床解剖の側面から解説していく。バリエーションを学ぶにあたり, 臨床において最も重要なことは, これらのバリエーションを 「知る」 ことである。バリエーションを知ってCBCTを読影することで, 見逃してしまうリスクを最小限に抑えられるはずである。