口腔病学会雑誌
Online ISSN : 1884-5185
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45 巻, 4 号
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  • 藤沢 盛一郎, 砂田 今男, 増原 英一
    1978 年 45 巻 4 号 p. 517-526
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/12/08
    ジャーナル フリー
  • 後藤 仁敏
    1978 年 45 巻 4 号 p. 527-584
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
    サメ類の歯の外層は, 間葉性エナメル質といわれるが, その本態については未だ不明な点が多い。著者は, 歯の比較発生学的研究の一環として, 軟骨魚類のドチザメを材料とし, 機能歯の構造, 歯堤と歯胚の位置関係, 歯胚の発育過程, エナメル質の構造と形成, およびエナメル芽細胞の分化過程について, 光学顕微鏡走査ならびに透過電子顕微鏡を用いて観察を行った。
    初期歯胚は歯堤の舌側深部端に形成され, 発育に伴って歯堤に結合した状態で唇側浅層に移動し, 順次萌出する。歯の硬組織形成は, エナメル質基質の形成から始まる。エナメル質基質は, 基底膜の歯乳頭側に形成され, 初期にはcollagen線維のみからなり, Korffの線維と連続しているが, やがて微細なtube状構造物が密に出現する。エナメル質の結晶は, 基質を構成するtube状構造物やcollagen線維の配列方向に従って沈着・配列する。結晶の沈着ならびに成長は不揃いに進行するが, 最終的には石垣状に密に配列するようになる。エナメル芽細胞には, 基質形成期にglycogen粒子の集合体が多数出現し, 石灰化期から成熟期にGolgi complexが発達して多数の顆粒状構造物が出現するなど, エナメル質形成に積極的に関与している状態が, 観察される。
  • 小沢 幸重
    1978 年 45 巻 4 号 p. 585-606
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/12/08
    ジャーナル フリー
    長鼻類の系統発生に沿って, Mastodon, Stegodon, Elephasの各進化段階の臼歯におけるエナメル質組織を走査電顕的に比較観察し, 臼歯形態および咀嚼機能の変化との相関性を検討した。エナメル質組織を比較するについては, 臼歯矢状断面におけるシュレーゲル条が明瞭である層を中層とし, それから象牙質側を深層, エナメル質表面側を表層として3層に区分し, 各層ごとに検討した。
    深層エナメル質には, エナメル象牙境に接して無小柱エナメル質の層が認められ, 中層に近い部分では広い小柱間エナメル質で隔てられた大きさの一定しない円形および半円形のエナメル小柱の断面形態が認められた。表層エナメル質においては, エナメル質表面近くが無小柱エナメル質であり, 大きさおよび形が一定しないエナメル小柱の断面の輪郭が認められた。これらの組織像は, 各長鼻類に共通であった。
    中層エナメル質においては, Mastodon段階ではヒトの鍵穴形のエナメル小柱と形および大きさが同様であり, Elephas段階では横幅が鍵穴形の約2倍あるイチョウの葉形のエナメル小柱であった。Stegodon段階には, 両者の型が認められた。これらのエナメル小柱の断面形と臼歯形態との関連から次のことが推定される。
    長鼻類の最も原始的なMoeritheriumからMastodon段階の臼歯へと, 約3, 000万年の間に進化したが, その変化は, 雑食性 (omnivorous) の特徴である鈍頭歯および短冠歯の形質を保ったまま, 歯冠の体積が約70倍になるという巨大化したものである。この臼歯形態の変化においては, エナメル芽細胞数の増加によって歯冠の巨大化が補われたと推定できる。次の, MastodonおよびStegodon段階からElephas段階への進化は, 約2, 000万年弱の間に植物食性 (herbivorous) の特徴である隆線歯, 長冠歯の臼歯となり, 歯冠ヒダおよび歯冠セメント質が著しく発達し, 歯冠の体積は約3~4倍となったものである。このような臼歯の急速な複雑化において, エナメル芽細胞は, 数の増加に加えて形態的な変化を伴って補わねばならなかった。この結果, イチョウの葉形のエナメル小柱が形成されたものと考えることができる。
  • 小守 昭, 岡田 憲彦, 武田 泰典, 石川 梧朗
    1978 年 45 巻 4 号 p. 607-617
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
    Sj隸grenQの耳下腺について, 特にいわゆる筋上皮島を中心に観察した。試料は47歳の女性からの生検組織である。光顕的には腺実質は高度のリンパ性細胞で置換され, リンパ性組織内には筋上皮島が散見された。電顕的には, 1.筋上皮島構成細胞は明調細胞, 暗調細胞と筋上皮細胞の3種の上皮細胞で, これら細胞間に浸潤したリンパ球, 形質細胞がみられた。明・暗調の上皮細胞内には時にtonofilamentと考えられる束状の細線維が散見された。2.筋上皮島内外の光顕的に無構造な硝子様物は上皮細胞に隣接した微細線維状物で間質の膠原線維と混在していた。この部ではbasal laminaは不明瞭で, 時に同部に高電子密度で不規則な無構造沈着物をみた。3.筋上皮島周囲の浸潤細胞は主にリンパ球で, 粗面小胞体の発達した形質細胞も散見された。毛細血管には著変はないが, 全般に内皮細胞は腫脹し, 数ヵ所で内皮細胞内の拡張した粗面小胞体内にtubuloreticular structureがみられた。
  • 3H-thymidineオートラジオグラフィーによる観察―
    中邨 隆子
    1978 年 45 巻 4 号 p. 618-636
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
    顎顔面頭蓋の成長発育, 特に下顎骨の成長発育に関して, 下顎頭軟骨が重要な役割を果たしていることが一般に知られている。
    本研究では, 下顎頭軟骨, 骨端軟骨および関節軟骨における成長様相の相違の有無を明確にする目的で, 器官培養法を適用し, 各々の軟骨細胞の動態を比較検討するために, 3H-thymidineによるオートラジオグラフィーを行った。
    資料としては, 39羽のPolish-Dutch雑種幼若兎 (生後1~3日目) を使用し, 内18羽はそれぞれ先述した3種の軟骨を3H-thymidine投与1時間後からさらに, 2, 5, 8, 11, 23, 47時間の器官培養に供した。残り21羽の各軟骨は各々培養期間に相当する対照群 (in vivo) に供した。
    オートラジオグラムを作製後, 標識細胞数を計測し, 軟骨細胞の成熟過程を追究した結果, 以下の結論を得た。
    1) 軟骨細胞の成熟過程については, 下顎頭軟骨は骨端軟骨と同様に, 軟骨組織自体の内的成長能によって支配されていることが示唆された。
    2) 軟骨組織の成長発育を考える際には, 軟骨細胞自体の成熟過程と, それに伴う内軟骨性骨形成過程とを, 分ける必要があると考えられた。
  • 高木 実, 迫田 由紀子, 石川 梧朗
    1978 年 45 巻 4 号 p. 637-644
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
    結節性筋膜炎の口腔領域にみられた5例を述べた。2例は口蓋舌に発生したものだが, 口腔粘膜部の結節性筋膜炎は稀であり, 従来の報告例も4例しかない。3例は顎下部に咬筋筋膜と関連して発生した。結節性筋膜炎の本邦での報告はまだ少ないので, 自験例の報告と合わせて文献的考察, 鑑別診断についても記載した。
  • VII.疣贅状癌の組織診断
    迫田 由紀子, 高木 実, 石川 梧朗
    1978 年 45 巻 4 号 p. 645-652
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
    疣贅状癌の確定診断を生検で行うことは比較的むずかしい。この論文は疣贅状癌の組織診断時にどのような注意をすべきかを検討したものである。研究対象は生検および全摘出材料を組織学的に検索できた口腔粘膜の定型的な疣贅状癌の4症例である。疣贅状癌の組織診断時には病理医が本疾患の組織像を十分に理解しておく必要があることは勿論であるが, 臨床医が生検採取時に採取部位を慎重に選ぶ必要がある。生検は病巣中央部から十分な深さをもって採取されなければならない。
  • 橋口 邦夫
    1978 年 45 巻 4 号 p. 653-662
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
    ヒト歯垢中よりShimizuらによって分離されたS-form菌の鞭毛を分離精製し, 分子量を測定, アミノ酸分析を行い, Salmonella, Proteus, Bacillusの鞭毛と比較検討し, in vitroでの鞭毛線維の再構成を試みた。また電子顕微鏡による観察からfilamentの微細構造, hook, 鞭毛基部構造を調べた。
    その結果分子量約40, 000で, Asp., Ala., Gly.が多いという他の鞭毛との共通性質をもっ反面, Cys.を含み, Val., Met.は全く含まないといったS-form菌特有な面もみられた。電子顕微鏡観察によると, 鞭毛は約40Åの粒状タンパク質分子よりなる直径約0180Åのfilamentと長さ約0600Åの釣状hookよりなり, 鞭毛がinner cytoplasmic membraneより生じていることが超薄切片試料から明らかになった。また, 再構成線維については鞭毛溶液を2つに分け, 1つを熱または酸処理してモノマーとし, 他を音波処理してfragmentsを得, 両者を混合することによって得られた。
  • ―特に唾液中の分泌型IgAによる口腔常在菌に対する凝集活性―
    佐藤 信義
    1978 年 45 巻 4 号 p. 663-668
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
    ヒト耳下腺唾液より, イオン交換法ならびにゲル濾過法によって分泌型IgAを分離精製し, 主要な口腔常在菌15種18株に対する凝集活性を測定した。分泌型IgAは13株の細菌に対して凝集活性を示した。特に凝集価の高い細菌は, Lact.fermentiおよびStr.sanguisであった。一方, Str.mutans B13, Str.salivarius, Bact.matyuchotii, Bact.melaninogenicusおよびSelenomonasでは凝集がみられなかった。
  • (特に全部床義歯裝着者と有歯顎者との比較)
    打田 年実
    1978 年 45 巻 4 号 p. 669-681
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
    著者は頭部X線規格写真計測法により, 有歯顎者における若年より老齢に達するまでの咬合高径の推移を知るために20歳代, 40歳代, 50歳代, 60歳代の有歯顎者の咬合高径を調査した。また予後良好な全部床義歯装着者の咬合高径と同年代の有歯顎者の咬合高径がどのような関係にあるかを知るために, 両者を比較検討し, 次のような知見を得た。
    (1) 男性において咬合高径は20歳代より50歳代まで徐々に増加する傾向を示し, 50歳代を過ぎても減少は見られなかった。
    (2) 女性において咬合高径は20歳代より40歳代までは著明に増加する傾向を示したが, 40歳代より50歳代においてはほとんど変化せず50歳代より60歳代では減少傾向を示した。
    (3) 全部床義歯装着者の咬合高径は同年代の有歯顎者の咬合高径と比較して明らかに低い値を示した。
  • 三浦 不二夫, 近藤 勝義
    1978 年 45 巻 4 号 p. 682-689
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 上出 正幸, 木下 四郎, 荒谷 真平
    1978 年 45 巻 4 号 p. 690-691
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 米満 正美, 宮入 秀夫
    1978 年 45 巻 4 号 p. 692-693
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 高木 裕三
    1978 年 45 巻 4 号 p. 694-695
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 指宿 真澄, 浅岡 一馬, 打田 年実
    1978 年 45 巻 4 号 p. 696-697
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 村井 敏人, 斎藤 祐一, 堀川 高大
    1978 年 45 巻 4 号 p. 698
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 杉本 久美子
    1978 年 45 巻 4 号 p. 699-700
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 1978 年 45 巻 4 号 p. 701
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
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