フォーラム現代社会学
Online ISSN : 2423-9518
Print ISSN : 1347-4057
14 巻
選択された号の論文の19件中1~19を表示しています
論文
  • 洪 ジョンウン
    2015 年 14 巻 p. 3-16
    発行日: 2015/06/25
    公開日: 2017/09/22
    ジャーナル フリー
    本稿は、1960年代において在日朝鮮人女性が「女性同盟」の活動を通じて獲得した民族アイデンティティの特徴について考察することを目的とする。北朝鮮を支持する「朝鮮総連」の傘下団体である「女性同盟」は、戦後、最も古い歴史を持つ在日朝鮮人女性団体である。北朝鮮への帰国運動が始まったばかりの1960年代初頭、大阪では「女性同盟」の活動家によって朝鮮学校に「オモニ会」が発足され、公的領域においてもオモニ役割が遂行されるようになった。北朝鮮の影響を受けて1962年に開かれた「オモニ大会」ではオモニとしての役割が公式に強調され、北朝鮮の「革命的オモニ言説」が総連系在日朝鮮人社会に広がる契機となった。「女性同盟」は「康盤石女史を見習う運動」を行い、金日成の母である康盤石を理想化した。康盤石は自ら革命家になるよりも、革命家の子どもを育てることに重点を置く女性像であったため、「女性同盟」の活動家にとって良妻賢母主義を批判的に克服することは難しかった。一方、多様な女性闘士が登場する『回想記』シリーズを用いた学習では、自ら革命の闘士となった女性像を探り出す転覆的読み方の試みが行われ、新たな遂行性の可能性を見せた。1960年代総連系在日朝鮮人の民族運動はジェンダー化されていたため、それに参加した女性主体は、オモニ役割の遂行によって、単なる民族アイデンティティではなく、オモニというジェンダー化された民族アイデンティティを遂行的に構築・再構築したといえる。
特集 現代日本社会におけるナショナリズムとヘイト/フォビア
  • 川端 浩平
    2015 年 14 巻 p. 17-20
    発行日: 2015/06/25
    公開日: 2017/09/22
    ジャーナル フリー
  • 安田 浩一
    2015 年 14 巻 p. 21-35
    発行日: 2015/06/25
    公開日: 2017/09/22
    ジャーナル フリー
  • 金 明秀
    2015 年 14 巻 p. 36-53
    発行日: 2015/06/25
    公開日: 2017/09/22
    ジャーナル フリー
    近年、日本でもマイノリティへのヘイトスピーチなどを特徴とする極右運動が問題視されるようになったが、それを下支えする社会的態度だと考えられている排外主義について、計量的なアプローチを用いて規定要因を探索的に特定することが本稿の目的である。データは2012年に「外国人集住都市会議」に加盟する自治体の有権者を対象に郵送法によって実施された調査である。分析モデルを構築するにあたっては、多数の態度概念を媒介させることで、社会構造上の位置をあらわす変数と従属変数の共変関係の「意味」を精緻に特定する社会意識論のフレームを用いた。分析の結果、次の3点が明らかになった。すなわち、(1)排外主義の形成に直接作用する社会構造変数はみられず、社会意識が媒介するかたちで排外主義が変動する、(2)排外主義を直接的に押し上げる最大の要因は同化主義である。同化主義は年齢が高いほど強い、(3)排外主義を直接的に抑制する要因は一般的信頼である。一般的信頼は社会的ネットワークの幅が広いほど高く、社会的ネットワークの幅は教育達成が高いほど広い。以上の発見に基づいて、社会全体の統合や秩序を毀損する排外主義を抑制するためには、「多文化関係資源」とでも呼びうる希少資源が重要であること、また、「多文化関係資源」の価値を再評価し、資源を再生産するシステマティックな取り組みが必要であることを論じた。
  • 宇城 輝人
    2015 年 14 巻 p. 54-63
    発行日: 2015/06/25
    公開日: 2017/09/22
    ジャーナル フリー
    本稿は、反レイシズムのありようが第2次大戦後に大きく変化したことをふまえ、その戦後反レイシズムの特質を理解するために、歴史的起源にさかのぼって、その政治的・理論的な含意を考察する。ふたつの対象の検討を試みる。第1に、戦後反レイシズムの強い動機となったナチズムに対抗する3つの対抗運動の試みを紹介し、その特質を考察する。(1)イグナツ・ゾルシャンの反レイシズム・ネットワークとシオニズム。(2)フランツ・ボアズが主導した「科学者たちの宣言」をきっかけに広がったアメリカの大学人世界と学会による公式見解を表明する運動。(3)左派の遺伝学者たちが優生学の立場からナチズムを批判した「遺伝学者たちの宣言」。第2に、戦後まもなくユネスコが開始した反レイシズム・キャンペーンの出発点であるふたつの声明(1950年、1951年)について考察する。そこには、人種の概念の大きな転換と、それに連動して人間集団にかかわる差異についての考えかたの変化があり、それが戦後反レイシズムの核をなしていることが理解される。戦後反レイシズムは、「人間と人間集団の差異を肯定するための普遍性」を支えるメタ政治的な制度として特徴づけることができる。そのような差異を肯定する普遍的なメタ政治への懐疑あるいは挑戦、その制度化されたメタ政治の綻びという視点から、現代のレイシズムを捉えることができるのではないか。
  • 板垣 竜太
    2015 年 14 巻 p. 64-67
    発行日: 2015/06/25
    公開日: 2017/09/22
    ジャーナル フリー
Abstracts
お詫びと訂正
書評
編集後記
feedback
Top