スタイナーネマ属の昆虫病原性線虫は, 広い殺虫スペクトラムをもち, 害虫の生物的防除資材として世界的に利用されている。我が国においてもすでに3剤が生物農薬として登録されている。この有益な線虫を有効に利用するために必要な生物学的特性やその防除技術について述べた。

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イネばか苗病発病苗と日照不足等の条件により徒長した無病苗との判別が困難な場合に, その判別を容易にできる方法を開発した。植物成長調節剤 (矮化剤) ウニコナゾールP液剤を苗に処理すると無病苗の徒長は抑制されるが, 保菌苗は発病して徒長等のばか苗病の病徴を示した。10cm×15cm×深さ3cmの容器に種子15gを播種し, 播種2日後に本剤2gを適量の水道水で希釈して土壌に灌注することで, 播種3～4週間後の草丈は無病苗と発病苗では顕著に異なり, 両者の草丈の差異を基準に容易に判別することができる。

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ジャガイモそうか病に対するカーバムナトリウム塩液剤 (30%) の防除効果を, 1996～1999年にわたり暖地ジャガイモ二期作条件下で調べた。ジャガイモそうか病はカーバムナトリウム塩液剤を10a当たり80l注入, もしくは原液80lを2～3倍量の水で希釈散布後, 土壌に混和することにより対照薬剤のクロルピクリンくん蒸剤 (99.5%, 30l/10a) と同等の効果を示した。カーバムナトリウム塩液剤処理は無処理に比べ, ジャガイモの出芽遅延を生じる傾向があるものの, 収量が増加する傾向も認められた。

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ナス褐色斑点病に対し, フルジオキソニル水和剤, イプロジオン水和剤の各1,000倍液の散布処理は防除効果が認められ, これらは実用性があると考えられた。

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ポット試験においてハクサイベと病による葉柄部の黒変症状に対するマンゼブ・メタラキシル水和剤 (1,000倍液) の防除効果は, マンゼブ水和剤と同等の予防的効果で, 治療的効果はほとんど認められなかった。べと病に感受性の高いハクサイ黄芯系品種の薬剤防除には, 生育初期からの予防散布が効果的である。

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長野県においてレタス根腐病の発生面積は拡大しつつあり, 特に1産地で発生面積が急速に増加している。その原因を検討するため, レタス根腐病菌 (Fusarium oxysporum f. sp. lactucae) の伝播要因について調査した。根腐病発生農家の育苗施設において, 育苗トレイを置床する床土の病原菌汚染の有無を調査したところ, 4棟の施設の内2棟から本病菌が検出された。また, 春季強風により飛散する土壌から本病菌が検出された。したがって, これらによる病原菌伝播が生じていると考えられた。さらにトラクターに付着した汚染土壌の殺菌法について検討したところ, 熱水による方法が有効であった。

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1999年に長野県のスイカ育苗施設で子葉および本葉に黒褐色不整形病斑を呈する病害が発生した。その後, 露地栽培のスイカ果実に暗緑色から黒褐色で亀裂を伴う不整形大型病斑が形成される症状が確認された。いずれも罹病葉からは見かけ上類似した細菌が高率に分離された。接種により, 分離細菌はスイカ苗の本葉に黒褐色不整形病斑を形成した。この細菌を果実へ付傷接種すると, 果皮に水浸状斑を形成し, 接種部位から細菌泥を漏出した。スイカ果実汚斑細菌病菌の簡易同定法に従うと分離細菌は Acidovorax avenae subsp. citrulliと同定され, 長野県におけるスイカ果実汚斑細菌病の初発生が確認された。本病に対し5種薬剤の防除効果を検討したところ, いずれも防除効果が認められた。

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高比重ラテックス凝集反応法によるスイカ果実汚斑細菌病菌に対する検出感度はDAS-ELISA法とほぼ同等の10⁵cfu/mlまで認められた。また, 本法はウリ科植物に病原性のある他の2種の細菌には交差反応および非特異反応を示さず, 植物体上の初期病斑からスイカ果実汚斑細菌病菌のみを特異的に2～3時間で検出できた。したがって, 高比重ラテックス凝集反応法は圃場におけるスイカ果実汚斑細菌病の簡易診断に利用できると考えられる。

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1997年, 神奈川県の促成トマト栽培で細菌による萎凋症状が発生した。本症状の発生は2001年までの5年間に漸増し, 被害も激しくなった。罹病トマト茎から優先的に分離されたグラム陽性菌はトマト苗に病原性を有していたことから, 本症状はトマトかいよう病菌の感染で起こった可能性があると推定した。

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神奈川県三浦半島地区のメロンうどんこ病菌14菌株を Pitrat et al. (1998) によるレース判別品種によって判別したところ, レース1の他に判別品種では判別できない菌株が存在した。各菌株に対するメロン市販品種の抵抗性を調査したところ, 同一レースと判別された菌株間で, 市販品種の抵抗性が同一ではないケースが複数認められた。また, 同地区において実用的な抵抗性品種はタカミ, バーディレッドおよびルピアレッド等であると考えられた。

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萎凋症状を示すキュウリの磨砕液をカボチャに接種したところウイルスの検出が可能であったので, 接ぎ木キュウリの急性萎凋症の診断に本法が有効であることが明らかになった。

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1999年8月, 静岡県内2市町のメロン栽培温室からモザイク症状を示した株を採集し, これらから分離したウイルスについて病徴の再現, 宿主範囲, 血清反応, 塩基配列の一部について検討した。これらの結果から, 本ウイルスをズッキーニ黄斑モザイクウイルス (Zucchini yellow mosaic virus=ZYMV) と同定した。病名をメロンモザイク病として提案し, 同病の病原ウイルスの一つにZYMVを追加したい。

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赤ナシ無袋栽培における生育期間中の黒星病重要防除時期を中心とした薬剤防除体系は, 茨城県ナシ病害虫防除暦に従った殺菌剤12回散布に比べ, 発病葉率はやや高いが, 発病果率はほぼ同等に低く, 殺菌剤の散布回数を25～40%程度削減できた。

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東京都大島町において, スイートピーに花弁の染み症状および茎枯れ症状が発生した。分離菌の形態調査および接種試験を行い, 両症状はBotrytis cinereaにより生じたことを明らかにた。本病は我が国ではスイートピーに初記録であり. 灰色かび病と命名する。

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Pythium root-rot of Sandersonia aurantiaca Hook. occurred on the island of Hachijo, Tokyo, between 2000 and 2001. Two species of Pythium isolated from the diseased plants were identified as Pythium irregurale Buisman and P. splendens Braun. Inoculation tests showed that these fungi were the causal agents of the disease. This is the first report of the disease in Japan.

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Gray mold and leaf tip blight of Ruscus hypoglossum L. occurred on the island of Hachijo, Tokyo, in 2000. A Botrytis species isolated from the infected plants with gray mold was identified as Botrytis cinerea Persoon: Fries, while a Cladosporium species isolated from the infected plants with leaf tip blight was identified as Cladosporium cladosporioides (Fries) de Vries. Inoculation tests showed that these fungi were the causal agents of the associated diseases. This is the first report on these diseases in Japan.

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Leaf spot symptoms occurring on the plants Calathea louise Gagnep., C. zebrina (Sims) Lindl., Ctenanthe oppenheimiana (E. Morr.) K. Schum., Maranta leuconeura var. erythroneura Bunt., M. leuconeura var. kerchoviana E. Morr., and M. leuconeura var. leuconeura E. Morr. were detected on the island of Hachijo, an administrative area of the Tokyo metropolitan government. The pathogen isolated from leaf spots present on the above plants was a fungal species in the genus Bipolaris. Calathea, Ctenanthe and Maranta plants inoculated with the Bipolaris sp. produced the same disease symptoms. The inoculation test demonstrated that this fungus was the causal agent of the leaf spot of these plants. This is the first report of this disease in Japan.

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1998年から2000年の3年間, 東京都大島町 (伊豆大島) におけるトルコギキョウ灰色かび病菌の薬剤感受性を調査した。調査1年目の1998年には, ベンズイミダゾール系薬剤耐性菌率が89.7%, ベンズイミダゾール系薬剤・ジエトフェンカルブ両剤耐性菌率が48.6% (うち両剤高度耐性菌率23.5%) と高率に分布していた。検定結果に基づき, 使用薬剤を再検討し, 圃場の環境改善に努めたところ, 調査3年目の2000年には, ベンズイミダゾール系薬剤耐性菌率は58.3%, ベンズイミダゾール系薬剤・ジエトフェンカルブ両剤耐性菌 (高度耐性菌) 率は7.7%と減少した。ジカルボキシイミド系薬剤耐性菌率は3年間を通して0.7～5.1%と低く推移した。

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Root rot of Eustoma grandiflorum was reported on the Island of Izu-Oshima, Tokyo in 1998-1999. A Pythium species isolated from diseased plants was identified as Pythium irregulare. Inoculation experiments showed that the fungus was the causal agent of this disease for Eustoma grandiflorum.

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1992年頃から東京都八丈町において, ストレリチア (Strelitzia reginae) にわが国で未知の葉枯れ性病害が発生している。この病原菌は接種試験と培地上における形態観察から, Cylindrocladium pteridis Wolf と同定した。病名をストレリチア葉枯病 (Leaf spot of Strelitzia) と提案する。

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ベロニカおよびマウンテンミントの葉に発生した褐色病斑から分離した糸状菌に病原性が確認され, 病原菌を Botrytis cinerea Persoon: Fries と同定した。本病害をベロニカ灰色かび病 (Gray mold of Beach Speedwell) およびマウンテンミント灰色かび病 (Graymold of Mountain Mint) と命名する。

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Viral symptoms with necrotic spots and necrotic ring spots were found in cyclamen (Cyclamen persicum) and exacum (Exacum affne) plants in Tochigi prefecture. The double-antibody sandwich enzyme-linked immuno-absorbent assay with antiserum to Tomato spotted wilt virus (TSWV) gave a negative reaction. Spherical enveloped particles were observed with electron microscopy in infected cyclamen leaves. Degenerate primers specific to the nucleocapsid genes of Impatiens necrotic spot virus (INSV) and TSWV were designed for reverse transcription-polymerase chain reaction (RT-PCR). RT-PCR gave the expected PCR products of approximately 540bp and 440bp. Sequence comparison of the PCR products showed 99.1% and 98.8% homology with INSV (NL-07) in nucleotide and amino acid, respectively, indicating that the causal agent of necrotic spot diseases of cyclamen and exacum was INSV.

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ニューギニアインパチエンス, アフリカホウセンカの葉の輪紋およびえそ症状, ニチニチソウの葉のえそ斑点, バーベナの茎葉のえそ症状を示す株からウイルスが分離された。戻し接種によって健全な同植物に分離株と同じ病徴が再現された。これらの病徴部をTSWVに対するモノクローナル抗体を用いDAS-ELISA法で検定した結果, いずれも陽性反応を示した。また, TSWVのS RNA (small RNA) の3′末端側の塩基配列 (621bp) に対応するプライマーセットを用いたRT-PCRによって, いずれも特異的な増幅産物を確認した。これらの結果から, ニューギニアインパチエンス, アフリカホウセンカ, ニチニチソウおよびバーベナに発生した症状は, TSWVの感染によって生じたことを明らかにした。

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Detailed observation of ovipositional lesions made on leaf sheaths of rice plants by rice planthoppers revealed that the mean lesion length on the epidermis was significantly longer and the mean number of injured parenchymal tissue walls was significantly larger in Sogatella furcifella than in Nilaparvata lugens. Formation of watery lesions that have a close bearing on the ovicidal response of rice plants was induced by Sogatella-type and Nilaparvata-type artificial injury made on leaf sheaths at the rate of 55.2 and 65.5%, respectively. This result gives the first evidence for the induction of an ovicidal response in the absence of chemical substances derived from planthoppers.

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神奈川県藤沢市内のキャベツ圃場において, 性フェロモン剤を用いた交信撹乱法によるオオタバコガの防除効果を検討した。交信撹乱剤区は無処理区に比較して, 誘引阻害効果, 交尾阻害効果は高く, 幼虫寄生株率および被害株率も低減し, 防除効果は高かった。

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生物農薬として登録, 利用されているオンシツツヤコバチ Encarsia formosa の国内への定着の可能性を検討するため, 茨城県, 高知県および宮崎県で野外における越冬性を調査した。その結果, 高知県と宮崎県の野外で越冬の可能性が示唆された。

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栃木県におけるハスモンヨトウ幼虫の薬剤感受性は, 1995, 1996年と2000年で異なり, カーバメート系及び合成ピレスロイド系薬剤で2000年に高い傾向がみられた。散布薬剤の種類の変化, あるいは, 感受性の異なる個体群の飛来が, 地域個体群の薬剤感受性に影響した可能性が示唆された。

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Thrips palmi Karny is the most serious pest of greenhouse melon in Japan. The predatory mite, Amblyseius cucumeris Oudeman, was released in melon greenhouses during the summer growing season to control T. palmi. In trial 1, approximately 100 A. cucumeris per plant were released on melon leaves 3 times; 3, 4 and 5 weeks after planting. The density of T. palmi in released greenhouses were 25% of that in the unreleased control greenhouses, and the injury index of leaves was 40% of that in the control 4 weeks after the first release. In trial 2, A. cucumeris was released on soil at the base of each plant. The predatory mites were released 2, 7 and 14 days after planting at a density of 100 mites per plant. The density of T. palmi in released greenhouses was 6% of that in unreleased greenhouses 5 weeks after the first release, and the injury index of leaves was 33% of that in the control 7 weeks after the first release. These results suggest that A. cucumeris was effective in reducing the numbers of T. palmi on greenhouse melon, and that the most effective timing of first release was just after planting.

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ニテンピラム水溶剤を用いて施設メロンに寄生するミナミキイロアザミウマに対する静電式常温煙霧散布法の防除効果を, 常温煙霧散布法および手散布と比較した。その結果, 静電散布法の防除効果は常温煙霧法よりやや優れたものの, 手散布に比べると明らかに劣った。静電散布法, 常温煙霧法ともに防除効果には温室内の位置によるばらつきが大きかった。

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Adult females of Thrips palmi Karny given 6 powdered sugars as a nutrient source and distilled water were able to survive for longer periods of time in the presence of each of the sugars than in the presence of distilled water alone. The results suggest that T. palmi is able to consume powdered sugars. The percentage of T. palmi surviving after 15 days was greatest with glucose at 56% followed by fructose at 40%, maltose, sucrose, and trehalose in decreasing order of survival. Raffinose had the lowest survival of thrips at 12%.

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チャハマキ, チャノコカクモンハマキのすべての性フェロモン成分が含有された新規交信攪乱剤 (トートリルア剤) は, 1年を通じて両種のハマキに対して高い交信攪乱効果があり, 一定の防除効果も認められた。本剤を使用することにより, 両ハマキに対する殺虫剤散布回数を半減することが可能である。

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Thysanopteran species collected on the islands of Ogasawara from 1983 to 1992 were identified to 8 species of Thripidae that belong to Elixothrips, Selenothrips, Heliothrips, Hercinothrips, Thrips and Scirtothrips, and to 3 species of Phlaeothripidae belonging to Haplothrips. For some of these species, new locality records were given.

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小笠原で熱帯果樹を加害するアザミウマ類のうち, グアバ樹上とカンキツでの発生種およびその消長を調べたところ, 前者ではハナアザミウマとクロトンアザミウマが, 後者ではハモグリガ被害葉にハナアザミウマが確認され, いずれも, 幼虫より成虫の個体数が多く, 他の植物からの飛来が示唆された。また, グアバのサビ果発生の原因を明らかにするため, 薬剤散布によりハナアザミウマを防除したところ, サビ果の発生が抑えられ, アザミウマ類の加害がサビ果発生の原因のひとつと考えられた。さらに, マンゴーを加害するアカオビアザミウマの散水による防除を試みたところ, 処理時期によっては幼虫の密度を抑えることができたが, 成虫の密度は抑えることができなかった。

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神奈川県におけるシキミ害虫クスアナアキゾウムシの越冬状況を調査した。成虫はシキミの幹・枝分岐部など食樹とほとんど離れない地上高1m以下の部位で越冬しており, その樹幹内には幼虫・蛹および成虫が見られた。また, クスノキからも幼虫および成虫を見出した。越冬中における本種の捕殺と枯死寸前被害樹の伐採は耕種的防除法として有効と思われる。

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1998年から3年間, 神奈川県内2ヶ所のナシ集団栽培地区に, 性フェロモン剤処理圃場を設置し, 交信攪乱効果について検討した。その結果, 交信攪乱効果が確認されるとともに, 殺虫剤の散布回数が慣行防除の30～40%程度に削減でき, 減農薬栽培の可能性が示唆された。

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White blemishes occurred on the rind of Satsuma mandarin fruits cultivated in greenhouses of Numazu City, Shizuoka Prefecture in 2000. Blemished fruits were present in 21 greenhouses (70% of all greenhouses within the city) with an area of 134 a (81.2% of total greenhouse area). All insects collected from 7 damaged Satsuma mandarin fruits were identified as Thrips tabaci. This species accounted for 95.2% of all insects, 720 individuals, collected on yellow sticky-traps from 25 May to 7 June in a greenhouse. Experimental infestation of T. tabaci adults collected from leek caused the same kind of damage on ripe Satsuma mandarin fruits. T. tabaci made minute vacant spaces in the rind by piercing and sucking the surface tissues and the blemished part became whitish.

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Adult western flower thrips, Frankliniella occidentalis Pergande, were given 6 sugar solutions of various concentrations as the sole nutrient-source to investigate the sugars that are metabolized. Fifty-percent or more of the adult thrips given the majority of the sucrose solutions of 1-45% (w/v%), glucose solutions of 5-30%, fructose solutions of 5-30%, maltose solutions of 10-25%, and trehalose solutions of 15-25% survived for 15 days on each of the respective sugar-solution concentrations. Adult thrips given only distilled water were all dead within 6 days. These results are evidence that western flower thrips utilize the 6 sugars.

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慣行栽培, 通常型トラクタによる不耕起栽培およびワイドトレッドトラクタによる不耕起栽培の3つの異なる作業法で栽培したダイズ-コムギ1年2作体系作付試験区におけるダイズシストセンチュウの発生消長を1994年から7年間調査した。慣行栽培区の線虫密度は調査開始当初は高かったが, 4年後に低下した。通常不耕起区もほぼ同様に密度が低下したが, その後はやや上昇した。ワイドトレッド区の線虫は低密度で推移し, 増殖は見られなかった。各試験区に共通して天敵出芽細菌 Pasteuria nishizawae がシストセンチュウに高頻度で寄生していた。また, ワイド区では卵寄生性糸状菌が寄生した卵の比率が高かった。

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イチジクの生育抑制, 収量低下をおこすサツマイモネコブセンチュウ Meloidogyne incognita 対策を目的に, 天敵出芽細菌 Pasteuria penetrans の防除効果をポット試験と現地圃場で検討した。ポット接種試験では, 処理翌年の収穫終了時から天敵出芽細菌の線虫への寄生が認められ, 2年後の収穫終了時には土壌中の線虫密度が抑制され, イチジクの生育収量は薬剤処理区とほぼ同等であった。一方, 現地圃場に天敵出芽細菌10⁹個胞子/m²を3年連続処理した結果, 天敵出芽細菌の線虫への付着程度は処理翌年の収穫終了時から高まり, 3年後の収穫終了時に胞子付着率は72.1%, 2期幼虫1頭当たりの胞子付着数は2.12個に達した。また, イチジクの生育は, 無処理区より10～20%旺盛となり, 天敵出芽細菌の3年連続処理法による線虫防除効果が示された。

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温湯処理機を用いて, イネシンガレセンチュウに対する温湯浸漬処理の防除効果を検討した。60℃の10～15分間浸漬処理で, 化学農薬と同等の高い防除効果が認められた。

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アミノ酸の一種であるメチオニンのトマトのサツマイモネコブセンチュウに対する効果的な施用時期を検討したところ, 植付け30日前処理はいずれの処理量においても防除効果がなく, 植付け直前処理は処理量の減少に伴い防除効果が低下したが, 植付け15日前処理では処理量に関わらず安定した防除効果が得られた。さらに, 圃場試験において定植7日前のメチオニンの土壌混和処理は, 土壌中のサツマイモネコブセンチュウ第2期幼虫密度を減少させ, トマトの根こぶ形成を軽減した。また, メチオニン処理は, 自活性線虫の密度を減少させなかった。

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Pot studies on the effects of methionine (Met) and fungivorous nematode, Aphelenchus avenge (Aa) on plant growth and pathogens' propagation in tomato-Meloidogyne incognita (Mi)-Fusarium oxysporum f. sp. lycopersici (Fo) pathosystem were carried out using a multi-factor factorial experiment design of 2⁴. Regarding interactions between Met and Aa on pathogens' propagation and their damage to tomato plant, a synergistic effect was detected for final populations of Mi juvenile and an interference effect for Fo densities 49 days after planting, but there were no evident interactions for root-knot index or number of fallen leaves that were affected most by Fo treatments. Interactions between Met and Aa on tomato-growth-characters were evident for the dry root weight only but not for the shoot length, shoot weight, number of flowers or total fruit weight. Met as such significantly (p≥0.05) contributed to reduce the Mi juvenile population and root-knot index 70 days after planting and Fo densities for both 21 days and 49 days after planting. Fruit weight was significantly improved (p<0.05) by Met treatment when the soils were inoculated with Mi. Aa alone did not contribute significantly to the improvement of tomato growth, Fo and Mi control or root-knot index. Results led to the conclusion that the combined application of Met and Aa may be impractical for the simultaneous control of Mi and Fo on tomato.

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水稲ロングマット水耕苗移植栽培における育苗箱施用殺虫剤7薬剤の適応性について, 苗の冷蔵保存を考慮した検討を行った。カルタップ粒剤4は著しい活着不良が認められたが, ベンフラカルブ粒剤, カルボスルファン粒剤, イミダクロプリド箱粒剤, フラチオカルブ粒剤, フィプロニル粒剤, カルボスルファン・フィプロニル粒剤は, 処理後の冷蔵5日間程度までは活着に与える悪影響が比較的少なかった。

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