関東東山病害虫研究会報
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68 巻, 1 号
選択された号の論文の26件中1~26を表示しています
畑作物・野菜の病害
果樹の病害
分類・同定法
  • 月居 佳史, 埋橋 志穂美, 佐藤 衛
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 68 巻 1 号 p. 17-23
    発行日: 2021/12/01
    公開日: 2022/12/07
    ジャーナル フリー

    植物の葉や果実に斑点性病害を引き起こす種を多く含む Phyllosticta 属を中心とした MAFF 菌株について,分子系統解析及び形態的調査を通じて分類学的位置付けを評価した。ITS 及び Actin バーコード遺伝子領域を用いて,分子系統樹を作成したところ,ツタ属,カンキツ類,スギ属,マキ属,ツツジ科,カエデ属及びマンサク属から分離された菌株は,高いブートストラップ確率で支持される単系統を形成した。また P. citrichinensis と同一クレードに含まれた,カンキツ類由来の 2 菌株の分生子の形態は,原記載とほぼ一致した。未だ所属の推定に至っていない菌株が多くあるものの,一部の種についてはその同定・診断にあたって当該バーコード遺伝子領域の情報が有効であると考えられた。

イネ・ムギの虫害
  • 平江 雅宏
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 68 巻 1 号 p. 24-26
    発行日: 2021/12/01
    公開日: 2022/12/07
    ジャーナル フリー

    イネカメムシの加害による水稲の不稔被害の発生の有無を明らかにするため,1/5,000 a ワグネルポットに栽培 した水稲の出穂期に本種成虫を 14 日間放飼し,成熟後の穂を収穫して不稔発生程度を調査した。その結果,イネカメムシ成虫を放飼しなかった区で不稔籾の発生が 22.7%認められたものの,株当たり 2 頭放飼区で 34.6%,4 頭放飼区で 45.6%,8 頭放飼区で 79.4%とイネカメムシ成虫の放飼密度が高まるにつれて不稔籾率は増加した。このことから,出穂期にイネカメムシ成虫に水稲が吸汁加害されることにより不稔被害が発生し,水稲の減収要因となる可能性が示された。

畑作物・野菜の虫害
  • 酒井 和彦
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 68 巻 1 号 p. 27-32
    発行日: 2021/12/01
    公開日: 2022/12/07
    ジャーナル フリー

    ダイズの播種時期を遅らせることによる,子実吸汁性カメムシ類の防除回数削減について,場内ほ場における小規模な試験で検討した。品種「里のほほえみ」において,慣行の 6 月下旬播種では子実吸汁性カメムシ類の加害が甚だしく,子実の被害粒率を 10%以下に抑制するためには開花期後の防除は 3 回または 4 回必要であった。これに対し,播種時期を慣行より約 3 週間遅らせた 7 月中旬にすると,ダイズの莢伸長期後期から子実肥大初期に当たる開花期の 3 週間後頃からのエチプロール水和剤 2 回散布で子実被害粒率を 5 〜 10%程度に抑制することが可能であった。7 月中旬播種の場合,播種量を慣行より約 50%増すことにより播種の遅れに伴う生育量の減少を補い,収量を確保できると考えられた。

  • 三須 翔太, 清水 敏夫, 大井田 寛
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 68 巻 1 号 p. 33-34
    発行日: 2021/12/01
    公開日: 2022/12/07
    ジャーナル フリー

    We investigated the effect of a barrier with lapel-shaped folded structure on reducing dispersion of Scepticus griseus (Coleoptera: Curculionidae) adults, in order to establish a method for reducing their invasion to crop fields. In double-framed field plots, we installed an inner frame with or without a lapel-shaped folded structure facing outward at 40°to the vertical surface. The weevil adults were released between the inner frame and the outer frame then investigated after a certain period of time. Invasion into the inner frame with the lapel-shaped folded structure was significantly reduced compared to the inner frame without it, indicating that the barrier with a lapel-shaped folded structure is promising as a physical control method to reduce migration of this weevil.

  • 大林 隆司, 加藤 綾奈, 八瀬 順也
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 68 巻 1 号 p. 35-40
    発行日: 2021/12/01
    公開日: 2022/12/07
    ジャーナル フリー

    波長 600 nm 以下の光の反射率が極めて低い赤銀色マルチを試作し,ワケネギにおけるアザミウマ類やハモグリバエ類の抑制効果を従来の白色マルチや銀色マルチと比較した。赤銀色マルチはワケネギ上のアザミウマ類の個体数を栽培期間を通じて有意に抑制し,その効果は銀色マルチとはほぼ同等であった。ハモグリバエ類に対する抑制効果は銀色を上回る傾向があった。また,赤銀色マルチではワケネギの生育が促進される傾向にあったが,その理由は赤銀色マルチは特に日中の地温を抑制するためと考えられた。なお,赤銀色マルチの表面に紫外線除去フィルムを貼付することで栽培期間を通じて褪色をほぼ抑制できた。

  • 倉吉 耕平, 多々良 明夫, 大井田 寛
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 68 巻 1 号 p. 41-43
    発行日: 2021/12/01
    公開日: 2022/12/07
    ジャーナル フリー

    We investigated the abundance and species composition of thrips and Orius spp. on the flowers of two insectary plants; Scaevola aemula R. Br. and Tagetes patula L. cultivated in planters in urban areas of Tokyo. Frankliniella occidentalis (Pergande), Frankliniella intonsa (Trybom), Thrips hawaiiensis (Morgan), and Thrips tabaci Lindeman were the dominant pest thrips on S. aemula. Neohydatothrips samayunkur (Kudo) were the dominant species on T. patula, with peak abundance in mid-November. Orius strigicollis (Poppius) and Orius minutus (L.) were found on both plants. Orius sp. nymphs were also captured from S. aemula. These results suggest that the two plant species are effective candidates of insectary plants to conserve Orius species and to enhance their function of controlling pests even in an urban area.

  • 長坂 幸吉, 光永 貴之, 有本 誠, 手塚 俊行, 小原 慎司, 伊藤 健司
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 68 巻 1 号 p. 44-46
    発行日: 2021/12/01
    公開日: 2022/12/07
    ジャーナル フリー

    施設野菜に共通した害虫であるアブラムシ類防除のために,次世代型バンカー資材キットが開発されている。この資材キットでは,ムギ株上に 2 種アブラバチのマミーと代替寄主アブラムシを付着させたバンカー型製剤により生産者が簡易にバンカー法を実施できるように工夫されている。このバンカー型製剤を用いて施設キュウリのワタアブラムシに対する防除効果を確認した。約 0.5 a のビニールハウス(開口部に 0.4 mm 目合いの防虫ネットを展帳)にキュウリを作付け,バンカー型製剤(コレマンアブラバチ 0.5 頭/㎡,ナケルクロアブラバチ 0.5 頭/㎡)を処理したハウスと無処理のハウスにワタアブラムシを合計 100 頭接種し,その密度推移を春と秋の 2 シーズン調査した。バンカー型製剤から放飼された2 種アブラバチの働きにより春秋ともに有意にワタアブラムシの増加を抑制し,低密度に維持した。

  • 長坂 幸吉, 光永 貴之, 有本 誠, 村上 理都子, 手塚 俊行, 小原 慎司, 伊藤 健司
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 68 巻 1 号 p. 47-52
    発行日: 2021/12/01
    公開日: 2022/12/07
    ジャーナル フリー

    施設野菜に共通した害虫であるアブラムシ類の防除のために,次世代型バンカー資材キットが開発されている。この資材キットでは,コレマンアフブラハバチとナケルクロアブラバチを併用することで多様なアブラムシ類への対応を可能とし,ムギ株上にマミーと代替寄主となるアブラムシを付着させた状態のバンカー型製剤により,生産者が簡易にバンカー法を実施できるように工夫されている。近年,アザミウマ類やコナジラミ類に対して天敵タバコカスミカメの活用が検討されており,次世代型バンカー法との併用が想定される。そこで,施設ナスとトマトにおいて次世代型バンカー法とタバコカスミカメの併用の可能性を確認するために,実験ハウス 4 棟(面積約 0.5 a)を用いて,バンカー設置(コレマン 0.5 頭/㎡,ナケル 0.5 頭/㎡)と無設置,タバコカスミカメの放飼(株あたり 0.5 頭)と無放飼の組み合わせで,害虫密度を比較した。施設ナスではワタアブラムシとネギアザミウマ,施設トマトではワタアブラムシとチューリップヒゲナガアブラムシ,タバココナジラミを接種した。その結果,ナスのワタアブラムシ,トマトのワタアブラムシとチューリップヒゲナガアブラムシともに,バンカー設置により有意にアブラムシ密度が抑えられ,タバコカスミカメによる密度抑制効果への影響は認められなかったため,両天敵は併用可能であると考えられた。

  • 南雲 顕太, 砂原 弘子, 鈴木 桃子, 藍澤 亨, 新井 朋二
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 68 巻 1 号 p. 53-55
    発行日: 2021/12/01
    公開日: 2022/12/07
    ジャーナル フリー

    殺虫剤感受性の低下が懸念されていた群馬県内のヒラズハナアザミウマについて,2019 年および 2020 年に施設栽培のイチゴから採取した 8 個体群に対し,8 種薬剤の殺虫効果をインゲン初生葉片浸漬法により調査した。その結果,すべての供試個体群に高い殺虫効果を示した薬剤は,アクリナトリン水和剤,スピノサド水和剤およびスピネトラム水和剤であった。またフルキサメタミド乳剤も,供試した 4 個体群すべてに高い殺虫効果が認められた。アセタミプリド水溶剤およびエマメクチン安息香酸塩乳剤の殺虫効果には供試個体群間によって差が認められ,シアントラニリプロール水和剤およびフロメトキン水和剤の殺虫効果はすべての供試個体群で低かった。

  • 横山 薫, 藍澤 亨, 池田 健太郎
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 68 巻 1 号 p. 56-58
    発行日: 2021/12/01
    公開日: 2022/12/07
    ジャーナル フリー

    ナミハダニ黄緑型およびカンザワハダニに対する気門封鎖型薬剤9剤の殺成虫および殺卵効果を5段階の処理量で評価した。その結果,雌成虫に対しては,散布量の増加に伴い,効果が高くなる薬剤と,いずれの散布量においても効果が変化しない薬剤があることが明らかになった。また,プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル乳剤およびデンプン液剤は,両種雌成虫に対し効果が高く,ナミハダニ黄緑型の方がカンザワハダニよりも殺虫効果が高い傾向があった。一方,卵に関しては,両種に対し,マシン油乳剤の効果が最も高かったものの,その効果は著しくなく,その他の薬剤については,効果が低かった。

  • 横山 薫, 藍澤 亨, 池田 健太郎
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 68 巻 1 号 p. 59-61
    発行日: 2021/12/01
    公開日: 2022/12/07
    ジャーナル フリー

    ミツユビナミハダニに対して,ナスに登録のある薬剤 33 剤の殺虫および殺卵効果を評価した。その結果,ダイアジノン水和剤,アバメクチン乳剤,エマメクチン安息香酸塩乳剤,ミルベメクチン乳剤,クロルフェナピル水和剤,アセキノシル水和剤,ビフェナゼート水和剤,フェンピロキシメート水和剤,テブフェンピラド乳剤,スピロテトラマト水和剤,ピフルブミド/フェンピロキシメート水和剤,シエノピラフェン水和剤,シフルメトフェン水和剤,フルキサメタミド乳剤およびアシノナピル水和剤は,本種の防除に有効であることが示唆された。

茶の虫害
  • 屋良 佳緒利, 下田 武志, 上杉 龍士, 佐藤 安志
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 68 巻 1 号 p. 62-65
    発行日: 2021/12/01
    公開日: 2022/12/07
    ジャーナル フリー

    The parasitoid Encarsia smithi found in Japan comprises two phylogenetic groups. Type I was introduced from China in 1925 to control the orange spiny whitefly, Aleurocanthus spiniferus, in citrus orchards. The other phylogroup, type II, was accidentally introduced in ca. 2004, and has recently been found in tea fields infested with the tea spiny whitefly, A. camelliae. To clarify ecological characteristics of the two groups on the host A. camelliae, we developed the rearing experiment in a laboratory scale by using A. camelliae-infested tea seedlings. Although there was no statistically significant difference, we observed that type II tended to have higher number of offspring than type I, which was opposite to the result when using A. spiniferus-infested citrus seedlings in our previous study. Emergence pattern of each group, on the other hand, was similar to that in the previous study; females emerged earlier than males in type I, while females and males emerged almost at the same time in type II.

果樹の虫害
  • 安居 拓恵, 上地 奈美
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 68 巻 1 号 p. 66-69
    発行日: 2021/12/01
    公開日: 2022/12/07
    ジャーナル フリー

    栃木県や徳島県のモモをはじめバラ科植物で被害を生じている特定外来生物クビアカツヤカミキリにおいて,メス成虫の産卵選好と寄主植物の化学的因子の関与について調査した。バラ科植物 3 種と非寄主植物 1 種のそれぞれの切枝上でのメスの滞在頻度は寄主植物のほうが高かった。モモ切枝のにおいへのメスの定位率を調査した結果,においなしと比較して有意にモモ枝のにおいがあるほうが高かった。また,モモ切枝のにおい存在下でメスの産卵行動を調べたところ,においなしと比較して産卵数が多い傾向が認められた。この結果はモモ切枝のにおいにメスの定位行動および産卵行動を解発する化学的因子が含まれている可能性があることを示すものである。

  • 春山 直人, 八板 理, 福田 充
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 68 巻 1 号 p. 70-75
    発行日: 2021/12/01
    公開日: 2022/12/07
    ジャーナル フリー

    侵入害虫クビアカツヤカミキリは,幼虫がモモ,ウメ,サクラ等の樹幹内部を食い荒らすことで,樹木を衰弱・枯死に至らしめる。国内では 2013 年に愛知県のサクラで,また,2015 年に徳島県でモモの被害が初めて確認された。栃木県では 2017 年に佐野市のモモ産地において約 4 割の園地で被害が確認され,翌年には被害園地率は約 8 割に拡大した。本害虫の被害拡大を防ぐため,モモの生産現場では成虫を対象とした薬剤散布が実施されているが,適期防除を行うためには詳細な成虫発生時期の把握が不可欠である。そこで,被害の発生しているモモ園で,2018 ~ 2020 年の 3 か年にわたって成虫の捕獲調査を実施し,その発生消長を明らかにした。調査園地における成虫の確認期間は,2018 年は 6 月 1 日~ 8 月 1 日,2019 年は 6 月 14 日 ~ 8 月 13 日,2020 年は 6 月 17 日 ~ 8 月 5 日で概ね 2 か月間にわたり,捕獲数のピークは 3 か年とも 6 月下旬であった。このため,成虫を対象とした薬剤散布は 6 月上中旬 ~ 8 月中旬にかけて,特に 6 月下旬の前後を重点的に実施する必要があると考えられた。また,被害樹に成虫脱出防止のために設置されたネット内における成虫捕獲推移を調査し,本虫の被害樹からの脱出消長を明らかにした。成虫の脱出が最後に認められたのは,2018 年は 7 月 4 日,2019 年は 7 月 16 日,2020 年は 7 月 20 日であり,脱出期間は概ね 1 か月間に及ぶことが明らかとなった。これらのことから,ネット内の見回りと捕殺の重点実施時期は 6 ~ 7 月下旬の期間であると考えられた。2018 年および 2019 年に捕獲された成虫の体サイズを雌雄別に調査した結果,雄は体長 17.4 ~ 37.4 mm,体幅 4.7 ~ 11.1 mm,雌は体長 19.8 ~ 37.8 mm,体幅 5.4 ~ 11.8 mmであり,これまでに報告のあった標準的な体長の約半分程度の矮小個体が一定数認められた。また,2018 年の雌雄間と雄の年次間で体長に統計的に有意な差が認められた。2019 年および2020 年に調査園地で成虫に対して実施された主な防除対策を調査した結果,被害樹のネットによる被覆,本種に対し農薬登録されている糸状菌製剤の設置,成虫に農薬登録のある薬剤の散布が実施されていた。このうち,ネット被覆実施園では,園内の総捕獲成虫数の約 3 ~ 8 割がネット内に留められていたことから,園内の成虫数抑制効果が認められた。糸状菌製剤の設置園と非設置園では成虫密度に差異は見られず,捕獲成虫の感染死虫率も低かったため,効果は不明であった。薬剤散布については,散布実施園の成虫密度の平均は 0.7 頭/樹であった一方,防除を実施していない放棄園では 21.9 頭/樹と差異が認められ,高い効果が示唆された。

  • 春山 直人, 八板 理, 福田 充
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 68 巻 1 号 p. 76-79
    発行日: 2021/12/01
    公開日: 2022/12/07
    ジャーナル フリー

    クビアカツヤカミキリの幼虫は,モモ,ウメ,サクラ等の幹や枝の樹皮下を食害し,その木部に蛹室を形成するが,蛹室形成から羽化に至る動態の詳細については外部から直接観察ができないため不明な点が多い。そこで,栃木県宇都宮市の気象条件下で管理したモモ被害樹の丸太を定期的に解体し,木部に材入した幼虫による蛹室形成時期と,越冬後の蛹室内幼虫の蛹化および羽化時期についてそれぞれ調査した。その結果,6 月下旬から蛹室形成を完了させた幼虫が認められ,8 月には木部材入後の老熟幼虫のうち蛹室形成を完了させた幼虫の割合は 9 割以上に達していた。幼虫は蛹室内で越冬し,翌年の 5 月中旬に蛹化を始め,6 月上旬に羽化して成虫となり,しばらく材内にとどまったのち 6 月 20 日頃に丸太からの脱出が認められた。調査を実施した県央部の宇都宮市における成虫脱出は,県南部の佐野市と比べて 6 日遅く,同一県内でも地域間差がみられた。また,2019 年および 2020 年の 2 か年の調査の結果,蛹期間および羽化から脱出までの期間には年次間差が認められた。本種の寄生した被害樹か伐倒および処分の際に羽化した成虫の逸出を防ぐ必要があるが,地域間・年次間の差を考慮すると,伐倒および処分は 5 月までに完了する必要があると考えられた。

  • 窪田 直也, 田中 弘毅, 山口 貴史, 栗原 杏, 小河原 孝司
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 68 巻 1 号 p. 80-82
    発行日: 2021/12/01
    公開日: 2022/12/07
    ジャーナル フリー

    茨城県の露地ナシ圃場における土着カブリダニ類の発生実態を明らかにするため,異なる防除体系で栽培している県内の 6 圃場においてナシ樹上のカブリダニ類の優占種ならびに発生消長を調査した。その結果,いずれの圃場でも広食性のニセラーゴカブリダニが優占種であった。本種は 6 月からナシ樹上で発生が認められ,8 月から 10 月にかけて増加した。

  • 窪田 直也, 村上 理都子, 有本 誠, 小河原 孝司
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 68 巻 1 号 p. 83-86
    発行日: 2021/12/01
    公開日: 2022/12/07
    ジャーナル フリー

    ナシ園に生息するニセラーゴカブリダニの土着天敵としての有効性を調べるために,ナシの害虫であるナミハダニとカンザワハダニを捕食したニセラーゴカブリダニからの両種ハダニの DNA 検出法の開発を試みた。その結果,蛍光修飾したプライマーと DNA 解析装置を用いて両種を高感度に検出することが可能であった。本手法を用い,茨城県のナシ園に生息するニセラーゴカブリダニから,本カブリダニが捕食したと考えられるナミハダニとカンザワハダニの PCR 増幅断片が確認された。

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