過去3ヶ年の連絡試験の結果を総合して, 次のことがいえよう。
1) 生態について: サビヒョウタンゾウムシについては, 群馬県では年1回の発生で, その経過についてもかなり明らかとなってきた。しかし, 千葉・茨城のように, 年中, 成・幼虫のみられる地帯では, 世代が重なり合い判然としない。
トビイロヒョウタンゾウムシについても, 千葉県の調査で, 当面の防除に必要な発生経過の大要はほぼつかめたが, 室内調査が主であるので, 野外での経過についてさらにくわしく検討の必要がある。
2) 防除について: 成虫に対しては, サリチオン粒剤の効果が期待できそうであるが, 散布方法・回数・薬量などについて, 実用上の問題が残るように思える。
幼虫に対しては, 播種または検付剤の殺線虫剤の潅注または注入が有効であり, 立毛中でも作物・薬剤の種類によっては防除が可能と考えられる。しかし, 千葉・茨城のように, 年中, 成・幼虫のみられる地帯では, ただ1回だけの防除では, その後の産卵による孵化幼虫があるため, たえず防除が必要で, 労力, 経費面, および薬などの問題も考えられるので, さらに検討の必要がある。
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