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木嶋 利男
1992 年 1992 巻 39 号 p.
1-5
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
ある種の拮抗細菌をネギ属植物に接種し, トマトあるいはキュウリと混植することによって, これらが根圏に定着し, トマト萎ちょう病及びキュウリつる割病の発生を抑えた。また,
Bacillus sp. をコーラル (サンゴ化石) に吸着させた資材を用いることによりハクサイ根こぶ病が防除された。また, 子葉展開後本葉が1~2枚に生育したトマト, キュウリの胚軸を切断し, これらにある種の細菌を接種すると, 接種された細菌が組織内に定着し, このような苗ではトマト萎ちょう病及びキュウリつる割病の発病が抑制された。
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野沢 英之, 福田 充
1992 年 1992 巻 39 号 p.
7-8
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
栃木県におけるイネ縞葉枯病は, 1984年に多発生となったが, 1985年以降の発生は減少している。近年の発生減少の最も大きな要因として, 抵抗性品種作付割合の増加と, それにともなうヒメトビウンカのイネ縞葉枯病ウイルス保毒虫率の低下が考えられる。
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大野 義文, 奥田 誠一, 夏秋 知英, 寺中 理明
1992 年 1992 巻 39 号 p.
9-11
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
Four nonpathogenic strains of fluorescent pseudomonads (Bf-2, Bf-10, Bf-11 and Bf-15) isolated from field soil were revealed to be antagonistic to
Erwinia carotovora subsp.
carotovora on King B medium. These bacteria were applied to control of bacterial seedling blight of rice caused by
Pseudomonas plantarii. In pot experiment, the incidence of the disease was strongly reduced with immersion of infected seeds in suspension of fluorescent antagonistic bacteria (10
9cfu/m
l). Soil injection of the bacterial suspension was also effective to reduction of the disease. It was suggested that a part of the mechanism of this suppression was responsible for chemotaxis of fluorescent pseudomonads toward the exudates from rice seeds, though the competition between pathogenic bacteria and antagonistic one for iron in nutrient substratum was significantly relevant.
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石黒 潔, 林 長生, 内藤 秀樹
1992 年 1992 巻 39 号 p.
13-16
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
To assess the effects of fungicides on enlargement of lesion lesions of rice blast and spore formation on the lesions, several fungicides were sprayed to rice plants after the appearance of the lesions. The fungicides used were isoprothilane, EDDP, IBP, kasugamycin, blastcidin-S and ferimzone. All fungicides inhibited lesion enlargement and spore formation. A linear relation was found between days after application of each fungicide and an area of a lesion during a particular period. A linear, quadratice, or exponential equation was fitted to the relation between days after the application and spore formation on a lesion.
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井口 慶三
1992 年 1992 巻 39 号 p.
17-19
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
走査型電子顕微鏡を用いて, イネ苗立枯細菌病菌を接種した籾の, 発芽時における侵入門戸とされる, 気孔及び傷痍部の形態的変化を観察し, イネ苗立枯細菌病菌の侵入時期を検討した。鞘葉上の気孔は催芽後では先端部のみ開口していたが, 播種後下方の気孔も順次開口し始め, 播種2日後には基部の気孔も十分に発達した。本葉抽出にともなう鞘葉の傷痍部は播種1日後より開口し始め, 冠根は播種3日後から抽出した。これら侵入門戸の発達状況から本病菌の主な侵入時期は播種1日後以降と推定された。
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中山 武幸, 寺島 秀勝, 武田 和男, 南島 誠
1992 年 1992 巻 39 号 p.
21-24
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
長野県は1991年にワークステーションをホストコンピュータとするパソコン通信ネットワーク (ALPSネット) の運用を開始した。このALPSネットを利用して, 葉いもち発生予測モデル「BLASTAM」・「BLASTAM-NAGANO」, 及び表計算ソフトウェアを用いた果樹害虫調査集計システムからなる発生予察情報ネットワークを構築した。
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太田 光輝, 佐藤 允通, 黒田 秀幾, 河合 誠, 伊藤 善文, 石上 茂, 大石 剛裕, 古木 孝典, 牧野 秋雄
1992 年 1992 巻 39 号 p.
25-28
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
1990~1991年にかけて, 静岡県下におけるイネの穂枯れ症状の発生実態及び関与する病原菌について調査を行った。その結果, 従来からみられたごま葉枯病など糸状菌による穂枯れ以外に, 早期栽培では内穎褐変病が, 普通期栽培ではもみ枯細菌病が各地でみられた。
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塩澤 宏康, 土崎 常男
1992 年 1992 巻 39 号 p.
29-32
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
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野村 研, 柏崎 哲, 中田 栄一郎, 都崎 芳久, 日比野 啓行, 奥山 哲
1992 年 1992 巻 39 号 p.
33-35
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
香川県及び山口県で縞萎縮ウイルス抵抗性オオムギ品種に発生したモザイク症状株より, 本邦未記載のオオムギマイルドウイルス (BaMMV) を分離した。両分離株はオオムギに対する病原性および血清型が異なっていた。
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西 和文, 佐藤 剛, 福田 徳治
1992 年 1992 巻 39 号 p.
37-38
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
夏作ダイズの黒根腐病防除対策として熱水土壌消毒を実施したところ, その効果は次作コムギにも持続し, 立枯病の発生が抑制された。これは, 熱水土壌消毒の防除効果が, 目的とする病原菌だけでなく, 同一圃場内に混在している他の病原菌などにも及び, かつその効果が次作にも持続したためと考えられた。
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西 和文, 佐藤 剛, 福田 徳治
1992 年 1992 巻 39 号 p.
39-42
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
5年間堆肥連用及び堆肥無施用のコムギ立枯病自然発生圃場で, 10月下旬, 熱水土壌消毒を実施したところ, いずれの処理区においても深さ20cmの地点では地温が55℃以上に達し, 堆肥連用圃場は125
l/m
2及び150
l/m
2区では, 深さ30cmの地点でも地温は55℃以上となった。このことは, 10月下旬でも, 多くの土壌病害に対し熱水土壌消毒の防除効果が期待できることを示している。
熱水土壌消毒により, コムギ立枯病はほぼ完全に抑えられた。また熱水土壌消毒区では, 無処理区に比べ生育が良好で, 穂数は増加し, 収量も増加する傾向であった。
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野田 聡, 藤田 耕朗
1992 年 1992 巻 39 号 p.
43-44
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
コムギ黄化萎縮病の発生要因と被害について検討した。本病の発生は, 1990年11月28日~30日の台風28号がもたらした大雨による圃場の浸水が原因と推察された。発病茎率が高まると子実重, 精子実重, 整粒千粒重が減少し, 整粒歩合が低下した。発病茎率と精子実重との間には最も高い負の相関が認められた。発病茎率が50%の場合, 減収率は4割に及んだ。
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大須賀 隆司, 岩瀬 達郎, 小林 久俊, 神谷 義之, 牧野 孝宏
1992 年 1992 巻 39 号 p.
45-48
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
ジャガイモ黒あざ病の発生実態について調査した。種芋の汚染程度が最近高く, 病原菌の圃場への持ち込みが明らかで, 健全芋の確保と種芋消毒の必要性が認められた。また, 防除事例調査の解析から土壌くん蒸剤による消毒が, 土壌伝染の防止のうえから極めて有効で, 種芋消毒と土壌消毒の併用によってほぼ完全に防除されることが示された。
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大須賀 隆司, 岩瀬 達郎, 小林 久俊, 牧野 孝宏
1992 年 1992 巻 39 号 p.
49-52
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
種芋消毒剤, 土壌処理剤, 及び土壌くん蒸剤における, それぞれの防除効果について検討した。種芋消毒剤については, リゾレックス水和剤に高い防除効果が認められた。フロンサイド粉剤は, 土壌混和によって薬害がなく, 中程度の発病に対し有効と考えられた。土壌くん蒸剤については, 混住農地内でも使用可能なトラペックサイド油剤は, 多量の水による水封で, フィルム被覆と同等の高い防除効果が認められ実用的に使用可能と考えられた。
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渡辺 健, 山崎 郁子, 中崎 勝好, 米山 伸吾
1992 年 1992 巻 39 号 p.
53-55
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
蒸切加工用サツマイモ品種「タマユタカ」の, パイプハウスを利用した簡易キュアリング貯蔵法による腐敗防止効果を検討したところ, 効果は高く, 加工期間末期においても塊根の腐敗は少なく, 実用性が確認された。
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柴田 聡, 林 宣夫
1992 年 1992 巻 39 号 p.
57-59
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
コンニャク葉枯病を対象に, 出芽時の苞に薬剤を散布する“苞散布”について, その防除効果を検討した。種球あるいは土壌に葉枯病菌を接種した場合, ストレプトマイシン・チオファネートメチル水和剤の種球消毒に比べ, ストレプトマイシン水和剤の苞散布が, いずれの接種方法に対しても比較的安定した発病抑制効果を示した。また, 苞散布の処理時期を検討した結果, 出葉完了期からY展開期の苞に比べ, 出芽期から出葉初期までの苞に処理するほうが発病抑制効果が高かった。また, 散布薬剤の比較では, ストレプトマイシン水和剤よりオキソリニック酸・銅水和剤の効果が高かった。
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木嶋 利男, 天谷 正行, 郷間 秀夫
1992 年 1992 巻 39 号 p.
61-64
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
本葉が1~2枚に生育したトマト, ユウガオなど5種の双子葉植物の胚軸を切断し, 挿し木するとある種の細菌がその後生育する植物体の組織内に捕捉される。また, 挿し木後生育した無病徴の植物体組織内から分離された細菌を, 切断胚軸部に接種 (胚軸切断接種法) するとこれらはトマト, ユウガオ, キュウリ, ハクサイ及びキャベツの組織内で共生することが明らかになった。
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常見 讓史, 中山 喜一, 石川 成寿, 上野 臣一
1992 年 1992 巻 39 号 p.
65-67
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
栃木県の冬春トマトにおいて半身萎ちょう症状を呈する病害が発生し, 原因を究明したところトマト萎ちょう病菌レースJ2によることが明らかになった。また, 本病に対する冬春トマトの品種抵抗性を検討した結果, 穂木品種では甘太郎, 台木ではカップルO及びカップルTが本病に対し高い抵抗性を有していた。
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清水 時哉, 赤沼 礼一, 花田 薫
1992 年 1992 巻 39 号 p.
69-71
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
キュウリモザイクウイルス (CMV) 弱毒ウイルスと弱毒ウイルス由来のサテライトRNAを組み合わせ, トマトモザイク病の圃場における防除試験を行った。
その結果, CMV弱毒ウイルスとサテライトRNAを混合して接種した区では, トマトの生育期間中におけるえそ症状の発生が抑制された。しかし, 一部にモザイク症状や糸葉症状の発生も認められた。また, トマトの収穫終了時におけるサテライトRNAの増殖が確認された。
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白石 俊昌, 林 宣夫, 千明 孝一
1992 年 1992 巻 39 号 p.
73-75
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
群馬県の雨よけトマト産地における土壌病害の発生実態を調査した。この結果, 萎ちょう病, 半身萎ちょう病, 青枯病の発生の多いことが確認された。さらに, 萎ちょう病菌のレースJ2, 半身萎ちょう病菌のレース2による発病圃場のあることが明らかになった。
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小野 光明, 市川 和規, 土屋 重文
1992 年 1992 巻 39 号 p.
77-79
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
山梨県の夏秋ナスで多発している青枯病はそのほとんどが菌群IVによるものと推察された。また, アンケート調査の結果, ナス青枯病はその栽培圃場の約半数で発生が認められ, 発病には前作での発病状況が影響し, 本病抑制要因としては水田輪作, 河川水以外の潅水, 高畦, 良好な排水条件等が示唆された。
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申 栄安, 手塚 信夫
1992 年 1992 巻 39 号 p.
81-83
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
Effects of soil moisture and inoculum density on the incidence of Phytophthora blight of red pepper were investigated. The disease appeared in wet soil conditions (pF 1.8 and 2.3), whereas no disease in dry soil (pF 2.8).
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千葉 恒夫, 冨田 恭範
1992 年 1992 巻 39 号 p.
85-86
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
ピーマン斑点病に対する11品種の発病差異を検討した。その結果, 本病に対し明らかに耐病性と思われる品種は認められなかったが, 供試品種の中ではライト, ニューフェース, 北斗などで発病がやや低い傾向にあった。
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黒沢 美保子, 中澤 靖彦, 山田 正和, 大塚 範夫
1992 年 1992 巻 39 号 p.
87-89
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
千葉, 茨城, 栃木, 群馬及び神奈川各県のキュウリ産地から, キュウリベと病菌を採取し, フェニルアマイド系殺菌剤に対する感受性を検定した。いずれの菌株も, メタラキシル, オキサジキシルに対して感受性が低下しており, 地域間差はほとんど認められなかった。さらに, 防除効果試験を行なった結果, いずれの菌株に対しても, メタラキシル水和剤の防除効果は認められなかった。
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竹内 妙子
1992 年 1992 巻 39 号 p.
91-93
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
千葉県旭市におけるフェニルアマイド耐性キュウリベと病菌の発生経過を調査したところ, 耐性菌発生圃場ではフェニルァマイド系薬剤の散布を中止しても当該作での耐性菌率の顕著な低下は認められなかった。翌年の同地域での耐性菌率は前年同様高かった。また, 耐性菌の発生は千葉市, 市原市及び大網白里町でも確認された。キュウリベと病に対するマンゼブ・メタラキシル剤の効果は1987年から1991年にかけて年々低下した。耐性菌発生圃場でのメタラキシル剤の効果は全く認められなかったが, マンゼブ・メタラキシル剤は一応の効果が認められた。
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庄司 俊彦, 善林 六朗
1992 年 1992 巻 39 号 p.
95-96
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
弱毒ウイルスを前接種したカボチャ台接木キュウリでは, 強毒ウイルスの複合接種に起因する萎ちょう症の発生が抑制された。
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大沢 高志
1992 年 1992 巻 39 号 p.
97-98
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
収穫後のメロンの果実の温湯処理による陥没病の防除効果を検討した結果, 58℃ 2分, 59℃ 2分, 60℃ 1分, 60℃ 1分30秒の各温湯処理区では効果が高く, 温湯の果実に対する影響も極わずかで, これらの処理は実用性があることが明かとなった。
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中山 喜一, 亀谷 満朗, 石川 成寿, 常見 讓史
1992 年 1992 巻 39 号 p.
99-102
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
Attenuated strains of Watermelon mosaic virus-2 (WMV-2) (WI-9 and WII-5) showed strong crossprotection to the infection of severe strain of WMV-2, and did scarcely show the reduction of growth in bottle gourd.
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小川 奎, 鳥越 洋一, 天野 哲郎
1992 年 1992 巻 39 号 p.
103-106
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
キャベツ根こぶ病を対象に発病株率と発病度の関係を検討した。発病程度をn段階に分けそれぞれに0, 1, 2,…n-1の指数を与えて算出した発病度 (y) と発病株率 (x) の値 (x, y) が, 直線y=nx/2(n-1) より上位に位置する場合は重症株が多いこと, 下位に位置する場合は軽症株が多いことを示す。このように, 発病度は発病株率との相対関係を読み取ることによって発病程度の軽重を評価することができる。
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石塚 まや, 平野 寿一
1992 年 1992 巻 39 号 p.
107-109
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
東京都の江東地域で発生が拡大しているコマツナ萎黄病 (病原菌:
Fusarium oxysporum f. sp.
conglutinans) に対する土壌拮抗菌を探索した結果, 鉢試験において発病抑制効果を示す細菌2菌株が得られた。
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岸良 日出男, 須賀 睦男, 難波 成任, 山下 修一, 匠原 監一郎, 土崎 常男
1992 年 1992 巻 39 号 p.
111-112
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
A new elongated virus was isolated from symtomless wasabi (
Eutrema wasabi M.) plants. The virus has a peak in length distribution at 750-780nm and was transmitted by sap but not by aphids (
Myzus persicae and
Lipaphis erysimi). The host range was restricted to wasabi. No inclusion body characteristic of potyvirus was observed in infected tissues of wasabi. The virus did not serologically related to turnip mosaic virus. The name of wasabi latent virus is proposed.
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太田 光輝, 中野 敬之
1992 年 1992 巻 39 号 p.
113-115
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
静岡県下の主要なワサビ産地97圃場について, 株抜取り調査による墨入病の発生実態調査を行った。その結果, 根茎内部黒変症状は全調査圃場で観察され, その発生株率は78%であった。このうち, 墨入病の発生圃場率は95%で発生株率は32%であった。この他に輪腐病が13%の圃場でみられ, 発生株率は3%であった。墨入病の作型別発生消長を静岡県農業試験場わさび分場棚場試験地で調査した結果, 夏植や秋植の作型では植付後早い時期から感染が認められたが, 冬植では感染時期が遅れた。しかし, いずれの作型も植付後1年を経過する頃から発生が増加し, 発生程度も高くなった。
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嶋崎 豊, 野口 篤
1992 年 1992 巻 39 号 p.
117-119
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
近年上市されている多くの品種は, レース3に対して高度の抵抗性を持っていたが, レース4には罹病性であった。「コンバット」及び「ベトレス」はレース4に高度の抵抗性を示し, 早春播き品種として実用性が高いものと考えられた。
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熱水処理土壌および無処理土壌からのホウレンソウ萎ちょう病菌と非病原性フザリウム菌との分離比率
国安 克人, 竹原 利明
1992 年 1992 巻 39 号 p.
121-123
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
ホウレンソウの萎ちょう病発病圃場において熱水土壌消毒区からの
Fusarium oxysporum の検出数は無消毒区に比し約1/100に低下し, 検出された
F. oxysporum のうち病原菌の検出率は無消毒区48.7%, 消毒区29.3%であった。この結果から非病原性フザリウム菌が病原菌に比し耐熱性が高い傾向が認められた。
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石川 成寿, 羽山 潔, 中山 喜一, 手塚 紳浩
1992 年 1992 巻 39 号 p.
125-127
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
A new disease of strawberry was found in Tochigi Prefecture in 1988 and 1991. The base of petioles near the soil surface which changed initially into water-soaked appearance was covered with white and silky mycelia with sclerotia similar to mustard seeds in size. Fungul isolates obtained from the diseased strawberry were pathogenic to 7 species of plants including strawberry, tomato and chinese chive. Colonies of the isolates on PDA medium were white, rich in aerial mycelial strands. Clamp connections were observed on hyphae of the isolates. Sclerotia were nearly spherical and 0.9-2.1mm in diameter. The pathogenic fungus was identified as
Sclerotium rolfsii Sacc. on the basis of these morphological and pathological characteristics.
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石川 成寿, 中山 喜一, 常見 讓史, 中澤 靖彦
1992 年 1992 巻 39 号 p.
129-133
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
A new causal fungus of strawberry anthracnose was found in Tochigi Prefecture in 1991. The symptoms of the disease appeared on leaves, petioles and runners in nurseries. The lesions are dark brown to nearly black and occur on the margins and tips of leaflets. Mycelia of the fungus are white, becoming pinkish grey, and conidial masses are salmon pink on PDA medium. Sclerotia and setae are absent. Conidia are hyaline, single-celled and fusiform with the dimensions of 8.9-16.2×3.2-4.9 (15.5×4.4)μm. Appressoria are dark brown, clavate and 5.9-8.9×4.1-8.1 (7.8×5.7)μm in dimensions. The fungus is pathogenic to tomato, sweet pepper and rocket larkspur. Optimum temperature for mycelial growth on PDA medium was about 25°C. Based on these morphological and pathological characteristics, the causal fungus was identified as
Colletotrichum acutatum Simmonds.
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秋田 滋
1992 年 1992 巻 39 号 p.
135-136
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
静岡県のイチゴに発生する炭そ病には複数の炭そ病菌が関与していることが明らかになった。分離された炭そ病菌の分生子の形態は3種類, また, 菌叢の形態, 温度反応等から培養性質は8種類に類別された。舟形の分生子を形成する菌は
Colletotricum fragariae, 円筒形の分生子の菌は
C. gloeosporioides, 紡錘形の分生子の菌は
C. acutatum と推定された。いずれの菌種もベノミル耐性菌の割合が高かった。
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梅本 清作
1992 年 1992 巻 39 号 p.
137-140
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
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フリー
Conidia of scab fungus (
Venturia nashicola), produced on the Japanese pear leaves, were usually dispersed by rainfall. The number of conidia dispersed was greatest just after the start of rainfall and gradually decreased. The rate of dispersal of the conidia re-produced on the leaf lesions was similar to the rate observed during the first experiment. The number of conidia re-produced and dispersed in the second experiment was approximately 20% of the number existing at the start of rainfall in the first experiment.
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山口 秀和, 岩波 靖彦, 広間 勝巳
1992 年 1992 巻 39 号 p.
141-142
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
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ナシ黒斑病耐病性品種“ゴールド二十世紀”について, 薬剤散布回数の検討を2年間にわたって実施した結果,“ゴールド二十世紀”の黒斑病に対する耐病性が明らかとなり, 病害防除面からは, 生育期の薬剤散布回数は9回ぐらいで十分であることが確認された。
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川合 康充, 斉藤 栄成, 飯島 章彦
1992 年 1992 巻 39 号 p.
143-144
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
セイヨウナシ輪紋病の防除適期を明かにするため, 1988年から1991年まで4年間果実感染時期を調査した。その結果, 果実への感染は6月前半から9月後半まで長期に及び, 特に6月後半から8月前半に多かった。したがって重点防除時期は6月後半から8月前半と考えられた。
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飯島 章彦, 徳永 聡
1992 年 1992 巻 39 号 p.
145-148
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
プルーン果実に炭そ病菌を時期を変えて接種し, 感染時期別の発病推移を調査した。その結果, 6月上旬の感染で中位の発生がみられ, 6月中旬~7月いっぱいの感染で多発した。それ以降の感染では収穫期までには発病にいたらなかった。したがって, 要防除時期は6月上・中旬~7月下旬と判断された。また, 数種薬剤について防除効果を検討したところ, ポリカーバメート水和剤, ジラム・チウラム水和剤, ボルドー液の高い効果を認めた。
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飯島 章彦, 小川 秀和, 湯本 純, 岡沢 正英
1992 年 1992 巻 39 号 p.
149-151
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
プルーンの幼果期に発生する灰星病の発生生態を明らかにするため, 発病経過について調査を行った。その結果, 灰星病菌の越冬は果梗, 果台で行われ, 第1次発病として花腐れが発生し, これから幼果に伝染して果実腐敗や黒点型病斑を生じた。黒点型病斑は多数融合してさびを生じ, 品質の低下を招いた。灰星病菌の休止感染形態である黒点型病斑やさびから腐敗型の病斑へ進行することはなかった。
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飯島 章彦, 小川 秀和, 湯本 純, 岡沢 正英
1992 年 1992 巻 39 号 p.
153-154
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
プルーンの幼果に発生する灰星病の適切な防除時期を決定するため, 開花前から6月中旬にかけて散布時期別の防除効果を検討したところ, 開花期前後の防除が最も重要であることが明かとなった。
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飯島 章彦
1992 年 1992 巻 39 号 p.
155-156
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
防寒処理による根頭がんしゅ病の発病回避効果を検討した。冬期間「巨峰」の若木の主幹部を, (1) わら巻, (2) わら巻してその上をシルバーポリエチレンフィルムで被覆, (3) わら巻してその上を透明ビニールフィルムで被覆, (4) 無処理の4通りの防寒処理を行ったところ, わら巻処理およびわら巻とシルバーポリ併用処理で明かな発病回避効果が認められた。一方, わら巻と透明ビニール併用処理では顕著な発病の増進が認められた。本病の発病回避効果が高かった処理区の被覆資材下の日中の温度は低く, 温度の日較差が小さかった。
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赤山 喜一郎, 植松 清次
1992 年 1992 巻 39 号 p.
157-160
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
A
Phytophthora species isolated from crown rot of baby's breath,
Gypsophila paniculata L., were identified as
P. nicotianae var.
payasitica. An inoculation test showed that pathogenicity of the 8 isolates to baby's breath was severe. Soil fumigation with chloropicrin, chloropicrin methyl bromide or methyl isothiocyanate D-D, soil application with metalaxyl or fungicidal soil drench with fosetyl were recommendable effective for control of the disease, and hymexazol metalaxyl, oxadixyl mancozeb, propamocarb hydrochloride or echlomezol reduced the damage of the disease.
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夏秋 啓子, 松本 大典, 都丸 敬一
1992 年 1992 巻 39 号 p.
161-162
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
An isolate of tobacco mosaic virus (TMV) was isolated from
Physalis alkekengi L. var.
franchetii (Japanese lantern plants, Houzuki) which is commercially sold as ornamental plants. The plants showed mosaic and distortion of fruits. The isolate was identified as TMV (tomato strain) by morphology, host range and serology.
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植松 清次, 高橋 徹, 赤山 喜一郎
1992 年 1992 巻 39 号 p.
163-165
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
Sclerotium crown rots of
Delphinium elatum, ×
Solidaster luteus and
Chlorophytum comosum occurred in Chiba Prefecture in 1991, 1987 and 1991, respectively. A
Sclerotium species isolated from diseased plants was identified as
S. rolfsii. Inoculation experiments showed that the fungus was the causal agent of the diseases.
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植松 清次, 高橋 徹, 松本 幹男, 石川 浩司, 中山 喜一, 赤山 喜一郎
1992 年 1992 巻 39 号 p.
167-169
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
A
Rhizoctonia species isolated from crown rot of Delphinium spp. was identified as
R. solani AG 2-1. An inoculation experiment showed that the fungus was the causal agents of the disease. Fungicidal soil drenches with pencycuron or tolclofos-methyl, and soil fumigation with chloropicrin, chloropicrin·methyl bromide, methyl isothiocyanate · D-D or dazomet were reduced the damage.
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竹内 純, 平野 寿一
1992 年 1992 巻 39 号 p.
171-172
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
東京都八王子市において, ポーチュラカに立枯れ性の病害が発生した。病原菌は
Rhizoctonia solani と同定され, 菌糸融合群はAG-4で, 培養型はIII A型であった。
R. solani によるポーチュラカの病害は本邦未記録であるため, 病名を立枯病 (stem and root rot) と提案した。また, トルクロホスメチル水和剤, フルトラニル水和剤, PCNB水和剤, TPNフロアブル剤の土壌灌注はいずれも本病に対し高い防除効果を示した。
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野口 篤, 嶋崎 豊
1992 年 1992 巻 39 号 p.
173-175
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
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タラノキの促成栽培で発生する側芽の軟化腐敗症状の多くは, 穂木の下部に着生し, 芽の鱗片上部が開いたものに認められた。
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