わが国では、不適切会計の発覚や監査報酬の低い中小監査事務所への監査人の交代の増加を背景に監査の品質に対する注目が高まっている。 監査の品質は監査人の適格性と独立性により測定される。そして、 特定の業種において高い専門性を有する監査人(業種特化した監査人)は、適格性の側面から高い品質の監査の提供に資すると考えられる。そこで、本稿では、業種特化した監査人の監査の品質への影響について、海外およびわが国における先行研究のレビューによりすでに明らかになっていることを整理する。また、わが国における先行研究を整理することにより、わが国において監査人の業種特化と監査の品質の関係に関する研究が必ずしも十分に行われていないことを指摘し、今後の研究課題を示したい。
本稿は、通信販売にクーリング・オフ制度を導入すべき理由を論じる。従来、通信販売は不意打ち性が乏しく自主的検討が可能とされクーリング・オフは法定されていない。しかし近年、SNS利用中など購買意図のない場面で、個人情報を用いたターゲティング広告や、成功報酬型で不当表示が生じやすいアフィリエイト広告、在庫僅少表示やカウントダウンなどのダークパターンが多用され、消費者の購買の自主性が損なわれているといえる。現行の取消制度は広告保存義務もなく活用困難で、被害防止には不十分である。上記の広告にまつわる事柄は主としてインターネット上での話ではあるが、クーリング・オフは電子商取引に限定すべきではなく、紙媒体やテレビ通販も対象とすべきである。クーリング・オフ導入により不当な広告の自然淘汰も期待できるのではないか。
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