本稿では、東京女子高等師範学校附属小学校の主事北澤種一によるデモクラシー概念の受容過程を取り上げ、従来政治思想の視点でとらえられてきた大正新教育とデモクラシーの関係を教育的視点から再検討した。デューイのデモクラシー概念から「共通の興味」というアイデアを獲得した北澤は、興味の社会的性質に着目した学級経営論を提唱していった。「社会生活」の場としての学級や共同の目的活動である「共同作業」の意義を説く彼の学級経営論は、作業教育思想の支柱をなしていた。
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