本稿では、ハンナ・アレントが論じる「非自然的な」性格を有する「自発性」の観点から彼女の教育論の「保守的な」側面と「世界」の刷新をめぐる議論のつながりを検討した。このつながりから導かれるアレントが要請する教育は、「世界」の刷新をもたらす「行為」と「制作」の根底にある力としての子どもの「自発性」を保持する「保守的な」ものとして捉えることができる。「世界」の刷新は、この「自発性」の保持の先に見据えられるのである。
養護教諭の仕事は1950年代末に転換期を迎えた。敗戦後の公衆衛生・看護のニーズが減少して公共的使命を喪失した。本稿はサークル「芽の会」が自己の存在への問いを立て、養護教諭の仕事を再定義していった歴史的過程を検討した。1970年『わたしたちの養護教諭論』は、養護教諭の仕事の価値と倫理を定めた指針であり、養護教諭が専門職として自律的に仕事を発展させる出発点となったこと、従来の衛生業務を教育的な仕事に変容させたことを示した。
本稿では、高校部活動がどのような層で拡大したのか、そしてその拡大が学習行動の変化とどう関連していたのかを分析した。1990年と2006年の調査を比較すると、部活動参加率の上昇に社会階層による差異があるとは言えないが、中・上位校での上昇が著しかった。また上位校の生徒は学習にも部活動にも熱心に取り組むようになっているのに対し、中位校では、学習の代わりに部活動にだけ熱心に取り組む生徒が増えている。この結果は、中位校における「学習中心文化」から「部活動中心文化」への転換を示唆している。
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