教育学研究
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89 巻, 2 号
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特集:新しい教育学の模索と挑戦
論文
  • 英国におけるE. ホーキンズの言語教育の理論と実践
    小栁 亜季
    2022 年89 巻2 号 p. 245-257
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/09/10
    ジャーナル フリー

     本稿では、1970年代の英国で提唱されたE. ホーキンズの教科「言語」の理論と実践を検討した。ホーキンズは、言語を認識する枠組みを発達させることを言語教育の目標に据えた上で、複数の言語を1つのテーマのもとで取り上げる教科「言語」を提唱した。氏の所論は、言語の分析的な学習をカリキュラムの中核におくことの可能性を示すと同時に、そこで子どもの言語を相対化する契機を生み出し、他言語への偏見を打破する可能性を示していた。

  • N. ルーマン科学論における学問領域の細分化過程と観察の多元性に関する議論から
    鈴木 篤
    2022 年89 巻2 号 p. 258-270
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/09/10
    ジャーナル フリー

     教育学では理論と実践という対立図式が長年用いられてきた。だが、ルーマンの議論を踏まえるならば、科学システムと教育システムとは異なる機能システムに属し、さらにそれぞれが独自の歴史を積み重ねてきていることから、前者が生み出した理論を後者が応用するという単純な関係を想定することは困難だとわかる。科学システムはあらゆる活動を、真/非真の二値コードに照らして判断するのに対し、教育システムはすべてを、より良い/より劣るというコードに基づいて判断するためである。

  • メディア・リテラシー教育の見過ごされたルーツとその可能性
    上杉 嘉見
    2022 年89 巻2 号 p. 271-283
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/09/10
    ジャーナル フリー

     カナダにおいて広告分析学習は、メディア・リテラシー教育に先行して消費者教育で行われていた。商品情報を客観性の観点から評価することを促す消費者教育としての広告分析学習は、近年広まっている表現の文芸的価値を理解させようとするメディア・リテラシー教育のそれと比べて高度とは言えない。しかし、ソーシャルメディア空間を中心に事実が軽視されがちな今日、学校教育には、広告に対する原初的なアプローチに意義を見出す姿勢が求められよう。

  • 商店簿記運動を中心に
    江口 潔
    2022 年89 巻2 号 p. 284-295
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/09/10
    ジャーナル フリー

     本研究では1930年代に中小小売商の経営改善を目的として行われた商業組合などによる簿記教育を検討した。そこでは、会計技術を習得していない中小小売商を対象に店の会計と家計の分け方を指導するとともに、業種別の簿記の作成とその指導に取り組むことによって、小売商の実情から乖離していた簿記教育の改善をすすめていた。そうした活動の検討を通して職業的リテラシーが職場に応じて調整されていく様子を明らかにした。

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