教育実践学研究
Online ISSN : 2436-0945
Print ISSN : 1880-2621
21 巻
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • -TAPは規範意識の醸成と道徳性を養うことに貢献できるか一
    工藤 亘
    2018 年 21 巻 p. 1-14
    発行日: 2018年
    公開日: 2021/04/30
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は、道徳が教科化された要因の一つである規範意識と道徳性等に関連する用語整理と先行研究を概観した。TAPが規範意識の磁成や道徳性を養うために貢献できることは、体験活動や学びのプロセスを子ども達に提供することであり、人間的に成長した個を目指すことである。教師は子どもの発達段階を踏まえ、TAPの学習理論やアドベンチャーの理論等を活用し、指導と支導のバランスをとることで、子ども自身で規範を守ることや道徳的な行為ができるようになると考える。
  • 一教職員(小・中・高)への質問紙調査を踏まえて一
    藤平 敦
    2018 年 21 巻 p. 15-26
    発行日: 2018年
    公開日: 2021/04/30
    ジャーナル オープンアクセス
  • -SEL (Social and Emotional Learning)の実践と効果一
    小高 佐友里
    2018 年 21 巻 p. 27-50
    発行日: 2018年
    公開日: 2021/04/30
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では、感情への理解を深め適切に対処するスキルの獲得を目標とし、中学生を対象としたSELプログラムを実施した。特別活動の授業時聞を使用し、全3回の指導案によりプログラムを構成した。プログラムの効果を検討するために、SEL実施前後の感情知能得点の変化について解析を行った結果、性別やクラスによる実践の効果に差はみられず、普段間接的に関わる役割であるスクールカウンセラーでも、同じ指導案を用いた予防教育において教員と同じ程度の役割を果たす可能性が示唆された。また、プログラム実施前に自己評価の低かった生徒は実施後プラスの方向に変化した一方で、高かった生徒はマイナス方向への変化が見られた。このことは、授業を受けて感情への付き合い方に自信をつけた低群と、自分はできていると安易に捉えていた感情への取り組みが、良い意味で慎重になった高群といったように、個々の生徒がそれぞれに授業の内容を受け取り、感情知能の評価に変化をもたらしたものと思われる。中間群の生徒にも概ねプラスの変化が見られたことから、本研究におけるSELの実践は、生徒の感情との付き合い方に多くの示唆を与える有効な取り組みであったと考える。
  • 一授業実践から得られたデータを用いて一
    奥田 順也
    2018 年 21 巻 p. 51-75
    発行日: 2018年
    公開日: 2021/04/30
    ジャーナル オープンアクセス
    現在、日本の小学校低学年の音楽の授業では、一般的に鍵盤ハーモニカが用いられている。 この楽器を用いた小学校低学年の指導に関する今目的課題を明らかにするために、奥田(2017)は、現在、教育の現場で扱われている教材、先行事例、この楽器の専門家の見解をもとに考察を行ったが、一定の方向性を見出せなかった。そのため、実践的な指導法の開発とともに、その内容が小学校低学年にとって妥当な指導で、あるかを明らかにするために、学術的な根拠を示す必要があると結論づけた。しかしながら、奥田(2017) も、学術的な根拠を示す検証などを行うには至っていない。そこで、本研究では、小学校低学年の鍵盤ハーモニカの学習において、指番号を用いて運指を指導するための学習プロセスを構築した。そして、これを用いたパイロット研究として授業実践を行った。次に授業実践から得られたデータを統計的手法で分析するなどし、これに関する有用性を検証した。
  • 一中国の天津市・延辺自治区・湖南省農村地域の中学生を対象として一
    元 笑予
    2018 年 21 巻 p. 77-87
    発行日: 2018年
    公開日: 2021/04/30
    ジャーナル オープンアクセス
    現在の中国では、いじめ問題は日本と同様に学校現場で深刻な問題となっている。中国における教育の格差は、基本的に都市部と農村部の格差であり、沿海地区と内陸地区の格差でもある。今回は調査対象として中国における典型的な以下の三つの地域(天津市・延辺自治区・湖南省農村地域)の中学生約100名中学生を選ぶことにした。さらに、回想法により質問紙調査を実施した。本研究では中国における生徒と教師の関わりが多いほど、いじめにあった時に、教師への相談に影響するという以下の仮説を検証することを目的とした。本研究の仮説は以下の通りである。中国では都市化されていない地域が都市化されている地域より、教師との関わりが多く、いじめにあった時に、教師に相談する傾向がある。その結果、仮説は支持されてきたが、都市化されていない地域が都市化されている地域より、いじめにあった時に、生徒が教師との相談が多い傾向は見られた。本研究では、生徒と教師の関わりと教師のいじめ相談への影響が絶対的とはいえないが、生徒と教師の関わりがいじめ相談の解決手段の一つになりうることを示しているといえる。それに対して、日本でも同様のことがいえる。児童・生徒と教師との関わりは、いじめの早期発見と適切な対処にとって大事だと考えられる。
  • ーソーシャルスキル・学校生活適応感・自尊感情への効果一
    山口 豊一, 荒嶋 千佳
    2018 年 21 巻 p. 89-107
    発行日: 2018年
    公開日: 2021/04/30
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では,中学生版学校生活適応感尺度を作成することを第一の目的とした。また,中学生に対するSSTによるソーシャルスキル,学校生活適応感,自尊感情および学校生活享受感情の変化の検討を第二の目的とした。研究1では,中学生242名を対象に質問紙調査を実施し, 11項目2下位尺度の中学生版学校生活適応感尺度を作成した。そして,ソーシャルスキルと学校生活適応感および自尊感情の影響関係を検討した。その結果,ソーシャルスキルを高めることは,学校生活適応感における「学習・進路」「心理社会・健康」両側面の向上につながり,自尊感情を高めることが明らかになった。研究2では, SSTの介入有群と介入無群に分けて分析を行った。介入有群の生徒を対象に,各下位尺度得点の高群と低群に分けて2要因の分散分析を行った。その結果, SST実施前の得点が低かった生徒に効果が見られ, r集団活動スキル」と「同輩とのコミュニケーションスキル」が向上することが明らかになった。
  • 一特別活動の評価表現分析を活用して一
    林 尚示, 杉森 伸吉, 布施 梓, 元 笑予
    2018 年 21 巻 p. 109-120
    発行日: 2018年
    公開日: 2021/04/30
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では、小学校特別活動の中でも特に学級活動に焦点を当てて、学習指導案の評価表現を活用した評価法を開発するための基礎的な考え方を明らかにすることとした。そのために、小学校学級活動に焦点を当てて、学習指導案の評価表現を活用した特別活動の評価法の開発を試みた。まずは、小学校教員10名を対象にインタビュー調査を実施し、特別活動の評価法の現状分析を行った。続いて、地方公共団体が現在推奨している学習指導案に掲載されている評価表現から、テキスト・マイニングの手法を活用して、新学習指導要領の下でも活用可能な評価表現の抽出を行った。最後に、小学校の学級活動2事例を対象として、テキスト・マイニングによって抽出した評価表現が活用可能であることを検証した。特別活動の中の学級活動について評価法の開発を試みた結果、評価表現と授業との部分的な対応関係について確認できた。
  • 工藤 亘
    2018 年 21 巻 p. 121-128
    発行日: 2018年
    公開日: 2021/04/30
    ジャーナル オープンアクセス
    小学生がなりたい職業(2009年-2016年)は大きな変化がないこと、中学生がなりたい職業(2009年~2017年)は、男女とも情報通信技術に係わる職業に人気が移行しつつあることがわった。高校生がなりたい職業(2009年-2017年)は、男女の共通点として専門職や技術職に就きたい傾向が高く、情報通信技術に係わる職業に関心が高まってきている。大学生がなりたい職業(2014年)では、ヒューマンサービ、ス業、専門職・技術職、情報関連業、金融業に大別することができ、就職を希望する企業(2017年)では、大手の金融業や航空業・商社が上位を占めていることがわかった。社会のニーズや文明の発展に伴い、児童・生徒・学生がなりたい職業は数年で変化することが予想できるため、教師は児童・生徒・学生の職業観やなりたい職業を敏感に察知しながら発達段階に応じたキャリア教育をする必要がある。
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