教育実践学研究
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  • ―「訓読み・音読み」と「高親密語・低親密語」―
    関口洋美 , 阿子島茂美 , 吉村浩一 , 漆澤恭子 , 遊佐規子
    2022 年 25 巻 p. 1-11
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/09/23
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は,児童を対象に漢字二字で構成される熟語の読みを学習しやすくする要因について明らかにすることを目的とした。そこで,読みの組み合わせ(訓訓読みと音音読み),単語としてなじみがあるまたは知っているかどうか(なじみのある高親密熟語とあまりなじみのない低親密熟語),学習効果(2 巡目の正解率)及び学年(低学年・中学年・高学年)に関連させ 5 つの仮説を立てて実験を行った。その結果,音音読みよりも訓訓読みの方が成績は良く学習効果が高いという仮説,低親密熟語よりも高親密熟語の方が成績が良く,学習効果は低親密熟語の方が高いという仮説は部分的な支持にとどまった。学年による大きな違いは見いだせなかったが,学年が進むにつれ熟語の読みの成績における個人差が減少していくことが分かった。本結果から,低親密熟語においては訓訓読みの熟語の方が成績及び学習効果が高く,それは低学年から高学年まで一貫していることが明らかとなった。
  • ―大学生を対象とした「韻を踏んだ訳詩の創作」の模擬授業を手掛かりに―
    大貫 眞弘
    2022 年 25 巻 p. 12-22
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/09/23
    ジャーナル オープンアクセス
    国語科教科書では小・中・高の校種を跨いで教科書に掲載されている漢詩があり,その場合は小学校よりも中学校,中学校よりも高校で,如何にして学習者により充実した学びを提供できるかが問われることとなる。その中で高校教科書の漢詩単元に掲載されている,訳詩・翻案詩の創作を取り入れた言語活動により充実した学びを実践する可能性を見いだした。この言語活動は 60 年以上も前から今日に至るまで教科書に掲載され続けているにも関わらず,先行実践の記録も,学習者の創作事例も残されていない。そのため,本稿では授業実践によって学習者の創作物を収集し,創作過程などについて学習者にインタビューを行うことによって,充実した学びを実践するための観点を得ることとした。教職課程科目を履修する大学生を対象とした訳詩創作の模擬授業とその後のインタビューを通じて,本単元を高校生対象として実践を行うにあたっての留意点を得ることができた。
  • 光武智美
    2022 年 25 巻 p. 24-30
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/09/23
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は,平成 29年(2017 年)に A中学 1年生 4クラス 152 名(男子 72名,女子 80 名)の集団に対して,助産師である筆者が人の誕生を題材にして行った,命の授業後の生徒の感想から生徒の気づき(学び)を整理・カテゴリ化し,それぞれのカテゴリ(サブカテゴリ)間の関係を考察することで,命の授業を構想する際の教育内容の選択と学習順序の在り方についての示唆を得ることを課題とした。生徒の気づきを内容分析した結果,【胎児の存在の思考】と【生まれるまでの理解】の情報が刺激となり【育ててくれる人の思いの理解】につながっていた。【育ててくれる人の思いの理解】が原動力となって【命の再考】起こり【今を生きる大切さの実感】につながっていた。【今を生きる大切さの実感】することが,さらに【これからの生き方の思考】へと発展していた。胎児の成長過程という人の誕生を題材にした体験型の命の授業を行うことで「自分や自分以外の人々の命について考える機会」になり,「どのように生きていきたいかを考えるきっかけをもつ」ことがわかった。
  • ―信用創造に着目して―
    相田直樹
    2022 年 25 巻 p. 33-39
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/09/23
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿の目的は,政治・経済の授業内で数学の知識を利用していく「教科横断型授業」を実践することにあった。数学の分野ではしばしば具体的な例が用いられないという問題があり,これが数学離れを生じさせている可能性がある。他方,政治・経済をはじめとする文系科目では,数学的知識を用いて理解する事が少ないため,学習者はこれを暗記科目と捉え,「丸暗記」を目指してしまう傾向にある。そこで本研究では,数学分野と政治・経済分野の両者で学習する傾向の高い「信用創造」に着目し,貸出しの流れが等比数列によって,最終的な預金総額が無限等比級数によって数学的に説明できることを生徒に学習してもらった。さらに,実践内容の効果を検証するために質問紙調査を実施し,期末考査で習熟度を確認した。「貸出しの流れ」の計算と「貸出しの結果として生まれる総額」の計算が,学習過程で別のものとして捉えられている可能性について議論した。
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