体外循環ではサイトカインの分泌, 補体活性化などのchemical mediatorsの放出が臓器障害を惹起する。本研究は小児開心術において完全体外循環から置換液を加えた長時間のDilutional Ultrafiltration (DUF : D群) を施行し, chemical mediatorsの除去の有効性についてExtracorporeal Ultrafiltration Methodのみ施行したControl (C群) と比較検討した。対象は小児開心術16例をC群8例, D群8例に分け, 体外循環前, 開始30分, 終了時, 1, 12, 24時間後のサイトカイン, 補体, 血管内皮因子活性のchemical mediators及び心臓ホルモンをそれぞれ測定した。D群でinterleukin-6 (IL-6) が体外循環終了時, granulocyte elastase (GEL) が12時間後に有意に低値であった (p<0.05)。しかし, endothelin-1は1, 12時間後に有意に高値であった (p<0.05)。DUFを施行してもC群に比べ多くのchemical mediatorは除去できなかったが, IL-6, GELは除去されることが認められた。
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