東京医科歯科大学教養部研究紀要
Online ISSN : 2433-359X
Print ISSN : 0386-3492
2019 巻 , 49 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 中島 ひかる
    2019 年 2019 巻 49 号 p. 1-23
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/28
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    現代において、 フランスはどのように自らの共同体のアイデンティティを作ろうとしているのか、またそれを可視化するためにどのようにシンボルが使おうとしているのかを、歴史学者ノラの「記憶の場」の概念も援用しながら分析する。マ クロンは、EU の一体化を訴えることでヨーロッパのアイデンティティを再建し、その中でこそフランスのアイデンティティを示そうとするが、それはヨーロッパが自由、デモクラシー、人権といった世界のモデルになりえる普遍的な価値を体 現しているという啓蒙以来の観念と結びついている。しかしながら、難民受け入れ問題がヨーロッパ各国で、極右によるナショナリズムの擡頭を招いている今、この様な普遍理念によるヨーロッパのアイデンティティは既に自明なものではなくなっている。その中で、敢えてヨーロッパ再建を主張するとき、マクロンは民主主義発祥の地アテネやソルボンヌ大学といった、人々の共通の「記憶の場」である、文化遺産の力の助けを借りる。「記憶の場」は、ルソーの言う「祝祭空間」とも共通し、人々の一体感を高め、アイデンティティを確証するために役立つと考えられるからではないだろうか。
  • 田中 丹史
    2019 年 2019 巻 49 号 p. 25-35
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/28
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    1970年代の日本の医の倫理論を振り返ると、澤瀉久敬は公害問題への対応を説くなど、医師―患者関係に還元されない視点を有していた。武見太郎は福祉国家の到来により、人間のより良き生存が問われることになると述べた。また砂原茂一は医学研究を社会の視点からチェックすることを主張していた。中川米造は、科学であると同時にそれに還元されない医学の特徴を踏まえる必要性を説いた。さらにヴァン・R・ポッターの著作『バイオエシックス』に触れ、人類の生存に関する議論も医の倫理論の中で行っている。以上を踏まえると、1970年代の日本の医の倫理論では1980年代以降の生命倫理が行っていた議論がすでに確認できること、また人間のより良き生存という環境倫理に関するような議論も行われていた点が特徴であると解される。
  • 理想化なしの真理の合意説
    上田 知夫
    2019 年 2019 巻 49 号 p. 37-49
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/28
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本論文では、ハーバマスの真理の合意説を検討する。真理の合意説は、真理概念を正当化によって定義しようとする理論である。「真理と正当化」以来ハーバマスが擁護するようになった、理想的発話状況という条件をはずした理想化なしの真理の合意説を検討する。本論文では、理想化なしの真理の合意説が依拠する正当化概念が、知識についての信頼性主義に依拠することを論じる。それにもかかわらず、理想化なしの真理の合意論においても、討議が構成的役割を果たすことを論じる。
  • シンチンガー エミ
    2019 年 2019 巻 49 号 p. 51-65
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/28
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    2018年夏、ベルリンの自由演劇シーンはどうなっていたのか。8月9日に『空騒ぎ』を上演してから11月半ばにグリム童話を上演するまで活動を休止することになったヘクセンベルク・アンサンブルと、屋外で、公園で活動を続け、今年はシラーの『群盗』を上演したモンビジュー・シアターと、やはり屋外で、別の公園で活動するシェイクスピア・カンパニー・ベルリン、そして野生動物に関する劇を上演し続けている女性たちによる劇団を例にとり、2018年夏のベルリンの自由演劇の動向を報告する。
  • 「なぜ?」からはじめる理科の自由研究
    奈良 雅之, 服部 淳彦
    2019 年 2019 巻 49 号 p. 67-75
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/28
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    2018年8月10日に「ひらめき☆ときめきサイエンス:「なぜ?」からはじめる理科の自由研究」を実施したので、その概要について報告する。
  • Jeanette Dennisson
    2019 年 2019 巻 49 号 p. 77-90
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/28
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    理系科目の教育において、アクティブラーニングの導入が増加してきている。本学習法では、学生自らが能動的かつ積極的に学んでいくというプロセスを踏む。東京医科歯科大学の教養部では、教員に対してアクティブラーニングの導入を推奨し、学生の思考能力の向上や自主学習の基礎構築に取り組んでいる。教養部で1年生が履修科目の1つに生物学があり、その授業では英語による授業を行いかつアクティブラーニングを導入している。また、この科目では、英語力や生物学の知識力が異なる学生が履修しているが、モチベーションやパフォーマンスに支障を及ぼすことなく学習をすすめることができている。本レポートでは、授業の内容について概説する。本レポートが他科目の授業においてもアクティブラーニングの導入に際しての一助となれば幸いである。
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