九州病害虫研究会報

昭和43年度稲作後期のいもち病多発生について

田川維善, 小林研三, 重永知明

1969 年 15 巻 p. 1-4
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.1

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1) 昭和43年度の穂いもち多発生について,熊本県八代防除所管内のイあと作晩期水稲,普通水稲における発生状況および発生要因について調査と解析を行なった。
2) イあと作晩期水稲においては,前作イのチッソ施肥量が熊本県の耕種基準を超過しているほ場が多く,これに伴なって穂いもち発病程度も増加しており,薬剤防除効果もあがりにくくなっている。イ栽培における施肥の再検討が望まれる。
3) イあと作晩期水稲における穂いもちの薬剤防除は,8月,9月の防除回数が多いほ場ほど発病が少なく,特に8月の葉いもちに対する防除の徹底が効果的であると考えられる。
4) 普通栽培水稲においては立地条件の影響が大きいようであり,施肥,防除面に関して多発生の要因を解析する資料は得られなかった。

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水稲立枯症(仮称)の発生様相について

家入章, 小林研三, 中山武則

1969 年 15 巻 p. 4-7
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.4

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以上水稲の立枯症状の発生状況ならびに立枯症状の原因解析を計画し,まず本報では施肥量による発症の多少,土壌線虫の部面より一部検討を実施した。
1. 水称立枯症状株を分解調査した結果,1株中1茎の立枯症状個体が最も多く,株内における他の個体への伝染は少ないようで,また,ほ場内での他の株への伝染まん延も極めて少ないようである。
2. 立枯症状株の発生は少肥の場合は少なく,多肥条件下では多かった。しかし立枯症状のみの株と,立枯症状と小粒菌核病との合併症の株に分けてみると,立枯症状のみの株は少肥に多く,合併症の株は標肥に多く発生が認められた。その原因ならびに収量,被害度については今後検討する必要があろう。

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イネ心枯線虫病に対するダイアジノン粒剤の苗代施用条件と効果との関係

吉田桂輔, 吉村大三郎, 横山佐太正

1969 年 15 巻 p. 7-10
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.7

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イネ白葉枯病防除薬剤の検定法について (1)簡易設置水田による検定

後藤孝雄, 西沢正洋

1969 年 15 巻 p. 10-12
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.10

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(1) イネ白葉枯病に対する薬剤の防除効果を検定するため,巾60cm,長さ360cm,高さ20cmの木框内にビニールをしき土を入れた水田で栽培した品種十石を用い,白葉枯病病原細菌を接種し,薬剤の効果,収量を調査した。
(2) 止葉の発病はフェンチアゾン50%水和剤1,000ppm,有機ニッケル65%水和剤1,625ppm散布は少なく,籾重,玄米重,上玄米重も多かったが,硫酸ジヒドロストレプトマイシン500ppm散布は,発病は少なかったが収量は少なかった。

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稲小球菌核病と稲小黒菌核病の発生ならびに被害度

野中福次, 鎌野礼一

1969 年 15 巻 p. 12-14
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.12

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1. 昭和43年度の佐賀県平坦部における稲小粒菌核病の発生は広く認められたが,その被害度は昨年よりも軽るかった。
2. 本病は7月20日の分けつ期より発病がみられるが,これが伸長期にかけて急速に葉鞘への進展が行なわれる。
3. 水稲の生育時期別に小球菌と小黒菌の発生消長を調べた結果,9月までは小球菌の発生が多くみられるが,10月以降になると小黒菌が多く検出され,収穫期の被害は小黒菌によるものが多い。従って稲の刈株中には小黒菌核が多く検出される。

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稲菌核病の種類とその病原菌核

野中福次

1969 年 15 巻 p. 14-15
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.14

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稲菌核病菌の培養性質の比較

野中福次, 荒木征洋

1969 年 15 巻 p. 15-16
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.15

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小球菌核,球状菌核,灰色菌核,褐色菌核の温度別の培養試験の結果,いずれの菌核も30℃,25℃が菌糸伸長は良好で,菌核形成も灰色菌核を除き早く認められた。
自然菌核と培養菌核の形態的比較を行なった結果,小球菌核,小黒菌核,球状菌核では両者間に差異はみられなかったが,紋枯病と褐色菌核に差異がみられた。

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稲葉しょう網斑病菌に関する2,3の知見

野中福次, 渡辺久男

1969 年 15 巻 p. 17-18
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.17

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稲から分離したC.scopariumの菌糸伸長は30℃が適温であるのに対し,ラツカセイ菌は25℃次いで20℃でよい生育を示した。本菌の分生胞子は殺菌蒸留水および蒸留水では60分以内にほとんど発芽するのに対し,水田水,水道水では非常に劣る。また,自然菌核の発芽率は培養菌核の発芽率70～100%であるのに比べ非常に劣り,約10%であった。

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九州に発生する牧草病害に関する研究

(1)阿蘇の放牧地に発生する牧草病害

寺中理明, 長江春季, 木原清光, 篠田辰彦

1969 年 15 巻 p. 18-20
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.18

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Trichoderma菌施用によるラジノクローバー白絹病の防除効果

新留伊俊

1969 年 15 巻 p. 20-22
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.20

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1) Trichoderma preparationを用い, T. lignorum (Tode) Harz.のラジノクローバー白絹病(Corticium rolfsii Curzi)に対する実用的な防除効果を,ほ場で検討した。
2)昭和41年から3ヵ年にわたる4つのほ場試験の結果では, Trichoderma preparationを白絹病の初発生時期の前後に10a当り10～200kg施用処理して,実用的に満足できる効果が得られなかった。
3)効果のあがらなかった原因について,試験期間ヰの環境条件,殊に気温,湿度,光線について検討したが,特に不利に働いたものは見出せなかった。
4)以上の結果から, Trichoderma preparationをラジノクローバー白絹病の初発生期の前後に10a当り100～200kg散布施用しても,実用的にみて,白絹病を防除することは困難なように考えられた。

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ナタネ菌核病に対する石灰窒素施用ついて(その2)

原敬一, 柳田良雄

1969 年 15 巻 p. 22-24
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.22

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ナタネ菌核病防除のため,ほ場に石灰窒素を,ナタネ開花時期前から散布したが,子のう盤抑制期間はa当り3kg散布で15日から20日間ぐらいとみられた。
収穫時の茎発病調査で,散布時期別では,開花期15日後散布を行なった区で菌核病防除効果がみとめられた。抽台期・開花期の2回散布区では標準区と発病差はみとめなかった。
春期子のう盤の発生の山は,年により早晩があり,ナタネ開花期とかならずしも一致しなかった。

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サトウキビ葉焼病菌のススキへの感染

植原一雄, 山内昌治

1969 年 15 巻 p. 24-25
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.24

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タバコの被覆栽培と立枯病の発生

林松雄, 佐々木壮

1969 年 15 巻 p. 26-28
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.26

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1.消毒,無消毒とも無被覆がもっとも発病が少なく,被覆期間に比例して発病率が高くなっている。また発病率は無消毒では被覆区間ではっきりとした差が認められたが,消毒では不明瞭であった。
2.土壌のクリスタイルバイオレット耐性菌数の調査では5月10日,6月10日とも差異はみられなかった。生物検定でも5月10日でははっきりした差はみられなかった。
3.6月10日の生物検定では無消毒は被覆期間に比例した差がみられるが消毒では,被覆期間の差異は明らかでなかった。

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土壌消毒剤の効果範囲

酒瀬川義一, 佐々木壮

1969 年 15 巻 p. 28-30
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.28

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コンクリート槽につめた立枯病菌汚染土中の細菌数の密度の変化を消毒剤の効果範囲の指標とするため変法ドリガルスキー培地を用いた稀釈平板法によりクリスタルバイオレット耐性菌数を明らかにした。
(1)対照としたクロルピクリンでは密度が極端に低下した10³レベル以下の範囲は最大巾20cm,最大深度約30cmであった。
(1)アイオピクリンは非常に異なったパターンを示し,注入点より上方への拡散が著るしく,10³レベル以下の範囲が最大巾約25cmに拡がり,しかも表層部分での密度低下が著るしいのに反して,注入点より下層での密度低下はクロルピクリンに比較して著るしく劣った。
(2)ガスパはクロルピクリンよりいく分範囲がせばまっているがほぼ同様のパターンを示した。
(4)NCSは密度低下の範囲が極端にせまく,しかも注入点近くで10⁴レベルまで低下したのみであったが,さらに長期にわたって調査する必要があろう。

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イ紋枯病の防除に関する研究第1報散布薬剤について

鬼木正臣

1969 年 15 巻 p. 30-34
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.30

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イネ萎縮病抵抗性の品種間差の検定法

木村俊彦, 古賀繁美, 西沢正洋, 西泰道

1969 年 15 巻 p. 34-37
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.34

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稲縞葉枯病の感染時期について

高崎登美雄, 野田政春, 村田全

1969 年 15 巻 p. 37-40
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.37

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天狗巣症状を呈する茶樹の異状について(予報)

野中寿之, 鬼丸照雄, 長友繁, 植原一雄, 権藤道夫

1969 年 15 巻 p. 40-43
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.40

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キュウリ灰色かび病の生態ならびに防除に関する研究第2報低温貯蔵中における果実の発病とその経過

川越仁, 岩橋哲彦, 後藤重喜

1969 年 15 巻 p. 43-44
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.43

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キュウリ灰色かび病の生態ならびに防除に関する研究第3報キュウリ果実における病斑伸展と温湿度との関係

岩橋哲彦, 川越仁, 梶原敏宏

1969 年 15 巻 p. 44-46
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.44

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キュウリ疫病の各種薬剤による防除

藤川隆, 冨来務, 佐藤俊次

1969 年 15 巻 p. 46-49
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.46

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キュウリ蔓割病の薬剤による防除効果

冨来務, 藤川隆, 佐藤俊次

1969 年 15 巻 p. 49-51
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.49

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ジャガイモ粉状そうか病に関する研究第1報ほ場における発生推移

新須利則, 坂口荘一

1969 年 15 巻 p. 51-52
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.51

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ジャガイモ粉状そうか病に関する研究第2報発病の品種間差異

坂口荘一, 新須利則

1969 年 15 巻 p. 53-54
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.53

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ササゲモザイクウイルスについて

日高醇, 伊藤敏男

1969 年 15 巻 p. 54-56
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.54

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1) ササゲから分離したウイルスは,汁液接種が可能であり,アブラムシによって容易に伝搬される。
2) このウイルスはエビスグサに黒褐色の局部病斑,アズキにモザイク,ソラマメに赤褐色の局部病斑,ジュウロクササゲにモザイク,シロザとChenopodium amaranticolorに局部病斑を形成する。
3) このウィルスは60～65℃で10分加熱,1,000～5,000倍希釈,17～20℃で24時間保存で不活性化する。
4) 以上の結果からこのウイルスはササゲモザイクウィルスと結論できる。

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カンキツかいよう病の春葉と果実に対する感染時期について

太田孝彦

1969 年 15 巻 p. 57-59
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.57

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Degree of infection with citrus canker (Xanthomonas citri (Hasse) Dowson) varies according to the aging of leaf and fruit.
This experiment was carried out for determine the sensitive period of spring leaves and fruits. In the spring leaves, various ages of young leaves of some citrus species, Fukuhara, Natsudaidai and Satsuma oranges, were inoculated through stomata with bacterial suspension containning 10⁸ cells per ml. While the age distribution and its successional changes was investigated every 5 days during the growing period of spring leaves. And the period of stomatal infection was determined by the results of the stomatal inoculation test and the distribution of leaves ages.
In the fruits, using Satsuma orange fruits, stomatal and wound inoculation was made every weeks with bacterial inocula containing 10⁸ cells per ml from the beginning of June to the middle of September.
With stomatal inoculation, the spring leaves of all tested species, were sensitive while middle aged leaves were many, from 10 to 50 days (the most sensitive period, from 20 to 40 days) after the orange buds were out.
In the fruits of Satsuma orange, stomatal infection was caused from the beginning of June to the middle of August. The most sensitive period was July. Wound infection was caused during the middle of June to the end of August. The most sensitive period was during the middle of June to the middle of July.

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カンキツかいよう病防除体系確立に関する研究 (第3報) 再び果実に対する薬剤散布時期について

岩佐忠行, 太田孝彦, 森田昭

1969 年 15 巻 p. 59-61
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.59

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Adequate time of spraying of streptomycin for the control of citrus canker on fruits was studied.
Since the late of May to the biginning of September, the spray was carried out as shown in Table 1.
It was observed that the effective control was resulted by the spraying in June and July, especially, the spraying in July was most effective.

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カンキツかいよう病のサンプリングメソツドに関する研究 1. 調査部位について

甲斐一, 秋田忠夫

1969 年 15 巻 p. 61-62
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.61

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長崎県に分布するカンキツかいよう病菌(Xanthomonas citri (Hasse) Dowson)とその細菌ウイルスの性質

日高醇, 田中一夫, 太田孝彦

1969 年 15 巻 p. 62-65
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.62

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1. 長崎県各地から集めた罹病葉からカンキツかいよう病菌57株と,その細菌ウィルス20株を分離した。カンキツかいよう病菌は細菌ウィルスに対する感受性により,CP1に侵されるが,CP2に抵抗性を示すもの29株と,CP2に侵されるが,CP1に抵抗性を示すもの28株とに類別された。
2. 分離細菌には,採集地または寄主品種の差によって寄生性に差異は認められなかった。
3. N1とN2とは寄主範囲,血清学的性質,および形態よりそれぞれCP1とCP2とであると同定された。
4. 長崎県下には,CP1とCPSとが存在する。

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温州ミカンのそうか病の生態と防除に関する研究 (第1報) 新葉の発病におよぼす数種要因

貞松光男, 杉谷暁

1969 年 15 巻 p. 65-68
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.65

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1) 接種時の葉長が短いほど発病が少なく特に5mm以下で発病が少なかった。しかし15mm以上では全葉が発病した。
葉長が短いとき発病が少ないのは,接種葉面積がせまいからと考えられる。
2) 侵入時の温度は15℃,20℃,25℃の範囲では,温度がたかいほど発病も増加した。
3) 葉の付傷は,明らかに発病を助長した。
なお,葉表と葉裏では,葉表からの発病が多い傾向がみられた。
4) 侵入・感染に要する保湿時間は,3時間以内でもよく,12～15時間以上になると急激に発病が増加した。
5) 本試験での最短潜伏期間は4日であった。長い方では,最終調査の20日目に発病するものもかなりあった。

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温州ミカンのそうか病の生態と防除に関する研究 (第2報) ダイホルタン水和剤による省力防除の検討

貞松光男

1969 年 15 巻 p. 68-71
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.68

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ダイホルタン水和剤を供試して温州ミカンのそうか病の省力防除を検討した。
1) 500倍半量散布は1,000倍標準散布に比し,同等,それ以上の効果を示した。効果発現の原因として,樹体への薬剤付着量の絶対量が多いことも一つの理由と思われた。
2) 果実だけの防除でも,標準散布(2回散布)とほぼ同じ防除効果がえられた。
3) 500倍ないし200倍にOrtho Spray Stickerを添加して標準量散布することにより,1回散布でも果実の発病を標準散布並みにおさえることができた。
これらの成績は菌量,降雨によって変わることが考えられるので,さらに検討したい。

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ミカンそうか病に対するダイホルタン剤の使用法について

山本滋, 磯田隆晴, 岡部猛広

1969 年 15 巻 p. 72-74
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.72

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空中散布によるカンキツ病害虫防除に関する研究温州幼樹園におけるそうか病防除について

山本滋, 上村道雄, 磯田隆晴, 岡部猛広, 竹内秀治

1969 年 15 巻 p. 74-75
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.74

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ブドウ晩腐病に対する休眠期における有機ひ素剤の散布の防除効果について第1報ほ場における防除効果について

野口保弘

1969 年 15 巻 p. 76-81
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.76

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ブドウ晩腐病に対する有機ひ素剤の休眠期散布による防除効果について,本県での主な栽培品種であるキャンベルアーリーと巨峰において調査をおこなった。
1.現地ほ場における収穫果実の被害状況調査の結果,休眠期の有機ひ素剤散布の本病害に対する防除効果に対する防除効果は全くの無散布に比べるとかなり高かったが,慣行のPCP加用石灰硫黄合剤に比べると必らずしも十分ではなかった。また年次による効果の差や園による発病差が大きかった。
2. 無袋栽培下での発病状況の推移をみるとPCP加用石灰硫黄合剤散布区に比べ,特に顕著な初期発病の遅延や初期発病量の抑制効果は認められなかった。
3. 以上のことから福岡県におけるキャンベルアーリーや巨峰を対象にした有機ひ素剤の休眠散布による効果は,常に安定で十分なものとはいえないものと思われた。

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イネわらとムギわら培養による白絹病菌の生育差

田中澄人

1969 年 15 巻 p. 81-83
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.81

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殺菌剤の残効に関する試験 (予報) 降雨と黒点病薬剤の残効

太田孝彦, 森田昭

1969 年 15 巻 p. 83-86
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.83

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薬剤の残効を大きく左右する要因に降雨による流失がある。そこで本試験では人工降雨および自然降雨によって,黒点病の薬剤について,降雨量と残効の程度との関係を検討してみた。
雨滴の発芽抑制力はダイセンでは降雨初期で発芽率が急速に増加するが,デランは効力が長く続き徐々に発芽率が増加する。
濃厚少量散布と普通散布の残効の比較では散布原体量は同じでも稀釈倍数の低い濃厚少量散布の場合の方がデランにおいてもダイホルタンにおいても,より溶出液中の発芽抑制力が高かった。
自然降雨のもとで接種試験を行なった結果では,少雨の場合はデラン・ダイセン両薬剤の残効性は大差なく,降雨量と相関があると考えられる。しかし多雨の場合および散布直後に降雨があると両薬剤ともに残効性が低下し,ダイセンにおいてその傾向が強いと考えられる。

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パイプダスター散布によるヒノザン粉剤の空中濃度

弥富耿彦, 久山真平, 河合正計

1969 年 15 巻 p. 86-87
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.86

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Pisatinの病原菌に対する阻害作用とPisatinの不活性化

野中福次, 上野浩一

1969 年 15 巻 p. 88-89
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.88

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エンドウのサヤにF. solani. f. pisi胞子浮遊液およびHgCl²の10^-3,10^-4モル液を接種して得た滲出液中にpisatinの生成を認め,このalcohol溶液を培地に添加して,病原菌の菌糸伸長阻害を検べた結果,エンドウの寄生菌は非寄生菌より生育阻害が少なかった。また,病原菌A. sojaecolaとC. zonataの培養濾液中にはpisatinを不活性化する物質の存在が予測された。

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九州各地におけるヒメトビウンカ第2回成虫の稲しまはがれ病ウイルス保毒虫率

岸本良一

1969 年 15 巻 p. 90-91
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.90

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From 103 stations in various area in Kyushu, the small brown planthopper of the first generation, adults and larvae of the 4 th and 5 th instar, were collected. Infectivity was tested individually by hemagglutination.
In southern Kyushu, Kagoshima and Miyazaki Pref., where the virus disease occurs slightly, the percentages were mostly lower than 2 to 3%. In northern Kyushu, Fukuoka, Nagasaki and Oita Pref., the percentages were higher than 5%, where the occurrence of the disease was economically important.
Percentage of infected hills in each station was surveyed in the late August. Correlation between the percentage of infective planthoppers and of infected hills was shown in Fig. 1. Percentage of infective planthopper in the stations where infected hills were over 10%, an economic loss level, exceeded 5.5%. These areas were considered to be virus-prevailing areas.

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鹿児島県におけるイネ萎縮病の発生と防除について第1報発生実態

原敬一, 馬場口勝男, 堀切正俊, 深町三朗

1969 年 15 巻 p. 91-93
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.91

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鹿児島県におけるイネ萎縮病の発生と防除について第2報ツマグロヨコバイの発生動向

堀切正俊, 原敬一, 馬場口勝男, 深町三朗

1969 年 15 巻 p. 93-95
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.93

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鹿児島県におけるイネ萎縮病の発生と防除について第3報保毒虫率

原敬一, 馬場口勝男, 堀切正俊, 深町三朗

1969 年 15 巻 p. 95-97
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.95

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鹿児島県における稲萎縮病の発生と防除について第4報防除

馬場口勝男, 原敬一, 堀切正俊, 深町三朗

1969 年 15 巻 p. 97-102
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.97

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(1)鹿児島県における稲萎縮病防除をねらったツマグロヨコバイの越冬防除の適期は,12月中旬から2月下旬までと考えられる。
(2)防除薬剤は抵抗性が問題にされていないものであれば,稲作期間中使用されているものは有効であり,また粒剤は乾田状態で薬量を考慮すれば乳粉剤と同じく実用性のある薬剤と思われる。
(3)集団による越冬防除の適期散布は,極めて有効であり今後稲萎縮病防除対策の一環として推進すべき方法と思われる。
(4)薬剤の殺虫効果に対する低温の影響,防除適期の地域性などについては更に検討が必要と思われる。

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イネ萎縮病の防除時期について

崎村弘, 田之上哲男

1969 年 15 巻 p. 103-104
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.103

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(1)普通水稲栽培地帯における, 萎縮病防除の空中散布時期について, 従来実施してきた7月上旬の慣行を対照とし,7月中旬の苗代期防除,および6月中旬・7月上旬の2回防除と,さらに地上散布における効果をそれぞれ比較検討した。
(2)本病の防除は散布時期により防除効果が大きく左右され, 本田初期の慣行防除に比較し, 6月中旬の苗代中期の散布が初期感染を抑え有効であった。また,ツマグロヨコバイの防除効果は, ほ場生息量のピーク時期である6月中旬が高く,次世代幼虫の出現もかなり抑制された。
(3)多数回空散については,経済効果の面と,ツマグロヨコバイの発生消長, 発生量,保毒虫率,ならびに感染時期など生態調査とから検討しなければならないが, 平常発生であれば苗代中期の1回散布で十分と思われる。しかし,多発年やニカメイチュウの防除と兼ねる場合については, さらに検討を要する。

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ツマグロヨコバイの低温時における防除効果について

永井清文, 萓嶋砂夫

1969 年 15 巻 p. 105-107
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.105

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稲黄萎病の生態ならびに防除に関する研究第9報水中施薬による防除効果について

永井清文, 萓嶋砂夫, 後藤重喜

1969 年 15 巻 p. 107-109
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.107

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PVA加用種子粉衣による乾田直播栽培ウイルス病防除対策上の問題について

赤間嘉孝, 熊本勝己

1969 年 15 巻 p. 110-112
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.110

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1.種籾にPVAを加用した殺虫剤で種子粉衣し,乾田直播した場合の影響を調査した。
2.PVA加用種子粉衣処理はウンカヨコバイ類の防除効果を高め,慣行防除と比べて残効性が高くなり,ウイルス病の発生を少なくすることができるようである。
3.PVA加用種子粉衣によって発芽率が低下し欠株を生ずることが認められ,さらに,発芽後35日余の水稲生育はおくれた。しかし,その後は漸次回復し収穫期には生育の差は認められなかった。
4.土壌水分および降雨量の多少と殺虫効果,残効性,薬害発生の有無についてはさらに追試する必要がある。

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トビイロウンカのBHCに対する耐性

永田徹, 守谷茂雄

1969 年 15 巻 p. 113-115
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.113

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Susceptibility of the brown planthopper to γ-BHC, collected from several areas of Kyushu district in 1967-8, was investigated by topical application method.
The hoppers collected at a point of Saga prefecture, where difficulties in field control with BHC dusts were reported in 1967, showed the highest tolerance to γ-BHC among planthoppers tested, suggesting that control failures were mainly attributable to the development of resistance.
Laboratory selection by topical dosing with γ-BHC increased the resistance 7 times in 5 generations, but cross resistance to DDT, carbaryl and fenitrothion was not observed. The LD₅₀ of the selected strain to γ-BHC was approximately 20-fold higher than that of the most susceptible field strain.

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サンカメイチュウ越冬幼虫の加温飼育による予察について

谷口志洋夫, 川越光義, 蓮子栄吉, 谷口保男

1969 年 15 巻 p. 115-118
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.115

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マコモに寄生するニカメイチュウの生態第1報マコモで採集したニカメイチュウの発生生態について

高崎登美雄, 野田政春, 村田全

1969 年 15 巻 p. 118-121
発行日: 1969/12/15
公開日: 2009/05/22

DOIhttps://doi.org/10.4241/kyubyochu.15.118

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