1. タバコガの発育と温度の関係について若干の試験を行なった。
2. 本虫は30℃で飼育した場合,25℃で飼育した場合よりも著しい発育を示した。とくに幼虫の摂食期問は12日であり,25℃の半分に短縮される。
3. 体重は4令まで25℃の方が重く進み,5令で逆になった。また,完全に成長した幼虫が蛹になるまでに40%前後の体重減少がみられた。
4. 30℃における蛹期間は2つの試験で異なったが,10日前後であると思われる。従って,卵が成虫になるには30数日しか要しない。これは,卵,幼虫,蛹および成虫とも30℃で休眠しないことと合せて,高温条件下にお
ける発生回数に関係して重要である。
'5. 本県においては,現在6~7月と8月,および9~10月の3回の発生が考えられるが,ハウス栽培のピーマン,およびその周辺の露地栽培では4回ないしそれ以上の発生が考えられる。
6. 事実,現地のハウス栽培では露地栽培よりも発生が多く,発生期間も長くなっている。これは比較的高温を好む本虫の生態に関係しているように思われる。
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