ハチミツガ核多角体病ウイルスほか11種の核多角体病ウイルスと,マイマイガ細胞質多角体病ウイルスほか3種の細胞質多角体病ウイルスをクワノメイガなど17種の鱗翅目昆虫に経口接種して交差感染の有無を調査した。その結果,交差感染の成立した場合は下記のとおりである。
1.核多角体病ウイルス:ハチミツガのウイルスはマイマイガに,マイマイガのウイルスはオビカレハとシロシタヨトウに,モンシロドクガのウイルスはマツカレハ,ヒメクロイラガ,オビカレハ,マイマイガ,セグロシャチホコ,シンジュサン及びクスサンに,ドクガのウイルスはマツカレハ,オビカレハ,マイマイガ,セグロシャチホコ,オビヒトリ及びクスサンに,シロモンヤガのウイルスはマツカレハ,マイマイガ,シロシタヨトウ,ハスモンヨトウ,シロヒトリ,オビヒトリ及びクスサンに,ヨトウガのウイルスはミノウスバ,ヒメクロイラガ,マツカレハ,シロシタヨトウ,シロヒトリ,オビヒトリ及びクスサンに,クサシロヨトウのウイルスはマツカレハ,マイマイガ,シロシタヨトウ及びクスサンに,アワヨトウのウイルスはミノウスバ,マツカレハ,オビカレハ,マイマイガ,ゼグロシャチホコ,オビヒトリ及びクスサンに,ダイメイチュウのウイルスはマイマイガに,ハスモンヨトウのウイルスはマツカレハ,マイマイガ,オビヒトリ及びクスサンに,コスズメのウイルスはオビカレハ及びセスジスズメにそれぞれ病原性を示した。
2.細胞質多角体病ウイルス:マイマイガのウイルスはセスジスズメに,また,エビガラスズメのウイルスはマイマイガに対しそれぞれ病原性を示した。
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