1) ミナミキイロアザミウマの生殖の方式を知るため,ふ化時から個体飼育をして得た雌成虫を単独飼育あるいは雌雄一対で飼育し,産卵の有無及び子の発育・性比を調べた。
2) 雌成虫を単独飼育した場合も対飼育の場合と同様に正常に産卵し, 日当り産卵数も変わらなかった。 また,この卵は正常に発育し,全て雄になった。発育期間に差はなかった。
3) 対飼育の場合には産下された卵は正常に発育し, 雌が雄の約2倍であったが,これらのうち未交尾期間中に産まれたと思われる個体を除くと約8割が雌であった。
4) 雌成虫を羽化後5日間を単独飼育し, その後,対飼育を行った場合は, 単独飼育期間に産まれた卵は全て雄に,対飼育期間に産まれた卵は7割が雌になった。
5) 以上からミナミキイロアザミウマは有性生殖のほか,産雄単性生殖を行うことが明らかになった。
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