九州病害虫研究会報
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原著論文
虫害
  • 成富 毅誌, 井手 洋一
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 69 巻 p. 1-7
    発行日: 2023/11/28
    公開日: 2025/01/01
    ジャーナル フリー
    2020~2021年にかけて,佐賀県内全域の施設イチゴ,キュウリ,トマトおよびナス圃場から採集したタバココナジラミ個体群のバイオタイプを識別したところ,イチゴ由来の10個体群はすべてバイオタイプB,キュウリ由来の11個体群中9個体群でバイオタイプQ1,1個体群でバイオタイプB とQ1の混在,1個体群でバイオタイプB であった。トマトおよびナス由来の18個体群はすべてバイオタイプQ1であり,寄主植物間で優占バイオタイプが異なった。バイオタイプB 個体群に対する主要薬剤の効果は一部を除き高く,バイオタイプQ1個体群に高い効果を示したのはIRAC コード6の3剤のみであった。バイオタイプQ1個体群は,供試した14剤中7剤で,バイオタイプB 個体群よりも殺虫効果が低い傾向を示した。
  • 高田 裕司, 寺本 健, 木場 直美, 陣野 泰明, 植松 綾子, 吉村 友加里, 永石 久美子
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 69 巻 p. 8-18
    発行日: 2023/11/28
    公開日: 2025/01/01
    ジャーナル フリー
     諫早湾中央干拓地の試験圃場内にヒメイワダレソウをベルト状(幅2m×長さ90m)に植栽し,その株元に設置したピットフォールトラップにより地表徘徊性節足動物の発生種ならびに発生消長を明らかにした。また,捕獲したオサムシ科の個体を用いてDNA バーコーディングによる種同定の可能性について検討した。オサムシ科は24種が確認され,その内キンナガゴミムシなど捕獲数が多かった7種で91.7%を占めた。発生種数や発生量の大きな年次変動は見られなかったが,ホソヒョウタンゴミムシなど5種で発生量の増減が確認された。また,ハサミムシ目の発生量は増加し,コモリグモ類は減少した。一方,オサムシ科のDNA バーコード解析ではオサムシ科の亜科毎にグループ化される傾向にあり,DNA バーコードによる種同定の可能性が示唆された。
  • 池田 亜紀, 衞藤 友紀
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 69 巻 p. 19-27
    発行日: 2023/11/28
    公開日: 2025/01/01
    ジャーナル フリー
     ニセナシサビダニによる退緑斑点症状の発生はナシ葉退緑斑点随伴ウイルスが関与しているとされ,極低密度でも被害を生じさせることから被害抑制が困難である。ビワキジラミ、ハモグリバエ類、ハダニ類、アザミウマ類などの防除試験において,既存薬剤への展着剤加用による効果の向上が見られた事例が報告されている。そこで,「二十世紀」において,マシン油乳剤(3月),ピリダベン水和剤(4月)及びクロルフェナピル水和剤(6月)のニセナシサビダニ防除体系で生育期処理剤両剤への展着剤加用による,防除効果及び退緑斑点症状の発生に及ぼす影響を検討した。その結果,シリコーン系展着剤区では展着剤無加用区に比べニセナシサビダニの寄生密度が有意に減少し,さらに退緑斑点症状も有意に減少した。一方,機能性展着剤区では展着剤無加用区に比べ防除効果の向上は見られず,退緑斑点症状は有意に増大した。
講演要旨
病害虫の発生と防除の概況
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