九州神経精神医学
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59 巻, 3_4 号
九州神経精神医学_59_3_4
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巻頭言
総説
  • -その共通病態は何か?-
    門司 晃
    2014 年 59 巻 3_4 号 p. 107-113
    発行日: 2014/12/15
    公開日: 2015/06/12
    ジャーナル フリー
     精神疾患が,本邦の医療法の医療計画上の重要疾病として平成25年から位置づけられた。「癌・脳卒中・心筋梗塞・糖尿病」の四大疾病の時代から,精神疾患を含む五大疾病の時代となった背景には,うつ病などの気分障害や認知症の患者数の近年の増加が大きく寄与していると考えられる。うつ病を含む気分障害及び糖尿病が夫々独立した認知症,特にアルツハイマー病の発症危険因子であるとの報告が近年多くなされている。また,従来の四大疾病とうつ病との合併は多いことがよく知られており,例えば糖尿病患者のうつ病有病率は正常対象の2倍以上とされている。本稿では,気分障害及び糖尿病の両者の共通病態生理としての「慢性炎症」の可能性を示し,そのために,両者が認知症の発症危険因子となりうることを示唆した。最近の研究では,気分障害に限らず,広く精神疾患一般と慢性炎症との関係についての指摘がしばしばなされており,精神疾患の新しい診断・治療法開発のブレークスルーとなる可能性がある。
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