九州神経精神医学
Online ISSN : 2187-5200
Print ISSN : 0023-6144
ISSN-L : 0023-6144
63 巻 , 1 号
九州神経精神医学_63_1
選択された号の論文の2件中1~2を表示しています
総説
  • 新開 隆弘
    原稿種別: 総説
    2017 年 63 巻 1 号 p. 16-21
    発行日: 2017/04/15
    公開日: 2020/03/26
    ジャーナル フリー

     うつ病(うつ状態)は本当に多様である。人がうつ状態になるのは,いわゆる内因性うつ病の他に,知能・発達や性格に問題がある人が,対人関係をこじらせてうつ状態になる場合もあるからである。よって職場でみられるうつ状態の全てがうつ病という訳ではない。その本質は,発達障害やパーソナリティ障害,あるいはアルコール依存症ということもありえる。職場のメンタルヘルスの初期対応では,ハナからうつ状態=うつ病と決めつけないことである。本稿では職場での発達障害とパーソナリティの問題への理解と対応を考えてみた。いずれの障害も健常者と明らかな線引きが難しく,これといった特効薬もない。さらに産業精神医学の「本番環境」は,臨床家が普段のフィールドとする診察室や病棟ではなく,職場である。我々臨床家は普段の診察室内だけのやりとりを超えて,産業医との連携を通じて,職場情報を加味した支援策を講じる必要がある。

研究と報告
  • 作業療法士の役割について
    山﨑 幸子, 松尾 夏奈, 佐藤 郁, 堀井 麻千子, 本村 啓介, 神庭 重信
    原稿種別: 研究と報告
    2017 年 63 巻 1 号 p. 22-29
    発行日: 2017/04/15
    公開日: 2020/03/26
    ジャーナル フリー

     近年,統合失調症患者の支援を病院から地域へと移行するよう求められている。しかし,疾患の症状によって支援者との信頼関係の形成が妨げられているような患者では,地域移行支援は容易ではない。今回われわれは,個人作業療法を行ったことが,多職種チームによる地域移行支援につながった治療抵抗性統合失調症の一症例を経験したのでここに報告する。患者は緊張型の統合失調症であり,急性期にみられた激しい拒絶や昏迷はクロザピン投与により消退したが,慢性期には無為が目立ち,生活への介入を拒む傾向が続いていた。個人作業療法の場で,退院とは一見関係のない活動を共にすることで作業療法士と信頼関係を築くことができ,その場を利用して,活動の内容を広げたり,支援者を増やしたりしていき,自宅に退院できた。支援の経過を振り返り,治療抵抗性統合失調症患者の退院支援において作業療法士が果たしうる役割について考察した。

feedback
Top