La mer
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Print ISSN : 0503-1540
55 巻 , 1-2 号
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  • 根本 雅生, 澁谷 勝晶, 中野 知香, 古見 拓郎, 上嶋 紘生, 宮崎 唯史, 北出 裕二郎
    2017 年 55 巻 1-2 号 p. 1-10
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/05/19
    ジャーナル オープンアクセス
    In this study, the relationship between the behavior of fish school, Jack mackerel Trachurus japonicus and oceanic conditions was investigated in Tateyama Bay, Chiba Prefecture, Japan. We showed that the fish school entered from offshore to the inside of Tateyama Bay with the flood tide inflow of water masses having lower temperature and higher salinity at the bottom layer. The fish school appeared in the inside of Tateyama bay along with mixed water masses of Tokyo Bay, Sagami Bay, and the offshore Kuroshio water. The Kuroshio water mass was distributed over the depth from several tenth of meter to around 100 m depth off Tateyama Bay. These results indicated that the fish school behaves with a diurnal tidal cycle in accordance with the movement of the Kuroshio water, and as a result, Jack mackerel was fished near the bottom layer where the mixed water was flowed into the bay.
  • ノイラクサル チダラー, マンタチトラ ヴィポジット, ブラナプラテプラット アゥンクル, 小松 輝久
    2017 年 55 巻 1-2 号 p. 11-23
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/05/19
    ジャーナル オープンアクセス
    ガラモ場は世界中の沿岸域で重要な生息場を形成している。コバモクは,タイランド湾に広く分布し,ガラモ場を構成する優占種である。我々は,2014 年1 月から2015 年12 月まで,タイランド湾の北東岸沖にあるサマエサーン島の潮間帯の岩礁で,毎月の方形枠による採集および観察と環境調査を行い,コバモクの季節変化を調べた。コバモクの被度,葉状部長,現存量,未成熟株の割合,成熟株の割合は,11 月から2 月の乾季で寒冷季に最大となり,水温と有意に負の相関があり(p < 0.05),DO とリンと有意な正の相関があった。単位面積当たりの幼体,未成熟個体,成熟個体,基部のみの個体の合計に対する基部のみの個体の相対的割合は,2014 年3 月と2015 年12 月に最大となり,流速と有意な負の相関があった(p < 0.05)。個体密度,および,単位面積当たりの幼体,未成熟個体,成熟個体,基部のみの個体の合計に対する幼体の相対的割合は5 月から9 月の雨季に最大となった。これらの結果は,モンスーンが環境変数を変化させ,変化した環境変数がコバモクの季節変化を制御していることを示している。コバモクの再生産は,コバモクが成熟する乾季の終わりの1 月から2 月の穏やかな低水温の海況で太陽放射の十分ある条件下で起こる。
  • ノイラクサル チダラー, マンタチトラ ヴィポジット, 小河 久朗, ルーワノモント カンチャナパシャ, 林崎 健一
    2017 年 55 巻 1-2 号 p. 25-35
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/05/19
    ジャーナル オープンアクセス
    タイ沿岸ではホンダワラ類は広く分布している。ヒラミモクSargassum oligocystum Montagne はタイ湾東岸の沿岸生態系において重要な生態学的役割を果たすガラモ場の優占種である。しかし,ヒラミモクの初期生活期段階についての情報はほとんどない。この生態学的な知見の間隙を埋めるために,成熟した野生株の生殖器托上から採取した受精卵を培養し,発育を観察した。受精卵は,まず,1 個の大きな細胞と1 個の小さな細胞の2 つに横に分割した。1 個の小さな細胞は数回の分割後,仮根となった。培養後1 日で,1 個の小さな細胞から生じた細胞は仮根を伸長させ,幼胚の基部となり,1 個の大きな細胞は,細胞分裂し,1 日で生長点になった。生長点は,7 日で第1 茎葉を,30 日で第4 茎葉を生じ,それらは披針形であった。茎葉は,60 日で披針形からへら形,90 日で広いへら形になった。半透明の光取り込み窓を持つ屋外の屋根の下に置いた,海水または尿素を4gt-1の割合で溶かした海水で満たした500L のグラスファイバー製のタンクで3 か月齢の幼体を培養した。この2 培養条件下で幼体を5 週間培養したところ,海水で培養したヒラミモク幼体の週ごとの比成長率は,尿素を混ぜた海水で培養したヒラミモク幼体よりも常に高かった。これは,ヒラミモクが,栄養塩の少ない環境に適応している種であるためと考えられる。
  • 村瀬 敦宣, 宮崎  佑介, 茂木 正人, 河野 博
    2017 年 55 巻 1-2 号 p. 37-51
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/05/19
    ジャーナル オープンアクセス
    東京湾奥の京浜運河にある垂直護岸において,魚類群集の長期的変動を調査するために異なる時間スケール(10 年および1 年単位の4 期間:1993-1994 年;2004-2005 年;2005-2006 年;2006-2007 年)で集魚灯を用いた魚類の経月サンプリングを行った。魚類群集のパラメーターは1 年単位では変動しなかったが,そのうちいくつかは以下のような10 年単位での有意な変動が認められた:海水魚種の種数の有意な増加に伴って群集全体の種数が増加した;海水魚種の相対的な密度が有意に増加するとともに,河口魚種(主にマハゼが優占)のそれは低下した。海水魚種の種数の増加は,近年の東京湾奥の水質改善に起因すると考えられる一方,河口魚種の密度低下は,近年の調査地周辺の都市化に伴う環境悪化によるものと推測された。以上のことから,今日において調査地周辺は,河口魚種の真の生息場所ではなく,湾奥に残された干潟環境などの生息域間を移動する際の通過場所になっていることが示唆された。
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