ホンジュラスの政権与党である国民党は、憲法で禁止されていた再選を最高裁に対する異議申し立てを通して可能にした。それにより第2期目のエルナンデス政権が誕生した。しかし、この再選は憲法違反とする市民の強い批判に加えて、大統領や政権幹部、国民党も絡んだ汚職問題や無処罰への批判により、市民による反汚職、反政権の抗議行動が発生し始めた。その特徴として、それまでは政治に対する関心が比較的薄く、従来はこうした抗議活動には参加しなかった一般市民が、SNSなどを通じてつながり、社会正義をかかげて参加しているという点が指摘できる。
本稿では第1期のエルナンデス政権のガバナンスを振り返ると共に、任期中に発覚した数々の汚職問題、軍・警察の腐敗問題と、市民から憲法違反と批判されながら国民党の強引な手法で実現した大統領の再選問題を取り上げる。そしてそれに対して社会正義を問い抗議活動を行うホンジュラス市民社会の活動を概観する。
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