本研究の目的は国内の海水淡水化施設を対象にCO
2や水消費、ライフサイクルコストを評価すること、さらに計画値と実測値を基に両者の差異を測定することである。評価の結果、環境負荷とコストは計画値よりも実測値の方が1m
3あたりの負荷は大きいことがわかった。ライフサイクルCO
2の大部分は電気に由来し、水消費では化学製品による間接的な負荷が全体に大きな影響(CO
2:95 - 99%, 水消費:50 - 95%)を与えていることがわかった。これは沖縄における電気が石炭火力、福岡が天然ガスを用いた火力電力を用いている影響に由来し、水消費は逆浸透膜洗浄のための化学製品による影響に由来する。また、稼働率の低い(8%)沖縄における機能単位あたりの実測値のライフサイクルコストは計画値の5.5倍となることがわかった。最後に既存研究との比較及び感度分析の結果から本研究と既存研究との整合性が見られ、電源構成の変更によりCO
2の削減が可能であることが示された。
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