日本LCA学会誌
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目次
巻頭言
特集「地域レベルで考える持続可能性」
解説
  • 芦名 秀一
    2021 年 17 巻 3 号 p. 150-159
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/07/26
    ジャーナル フリー

    現在の社会経済システムを持続可能な姿に転換していくためには、社会、経済、技術等さまざまな要素について対策を検討し、社会を構成するさまざまなステークホルダーが協力しながらその対策を実施していくことが肝要である。統合評価モデルは、多様な要素の整合性を確保しながら将来の持続可能社会に向けた技術・政策等の対策を評価する手法のひとつであり、地域での気候変動対策分析(脱炭素化)へ応用した事例では、高効率機器の導入などの技術的対策に加えて、住み替えも含む土地利用・都市構造変化やバイオマス・産業排熱等も含む地域資源を活用した地域エネルギー事業導入なども重要であることを明らかにすることができているなど、地域の持続可能社会実現に向けた対策検討においても有用な知見を提供しうるものである。統合評価モデルを用いた地域での技術・政策評価には、社会、経済、エネルギー、資源ストック、地域資源などさまざまなデータが必要となるが、地域のエネルギー需給や CO2 排出量の現況把握に向けた研究の成果や、対象地域と類似した特徴を持つ地域の先行事例を参照するなどにより、データに関する制約を克服し、地域の持続可能社会に向けた計画づくりに活用することで、取り組み相互が整合的であり、かつ地域資源を最大限に活用した将来の道筋の検討と提案につながると期待される。

  • 渋澤 博幸, 米光 結衣
    2021 年 17 巻 3 号 p. 160-166
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/07/26
    ジャーナル フリー

    水は社会経済活動に不可欠な資源であり、社会資本のなかでも安全・安心な水資源・インフラ整備は重要な政策課題である。近年の気候変動に伴う台風や集中豪雨等により水害が多発化している。その経済的な被害は、サプライチェーンを介して広範囲に広がり長期化する傾向にある。水害リスクの評価においては、水害発生時の直接的な被害に加えて、被災後の間接的な被害の把握が重要である。本稿では、洪水等の水害がもたらす時空間的な経済被害の推計方法を提案する。九州の矢部川流域と筑後川流域を対象に、想定される水害リスクが、流域や周辺地域の生産活動に及ぼす経済被害を評価する。

総説
  • 竇 毅, 兵法 彩, 諏訪 出, 兼松 祐一郎, 菊池 康紀
    2021 年 17 巻 3 号 p. 167-173
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/07/26
    ジャーナル フリー

    2050 年までの脱炭素化目標を達成するには、最先端な要素技術の早期導入と普及に力を尽くさなければならない。しかし、期待されている多くの要素技術はまだ開発中であり、その実用化が見込まれても、実装においてはその脱炭素化効果に不確実性がある。そのため、これらの有望な要素技術に対して、大規模な導入の前に技術の経済性・環境性に関する早期の技術アセスメントを行い、技術開発の熟度、技術の変化、スケールアップ等の技術特性を考慮した上で、不確実性を抑えながら技術普及へのロードマップを策定すべきである。近年では、技術の将来性を配慮したプロスペクティブライフサイクルアセスメント(Prospective Life Cycle Assessment)を用いた事例研究が増え、開発中の技術に対する環境影響を予測することを目指している。本稿では、これらの既往研究を調査する上で、プロスペクティブ LCA 手法の内容と課題をまとめ、新興技術の地域への社会実装の視点から技術評価の在り方と期待について論じる。

研究論文
  • 兵法 彩, 菊池 康紀
    2021 年 17 巻 3 号 p. 174-192
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/07/26
    ジャーナル フリー

    基礎自治体では、少子高齢化や気候変動、生物多様性への対応など複雑化する社会課題の解決に向けて、地域特性を活かした施策設計・展開が求められる。地域産業連関表は特性分析や経済波及効果分析による直接・間接効果の把握における有用なツールのひとつであるが、基礎自治体のほとんどで整備・活用されていない。本稿では基礎自治体単位の地域産業連関表の作成実績に関する調査と、行政職員数から算出した作成負担率に基づいて、行政機関における作表フローを構築することを目的とする。実態に関する調査の結果、直近 5 年間の市町村産業連関表の作成実績は 167 市町村で全体の 9.6%と限定的となった。作成負担率による分析では、9 割以上の基礎自治体では単独で作表を実施するのは困難であることが示唆された。しかしながら、地域産業連関表の継続的な作表には行政機関の関与が必須であるため、地域の実情に応じた効率的な手法選択・外部機関との連携が重要であると結論づけた。

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