蝶と蛾
Online ISSN : 1880-8077
Print ISSN : 0024-0974
46 巻, 4 号
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  • 原稿種別: 表紙
    1995 年 46 巻 4 号 p. Cover1-
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1995 年 46 巻 4 号 p. App1-
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1995 年 46 巻 4 号 p. App2-
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1995 年 46 巻 4 号 p. App3-
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 顔 聖紘, 穆 家宏, 〓 家龍, 吉本 浩
    原稿種別: 本文
    1995 年 46 巻 4 号 p. 175-184
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    台湾には2種のアゲハモドキ(Epicopeia mencia Moore,オナガアゲハモドキとE.hainesii matsumurai Okano,アゲハモドキ)が分布する.それらは日本や中国で生活史が分かっているものの,台湾では充分に調べられていなかった.私達は1992年から1993年にかけて,これら両種の台湾での生活史を調べることができたので,ここに報告した.Epicopeia mencia Mooreオナガアゲハモドキ食樹はニレ科のアキニレ.これは中国および日本(対馬)で知られる食樹と同じである.卵は食樹の葉の裏面にまとめて産み付けられ,幼虫は終齢(6齢)まで白色の蝋状物質をまとう.蛹化は白い蝋物質で覆われた柔らかい繭内で行なわれる.成虫は4月から10月まで見られ,年2-3化.台湾全土の標高500-2,000mまでの常緑カシ帯に分布するが,食樹の分布に限定されて局所的である.Epicopeia hainesii matsumurai Okanoアゲハモドキ私達の確認した食樹はミズキ科のミズキ,クマノミズキ,ヤマボウシで,日本での記録と同じである.卵は,前種同様,食樹の葉裏にまとめて産み付けられ,前種よりやや小さい.幼虫は終齢(6齢)まで白色の蝋状物質をまとうが,3齢以降の蝋物質の分泌は前種よりも多く,いくつかの体節では細い毛束状,蛹は前種よりもスマートである.成虫は4月から10月まで見られ,年2化.台湾の北部,中部,東部の標高500-2,000mまでのいくつかの産地に限って分布する.
  • 有田 豊, Oleg G. GORBUNOV
    原稿種別: 本文
    1995 年 46 巻 4 号 p. 185-205
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    本報告はイギリス,オックスフォード大学博物館に保存されているホープ昆虫コレクションの中の東洋区からもたらされたスカシバガ科のMelittia属の7種のタイプ標本を再検討したものである.これらの内chrysogaster,rutilipes,siamica,strigipennisの4種類はWalkerによって,astarteとphorcusの2種はWestwoodによって,またhumerosaはSwinhoeによって記載されたものである.これら7種のタイプ標本とゲニタリアを図示し,再記載して種名を検討した.Melittia phorcus(Westwood)(Figs 1-4,20,24)インド中部からの1♀の標本によって記載された.♂は知られていない.M.chalciformis(Fabricius),M.dichroipus Hampson,M.leucogaster Hampson,M.notabilis Swinhoe,M.sangaica Mooreなどに外見は似ているが,中室外方透明紋の大きさや後脚脛節の毛束の色彩などで区別される.M.humerosa Swinhoe(Figs 5-6,21,25)"North China"から1♀で記載された本種は,すでに中国上海から記載されたMelittia sangaica Moore,1877のシノニムとされた(Spatenka et al.,1993).今回タイプ標本のゲニタリアを精査したところsangaicaとよく一致した.この種は本邦にも別亜種nipponicaが産することが知られている.M.rutilipes Walker(Figs 7-8,22,26)ウォーレスによって採集された標本のようで"Batchian"のラベルとともに"Wallace"のラベルがある.外見からはDesmopoda bombiformis FelderやM.moluccaensis Hampsonに似ているが明らかに後脚脛節の毛束の色彩が異なる.M.siamica Walker(Figs 9-10,18)Siam(タイ)で得られた1♂によって記載されたやや小型のMelittiaである.東洋区に分布しているM.gorochovi Gorbunov,M.newara Moore,M.callosoma Hampson,M.indica Butler,M.kulluana Moore,M.proxima Le Cerf,M.staudingeri Boisduvalなどに外見が非常に良く似ているがいずれの種類からも中室外方透明紋の形,胸部背面の色彩,後脚脛節の毛束の色彩,腹部腹面にある細い帯などで区別される.M.chrysogaster Walker(Fig 11-12,27)スラウェシ島の1♀によって記載された.M.batchiana Le Cerfに最も良く似ているが,中室外方透明紋や腹部腹面の色彩が異なる.M.strigipennis Walker,sp.rev.(Figs 13-14,19)インドネシアのGilolo島(Halmahera島)で得られた("Wallace"のラベルがある)1♂によって記載された本種はその色彩からM.eurytionのシノニムとされていた.今回,本種のタイプ標本のゲニタリアを精査したところM.eurytionと異なることが判明したので,種strigipennisを有効名として復活させた.M.astarte(Westwood)(Figs 15-16,23,28)インド中部で得られた1♀によって記載された本種は前翅に透明な部分がなく,完全に鱗粉に覆われており,東洋区のMelittia属としては大変ユニークな種である.おそらく中東(旧北区)のM.gephyra Gaedeや熱帯アフリカ(エチオピア区)のM.abyssiniensis Hampson,M.ectothyris Hampson,M.houlberti Le Cerfなどに近縁な種類であると思われる.
  • 顔 聖紘, 〓 家龍, 蘇 錦平, 猪又 敏男
    原稿種別: 本文
    1995 年 46 巻 4 号 p. 206-208
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    台湾のLanyu(かって日本名で紅頭嶼と呼ばれた)からウスコモンマダラのフィリピン亜種Tirumala limniace orestilla Fruhstorfer,1910の♀記録し,同地域のファウナに新たに加えた.この折りに,台湾本島に分布する同種原名亜種T.limniace limniace(Cramer,[1775])を含めた同属3種の分類上の問題点を指摘した.
  • 佐藤 力夫
    原稿種別: 本文
    1995 年 46 巻 4 号 p. 209-227
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    本報は,大阪府立大学(1981,1983,1985,1987)と国立科学博物館(1987)が実施したタイ国鱗翅類調査によって得られた資料に基づく,シャクガ科エダシャク亜科Boarmiini族に属する種の記録で,1991年の報文に次ぐ第2報にあたる.前報では,3大属Hypomecis,Cleora,Alcisの34種を記録したが,本報では従来Medasina属として扱われた種を中心に新たに12属を取り上げるとともに,Alcis,Hypomecis両属についてもその後得られた知見を追加し,合計42種の全標本のデータを記録した.また,関連する資料としてタイ国から未発見の2種についても言及した.族の残りの属についても順次報告していきたい.本報で記載した新種は次の3種である.Uliura kurokoi Sato(Thailand,India),Darisa peracuta Sato(Nepal,India),Coremecis stueningi Sato(Thailand,India).
  • 松本 聖子, 矢野 宏二
    原稿種別: 本文
    1995 年 46 巻 4 号 p. 228-236
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    養蜂害虫である一方,生物検定用などにも広く利用されているハチノスツヅリガの幼虫齢数は,北米とフランスの個体群について7ないし8齢であると報告されている.そこで,日本の個体群について,その点を検討することと,飼育温度による形態変化(幼虫の頭幅)を調査することを目的として本研究を行った.餌は山口市内の養蜂家より入手した巣を高温処理したのち使用した.飼育は20℃,25℃,30℃,35℃の恒温器で日長16L:8Dとし,それぞれの温度下で2世代以上経過してから調査を開始した.1.幼虫齢数頭幅の頻度分布から判断すると,20℃と25℃では8齢経過し,30℃と35℃では7齢を経過した.25℃と30℃の間にこれらの違った経過齢数を分ける温度があること,および,高温が齢数を減少させていることが判明した.0.153mmから0.408mmの頭幅の間で,飼育温度により3齢経過(20℃と25℃)と2齢経過(30℃と35℃)の差が認められたこと,1齢とその後の齢の頻度分布から判断すると,1齢における飼育温度が齢数の差を決めていると思われた.本結果により,既往知見を統一的に解釈することが可能となった.2.頭幅の測定範囲頭幅の頻度分布を経験的に正規分布とみなし,各齢頭幅の測定範囲と平均値,標準偏差を統計的に算出した.1齢の頭幅範囲は温度による差はないが,2-4齢では差が認められた.7齢経過個体群(30℃と35℃)では,各齢ともこれらの温度間で有意差がないが,8齢経過個体群(20℃と25℃)では2,4,6齢で温度間で有意差が認められた.本種は18℃以下あるいは40℃以上では発育できないため,18℃に近い20℃では差を生じ,40℃から離れた30℃では差が生じなかったと推察される.3.頭幅に対する飼育温度の影響発育適温帯を離れた温度帯で成育する動物や昆虫で,体サイズが大型化する種があることが知られている.本実験の結果,本種は約30℃が適温と判断されたが,その温度帯を離れても頭幅に明らかな差はでなかった.これは各温度帯で飼育した経過世代数が少ないためか,あるいは飼育温度がサイズに影響しないのかも知れない.4.発育発育速度をもとに算出した卵から羽化までの発育段階の理論的発育零点は5.0℃,有効積算温度は1666.7日度であった.本種は羽化後24時間以内に交尾・産卵をするので,1世代の有効積算温度は1670日度前後となる.羽化率は30℃で最大であった.発育データの結果と巣の温度から判断して,本種の発育適温は約30℃と判断される.5.その他30℃と35℃では経過齢数が1齢少なく7齢となったが,8齢経過個体群と頭幅を比較すると,7齢経過個体群の2齢頭幅は8齢個体群の3齢頭幅とほぼ一致し,それぞれ以降の齢でも同様に一致する.つまり,両個体群の最終齢ではほぼ一致する.そこで,8齢経過個体群の2齢が過剰齢(extra instar)であり,7齢経過個体群ではそれが欠けていると解釈することができる.
  • 斎藤 和夫, 阿部 東, 高橋 真弓
    原稿種別: 本文
    1995 年 46 巻 4 号 p. 237-240
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    所検の雑種第一代雄の染色体数はすべてn,28であった.また,精母細胞の第一分裂,第二分裂および中期染色体の形状には特に異常はみられないことが確かめられた.これらの核学的所見は,両者の系統的近縁性を示唆していると判断される.
  • 吉本 浩
    原稿種別: 本文
    1995 年 46 巻 4 号 p. 241-243
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    Epipsestis cortigera sp.n.を記載した.模式産地は台湾宜蘭県思源唖口(1,800m).この属は秋から冬にかけて出現するトガリバの一群で,台湾からはこれまで3種が知られていた.今回記載したものは,腹部3節背面に黒色の冠毛を持つことなどでニッコウトガリバやヒマラヤのE.castaneata(Warren)に近似するが,♂交尾器sociusが細長く角状に突出することで容易に区別できる.
  • 広渡 俊哉, 平野 長男
    原稿種別: 本文
    1995 年 46 巻 4 号 p. 244-246
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    ゴマフヒメウスキヒゲナガNematopogon robertella(Clerck,1759)は,ヨーロッパ北部からシベリア,日本の中部山岳地帯に分布している.本種が日本に分布することは最近まで知られていなかったが,Nielsen(1985)がNematopogon属の再検討の中でアメリカ国立自然史博物館に所蔵されている長野県産の2個体にもとづいて日本から記録した.その2個体はいずれも1950年代前半に中部山岳地帯で採集されたものである(1♂,上高地,19.vii.1951,六浦;1♂,志賀高原,12.vii.1953,一色).Nielsenが本種を日本から記録したのは,日本産蛾類大図鑑が出版された後で,その後も本種がまったくえられなかったこともあり,本種が日本に分布することはほとんど知られていなかったようである.そのような折,私達の一人(平野)が,1987年に長野県安房峠で本種をえていたことが明らかになったので,これによって本種が日本に分布することを再確認するとともに,Nielsen(1985)が示したヨーロッパ産の個体と,斑紋,雄交尾器などを比較した.1♂,開張14mm,長野県安曇村安房峠(1,780m),4.vii.1987,平野長男採集,大阪府立大学昆虫学研究室保管(Fig.1).前翅は茶褐色で,全体に灰白色の斑点を有すること,肛角付近の斑点がやや発達することなど.ヨーロッパ産のものと大きな差異は認められない.日本産Nematopogon属の他の2種アトボシウスキヒゲナガN.dorsiguttella(Erschoff)とウスキヒゲナガN.distincta Yasudaとは,全体的に黒っぽいこと,前述の斑点が顕著であること,明らかに小型であることなどで区別できる.雄交尾器(Fig.2)についても基本的にヨーロッパ産と差異はないと思われる.しかしながら,Fig.2E,F(矢印)に示したように,今回えられた個体にはjuxtaの基部にNielsen(1985)が"hooklike thorns"とよんだ突起が認められたが,Nielsen(1985)は本種に関してもその形状に言及していない.Nielsen(1985)が示したNematopogon属の交尾器をみると,この突起は種群を特徴づける形質になると考えられるので,今後本属の種を扱う場合,この突起の形状についても注目すべきである.
  • 青木 俊明, 山口 就平
    原稿種別: 本文
    1995 年 46 巻 4 号 p. 247-251
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    タイ北部で得られたコジャノメ属の1新種,Mycalesis inayoshiiを記載した.本種は北タイのラオス国境に近いナン地方の山地に分布し,山地常緑林に生息している.本種の斑紋は,一見M.franciscaに似るが,雄前翅表面の性標を欠き,前翅R_2脈は中室端より派生,後翅CuA_1脈は中室端の手前より派生し,その基点はM_3脈と離れるなどの特徴により,いわゆるnicotia種群に含まれる.Nicotia種群は多様な種を含むが,本種の雄交尾器は北インドから北ビルマ(ミャンマー)に分布するM.mestraによく似ており,明らかに近縁であると考えられる.しかし,本種の斑紋は裏面の眼状紋が減退すること,外縁部が黄褐色であることなどにより,一見してM.mestraと区別出来る.
  • 船越 進太郎
    原稿種別: 本文
    1995 年 46 巻 4 号 p. 252-254
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    クロシマカラスヨトウAmphipyra okinawensis Sugiの卵形態を記載するとともに日本産8種の卵の直径と成虫の前翅長との関係を比較した.その結果,クロシマカラスヨトウの卵の直径は776.1μm,卵の高さは583.1μmであり,この属の中では比較的小さな卵であった.卵には精孔部周辺から19-21本の縦隆起線が放射状に広がるが,シマカラスヨトウの33本,オオシマカラスヨトウ31本に比べると少なく,線の間隔は開いていた.卵は黄褐色の地色に上部と側面下部が円状に暗褐色となり,この卵斑紋様はオオシマカラスヨトウの卵と似ていた.精孔部付近の卵弁の形は不規で他の種と異なる特徴を示した.卵の直径/成虫の前翅長(μm/mm)を求めたところ,クロシマカラスヨトウは33.7となり,オオシマカラストウ24.4,シマカラスヨトウ28.5に次いで小さな値となった.このことから,クロシマカラスヨトウはオオシマカラスヨトウ,シマカラスヨトウとよく似た卵の生産力をもつと推定された.
  • 井上 寛, Dieter STUNING
    原稿種別: 本文
    1995 年 46 巻 4 号 p. 255-259
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    本文で記載したO.puncticulosaという小型の新種は,一般に知られている大部分の同属種とちがって,雄触角が櫛歯状(シロツバメエダシャクなどごく少数に知られている),後翅外縁が丸く,尾状突起がない(この点ではボルネオのO.incaudata Warrenに似ているし,台湾から記載されたO.flavovirens InoueやO.variolaria Inoueでは突起がごく弱い),前翅に2本,後翅に1本の横線が完全に欠除し,裏面に灰色点を散布するなど,この属としてはかなり異質的で,むしろ原始的な形態や斑紋をもつ種と考えられる.
  • 原稿種別: 付録等
    1995 年 46 巻 4 号 p. App4-
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1995 年 46 巻 4 号 p. App5-
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 目次
    1995 年 46 巻 4 号 p. Toc1-_ii_
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1995 年 46 巻 4 号 p. App6-
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1995 年 46 巻 4 号 p. App7-
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    1995 年 46 巻 4 号 p. Cover2-
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    1995 年 46 巻 4 号 p. Cover3-
    発行日: 1995/12/10
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
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