蝶と蛾
Online ISSN : 1880-8077
Print ISSN : 0024-0974
47 巻, 1 号
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  • 原稿種別: 表紙
    1996 年 47 巻 1 号 p. Cover1-
    発行日: 1996/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1996 年 47 巻 1 号 p. App1-
    発行日: 1996/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1996 年 47 巻 1 号 p. App2-
    発行日: 1996/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1996 年 47 巻 1 号 p. App3-
    発行日: 1996/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 佐藤 力夫
    原稿種別: 本文
    1996 年 47 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 1996/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    フィリピンのミンダナオ島から得られた標本を調べ,次の7新種を記載した.いずれもシャクガ科エダシャク亜科Boarmiini族の仲間であり,現時点で同島からのみ発見されている.Chorodna mindanensis Satoマレーからスンダランドにかけて広く分布するC.complicataria(Walker)に近縁だが,やや小型で,後翅の外縁がより強く屈曲し,前翅の横脈紋がやや大きい.Ectropis pectinata Sato♂触角が両櫛歯状である点で,同属の他種と区別される.♂交尾器の形態は,ルソンから記載されたE.schintlmeisteri Satoに近縁であることを示している.Ectropis cernyi Sato E.bhurmitra(Walker)とE.consentanea Satoに似るが,♂触角の繊毛はより長い.また♂後脚脛節のhair-pencilを欠く点は,consentaneaと同様である.Aids perplexa Sato,A.kitangladensis Sato,A.mindanalis Sato,A.antinda Sato以上4種は,いずれもインドから記載されたA.variegata(Moore)に近縁で,交尾器の形態が互いによく似ており区別が難しい.むしろ外観の差異が同定に役立つ.今後インド・オーストラリア地域に分布するvariegataグループに属する多くの種の分類学的再検討が必要である.
  • Oleg G. GORBUNOV, 有田 豊
    原稿種別: 本文
    1996 年 47 巻 1 号 p. 10-12
    発行日: 1996/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    タイワンモモブトスカシバMelittia formosana Matsumura,1991は最初台湾で得られた1♂の標本で記載されたが,Arita and Yata(1988)によって奄美大島にも分布していることが明らかとなった.その時の記録に,"本種の食草は確かめることはできなかったが,ケカラスウリTrichosanthes rostrataと思われるカラスウリの周りを飛んでいる2♀とその葉上に止っている1♀を採集した"(Arita and Yata,1988:258)としてケカラスウリが食草であることを予想した.しかし本種の食草は依然不明であるとしていた(Arita,1994).1994年9月に著者らは奄美大島でスカシバガの調査を行なった.その折ケカラスウリの地上部に近い所に3つの虫瘤を発見した(Fig.1).その虫瘤から1♀(Fig.3)が4月5日に,1♂(Fig.2)が4月25日に羽化し,ケカラスウリがタイワンモモブトスカシバの食草であることを確認した.
  • 吉松 慎一, Marton HREBLAY
    原稿種別: 本文
    1996 年 47 巻 1 号 p. 13-16
    発行日: 1996/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    現在著者のうちの一人,吉松はタイ産のMythimna属の分類学的研究を行っているが,その第一報として一新種の記載を行った.今回記載されるのはMythimna(Hyphilare)moriutii sp.nov.で,インド,ネパールに産するM.distincta(Moore,1881),M.speciosa(Yoshimatsu,1991)と台湾産のM.hannemanni(Yoshimatsu,1991)に近縁である.しかし,これらの種とは前翅斑紋,雌雄交尾器形態で識別できる.
  • 津吹 卓, 滝澤 達夫
    原稿種別: 本文
    1996 年 47 巻 1 号 p. 17-28
    発行日: 1996/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    モンキチョウの飛翔活動性を,1986-90年の8月に5日間,第1調査地である長野県東部町湯の丸高原の草原(海抜約1,750m)で6:00-17:00に調査した.方法は10分おきに,環境条件として気温・照度・幅射熱(温度計のアルコール球の部分を黒く塗ったものを日向におく)・湿度を測定し,一定空間を飛翔するモンキチョウの個体数を数えた.さらに1987-90年の8月に6日間,捕獲した個体の体に触れないようにして10秒以内に腹面から胸部に熱電対(直径0.5mm)を刺し,デジタル温度計で体温を測定した.また,長野県上田市郊外の草原(海抜約650m)を第2調査地とし,1987年8月の3日間に7:00-18:00の間,上記と同様に気温・照度・飛翔個体数を記録した.これらの結果を比較し,両地域におけるモンキチョウの飛翔活動性の相違を体温の観点から考察した.湯の丸高原での飛翔活動には決まった日周活動性は見られないが,照度・輻射熱・気温の降下時には飛翔個体数も減少した(図1-2).この理由は体温が飛翔に適した範囲よりも低くなるからなのであろう.一方,上田では照度・気温は単峰型なのに対し飛翔活動は午前と午後にピークを持つ双峰型になった(図3).このとき飛翔活動が抑えられているのは気温が高いときよりもむしろ高照度のときであり,12:00-14:00で飛翔活動と照度の間に負の相関の傾向がみられた.照度が高いとき飛翔できないのは,輻射熱により体温が飛翔に適した範囲を越えるためなのであろう.湯の丸高原で8月に日向を飛翔する個体の体温は25-30℃であったが(表1),これはモンキチョウ属の自発的活動温度帯の下限(28-30℃;Watt,1968)よりも低く,平地で秋季に飛翔するモンキチョウの体温(田下・市村,1995)と一致する.なお曇のときや日陰での飛翔個体の体温はさらに低く,23-24℃であった(表1).また体温は輻射熱や気温とではなく,照度と正の相関の傾向が見られた(図4-6).この理由は,測定したのが黒色輻射熱であり,夏型では輻射熱がこれほどには吸収されなかったためかもしれない.さらに,飛翔活動の下限では気温と照度が拮抗的に働いているようで(図4),体温は気温が低いときは主に照度(実際には輻射熱であろう)により,また照度が低いときは主に気温により維持されるようである.結局,飛翔活動は輻射熱や気温に維持された体温の高さによりコントロールされていると考えられる.湯の丸高原において,どのような環境条件のときに飛翔活動が盛んになるのかを照度・輻射熱・気温について調べてみると,日によって条件は異なっていた.そこで,1日ごとに「ある範囲において測定された環境条件の回数」に対する「その範囲で飛翔した個体数」を出してみた(表2-4).その結果,飛翔可能な環境条件の範囲においては,その日に起きた環境条件が多いところで飛翔個体も多く見られることが分かった.高原では環境条件は激変するために飛翔に適した環境条件は不安定であり,チョウは飛翔したいときにいつでも飛べるとは限らない.その結果,飛翔活動は飛翔できる限られたときに集中し,そのために快晴時に平地で見られる日周活動性とは異なったパターンとなって現れるのであろう.亜高山帯に生息するチョウ類の飛翔活動性を見てみると,湯の丸高原でのベニヒカゲは,高原でのモンキチョウと同様に照度に強い影響を受けるが,主たるピークは見られない(池尻他,1980).同じ特徴がタカネヒカゲ・ミヤマモンキチョウ(小川,1989),ベニヒカゲ・クモマベニヒカゲ(小川,1990,1991,1992,1994)でも見られる.一方,ミヤマシロチョウ(三石,1978)は,平地でのモンキチョウと同様,双峰型の日周活動性を示す.ミヤマシロチョウの飛翔活動の可能な上限の体温は低いのかも知れない.モンキチョウは環境条件がよければ飛翔し,高地では輻射熱が弱く体温が自発的活動温度帯(Watt,1968)より低いときには,また平地では輻射熱が強すぎて体温が自発的活動温度帯より高いときには飛翔しない.高地と平地の環境の違いがモンキチョウの日周活動性において異なったタイプをもたらしているのである.メラニン色素の変異は,季節型の違いではモンキチョウ(田下・市村,1995)やオオモンキチョウ(Watt,1969)で,また種間ではモンキチョウ属の生息場所の標高差に基づいて(Watt,1968;Kingsolver,1985)知られている.また8月の,湯の丸高原での体温(25-30℃)と長野市の平地での体温(35-40℃,田下・市村,1995)に,差があるという事実がある.モンキチョウは,湯の丸高原では標高700-1,800mに広く分布し(山本,1988a),飛翔力が強いため両地域を自由にたやすく移動できる可能性は高いので,標高差に対する適応なのであろうか.一方,別の可能性としては,夏型のモンキチョウでは湯の丸高原と上田との間でメラニン色素の状態に差異があり,両地域のモンキチョウの個体群が異なる,ということも考えられる.けれども湯の丸高原の黄色型の夏型を見ると,サンプル数は少ないが,メラニン色素がとくに多いようには思えない.しかし,どういう理由にしろ体温に基づいて適した環境条件のときに飛翔を行ない,それが結果的に両地域で異なった飛翔活動性に見えるのであろう.
  • 北原 正彦
    原稿種別: 本文
    1996 年 47 巻 1 号 p. 29-39
    発行日: 1996/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    A local adult population of the nymphalid butterfly, Brenthis daphne rabdia (Butler), was studied by the mark-release-recapture method in a grassland at the foot of Mt Kayagatake in central Japan, in June and July, 1985. The number of adults captured and marked during the study period was 36 for males and 22 for females. The average number of recaptures among each research day in all recaptured adults was l for males and 1.6 for females. The rate of recapture throughout the study period was 11.1% and 45.5% for males and females, respectively. The maximum longevity observed was 21 days for males and 19 days for females. The present results suggest that dispersibility was higher in males than in females, while females showed a tendency to be sedentary. The causes of the differences in the mobility and dispersal patterns between males and females are discussed in the light of the distribution patterns of larval hostplants and adult nectar plants, and the emergence site of females.
  • 西村 正賢
    原稿種別: 本文
    1996 年 47 巻 1 号 p. 40-48
    発行日: 1996/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    Four species of the genus Graphium are treated taxonomically. Three subspecies are newly synonymized: G. agetes iponus with G. agetes; G. aristeus hainanensis with G. ar. hermocrates; G. antiphates itamputi with G. an. pomplius. G. eurous is recorded for the first time from Laos and Vietnam.
  • 矢崎 克己
    原稿種別: 本文
    1996 年 47 巻 1 号 p. 49-56
    発行日: 1996/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    ウォーレシアのZythos属はフィリピンから1種,Z.turbata(Walker)(ミャンマーからスンダランドの広分布種),スラウェシから2種,Z.erotica(Prout),Z.fastigata(Prout)(どちらもスラウェシの固有種)が知られていた.本文ではフィリピンからZ.clypeata sp.n.,Z.modesta sp.n.の2新種を記載し,Z.strigata(Warren)(スンダランドの広分布種)を初めて記録した.これらの6種のうち,turbata,erotica,clypeata sp.n.,modesta sp.n.の4種は外観・雌雄交尾器形態ともによく似ているが,大きさ,色彩,前翅外横線の走り方,雄交尾器のtegumenの形状などに種の違いが表われる.他の2種,fastigata,strigataは外観での区別が容易である.
  • 山本 晃, 竹井 慎
    原稿種別: 本文
    1996 年 47 巻 1 号 p. 57-58
    発行日: 1996/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    ミンダナオ島東南部のタグブ山系よりParantica dannattiの1新亜種tagubensis subsp.n.を記載した.本新亜種はsubsp.dannatti(アポ山産が該当)ならびにsubsp.malindangensis(基産地:マリンダン山)に近似するが,両者のそれぞれとは前・後翅の翅斑に安定した相違が認められ,区別できる.
  • 松田 真平
    原稿種別: 本文
    1996 年 47 巻 1 号 p. 59-68
    発行日: 1996/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    Taxonomic status of Melitaea niphona Butler, 1878, is revised. Though it has long been treated as a Japanese subspecies of Mellicta athalia (Rottemburg) or of M. britomartis (Assmann), present examination revealed that it should be treated as a subspecies of Mellicta ambigua (Menetries). M. ambigua niphona from Japan and Korea can be separated from the continental athalia and bntomartis by the genitalia, wing pattern and morphological characters of the early stages.
  • 神原 叙子, 矢野 宏二
    原稿種別: 本文
    1996 年 47 巻 1 号 p. 69-82
    発行日: 1996/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    日本で最も普通のヨモギトリバは,成虫と幼生期の形態は記載されているが(Yano,1963),生活史の詳細は不明であった.食草のヨモギは古くから食品の一部や医療用に使用されてきた一方で,雑草としても顕著である(沼田・吉沢,1975).また,本種には未記載種を含めて近似種が多く,詳細な生物学的知見は,今後の本種群の分類学的研究にも必須であり,これら基礎,応用両面を視野に入れて本研究を実施した.野外調査は山口市内で1994年4月から12月まで実施し,季節消長の調査は10日間隔で幼虫を採集した.飼育は恒温器を使用して温度別に行った.1.幼虫の齢数野外個体群と飼育個体群(25℃)の幼虫頭幅の頻度分布から,本種幼虫は5齢を経過すると判断した.この分布を経験的に正規分布とみなし,各齢頭幅の測定範囲,平均値,標準偏差を統計的に算出して,以下の調査項目における齢判定の基準とした.2.季節消長定期調査による各齢幼虫の個体数割合から季節消長を判断した.12月下旬の3-4齢幼虫と4月上旬の5齢幼虫のピークから判断して本種は3ないし4齢幼虫で越冬すると思われる.4月と5月における5齢幼虫の発生状況から,3齢幼虫の最初のピークが第1世代のものと判断すると,第6世代が10月上旬から11月下旬に発生し,越冬することになり,5ないし6世代の発生と推定されるが,この点は下記の発育の項目で関連して検討する.3.幼虫の巣1)営巣.野外調査の結果,1齢幼虫は営巣せず,2齢,3齢,4齢,5齢もそれぞれ67%,27%,21%,13%の個体が営巣していなかった.1齢幼虫は飼育でも営巣しなかった.2齢以後の幼虫は,巣を離れて移動することがあり,とくに5齢幼虫は巣外で蛹化するので,これらの移動個体が上記の巣なし個体数割合になっていると思われる.2)巣の形態.幼虫の巣は1ないし5枚の小葉(ヨモギの葉は深く裂け,3ないし7個の小葉状に分かれるので,その部分を便宜上小葉と表現する)をテント状に形成するが,齢の進行に伴って使用小葉数は増加した.3)巣の大きさ.巣の長さと幅を基準として測定すると,齢の進行に伴い,巣は大きくなった.4)共有巣.野外で採集した430個の巣のうち,21個が2個体の幼虫,2個が3個体,2個が4個体の幼虫が入っていた.3齢幼虫がこれら共有巣に関係することが最も多かった.1齢幼虫と3齢幼虫が共有していたのが1例,1齢幼虫3個体と2齢幼虫1個体の共有が1例見出された.後者の場合,空の卵殻が3個あったので,2齢幼虫が産卵された葉を使用して営巣したものと判断される.1齢は営巣しないので,いずれにしろ受動的な共有である.4.蔵卵数と産卵数未交尾雌の蔵卵数を羽化後5日間にわたり調査した結果,羽化当日は少なく,2日目から5日目にかけて平均55-75卵を示し,最大値は101卵であった.3日目から5日目の間では有意差がなかった.雄雌1組で飼育して産卵数を調査した結果,1日目は産卵せず,ハチミツを供餌しない区では2日目から9日目にかけて,供餌区では2日目から13日目にかけて産卵が見られ,合計80-168卵(非供餌区)と151-289卵(供餌区)の産卵があった.逐次発育型卵巣であるため,蔵卵数より多い数値を示した.5.発育所要期間若齢幼虫の発育上限温度は29℃ないし30℃であったが,5齢幼虫は30℃でも蛹化,羽化した.20℃,25℃,28℃の温度における卵,幼虫,蛹,卵-羽化の各発育段階別の発育所要日数を求めた結果,25℃では卵から羽化までに31.5日(雄)と32.6日(雌)であった.6.発育速度,発育零点,有効積算温度発育速度と飼育温度から回帰直線式と相関係数を求め,理論的発育零点と有効積算温度を算出した.卵-羽化期間の発育零点は雄で3.66℃,雌で4.14℃,幼虫は雄で0.50℃,雌で2.06℃であり,鱗翅類の中でも低い方であった.雄雌一緒にした有効積算温度は713.2日度であった.本種は20-25℃で羽化後48時間以内に交尾・産卵したので,1世代あたりの有効積算温度は750日度前後と思われる.7.世代数平均気温法により山口の年間有効積算温度を求めると4,466.1日度であり,上記の理論的有効積算温度で算出すると,年間発生可能世代数は5.95回となった.したがって本種は山口市で5ないし6回発生すると推定され,前記の野外調査による季節消長の解析と一致した.
  • 原稿種別: 付録等
    1996 年 47 巻 1 号 p. App4-
    発行日: 1996/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1996 年 47 巻 1 号 p. App5-
    発行日: 1996/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    1996 年 47 巻 1 号 p. Cover2-
    発行日: 1996/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    1996 年 47 巻 1 号 p. Cover3-
    発行日: 1996/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
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