蝶と蛾
Online ISSN : 1880-8077
Print ISSN : 0024-0974
48 巻, 2 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
  • 原稿種別: 表紙
    1997 年 48 巻 2 号 p. Cover1-
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1997 年 48 巻 2 号 p. App1-
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1997 年 48 巻 2 号 p. App2-
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1997 年 48 巻 2 号 p. App3-
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 井上 武夫
    原稿種別: 本文
    1997 年 48 巻 2 号 p. 63-64
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    ペルーでは,ミイロタテハ用トラップとして人糞,腐敗した牛血などを使用してきたため,雌が採集されることは極めて稀であり,Agrias beata beata f.beatifica Hewitsonの雌変異体は報告がない.著者はロレト州イキトス周辺での雌採集を目的に,1987年からバナナトラップの使用をひろめてきた.1996年10月14日に採集された雌A.b.beata f.beatificaは前翅長47mm,前翅表面基部と後翅中央に大きな青色斑が認められる(Figs 1,3).また,前後翅ともに緑色帯の内側には青色鱗粉が認められる.後翅の青色斑は1b室から3室および中室まで拡がり,緑色帯内側の青色とは連続していない.裏面後翅には基部から第3列黒色斑内側まで拡がる黄土色の斑紋が認められる(Fig.2).第4列からの黒色斑は痕跡として淡くなっており,A.b.beata f.beatificaの特徴を示している.後翅青色斑を伴う雌Agrias beataはペルー産として3変異体,ブラジル産として3変異体が報告されてる.ペルー産はともに山地性別亜種のもので,アマゾン低地のロレト州からは報告がない.本個体はマラニョン河下流のナウタ近郊ベサイダで採集された,初のA.b.beata f.beatifica雌変異体と考えられる.
  • 柳田 慶浩, 佐々木 公隆
    原稿種別: 本文
    1997 年 48 巻 2 号 p. 65-72
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    Adding 4 species to the previous report, 23 winter geometrids are recorded from the mainland of Kyushu.
  • 上田 達也
    原稿種別: 本文
    1997 年 48 巻 2 号 p. 73-93
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    日本からはAnarsia属に含まれる種としてA.bipinnata(Meyrick)とA.isogona Meyrickの2種が知られていた.今回日本産Anarsia属の分類学的再検討を行った結果,上記2種以外に2新種A.incerta sp.n.,A.silvosa sp.n.,日本新記録種A.protensa Park,A.bimaculata Ponomarenko,A.tortuosa(Meyrick)(新結合)の計7種が日本に産することが判明した.またA.protensaをナワシログミの果実より採集・飼育した結果,Park(1995)による雌の記載は誤同定されたA.isogonaの標本に基づいたものであることが判明した.Anarsia属の単系統性は,雄下唇鬚第3節の著しい縮小,雄交尾器のgnathosの消失,雄交尾器のvalva先端の特殊な鱗片の存在,の3つの共有派生形質によって支持された.また日本産Anarsia属を暫定的に4種群に分割した.Group AとBにおいて半円形のsociusが存在し,Group B,C,Dに雄前翅裏面に毛束が存在するが,これらの形質のどちらが真の共有派生形質であるかは決定できなかった.以下各種群を特徴付ける派生形質と,そこに含まれる種の分布と特徴を記す.Group A:雄交尾器のaedeagusに腹部前方に強く曲がるcoecumが存在する.A.isogona Meyrick,1913(Figs 1,9,10,17)ヒメマエモンハイキバガ(新称)次種およびA.protensaに似るが雌雄交尾器により識別は容易である.また雄では前胸上前側板の毛束の有無によってA.protensaと区別できる.分布:日本(本州,九州),中国,台湾,インド.A.incerta sp.n.(新種)(Figs 2,11,18)コマエモンハイキバガ(新称)前種に近縁であるが,雄交尾器において前種のvalva先端2/5が著しく細くなるのに対して,本種ではならないことから識別は容易である.また雌交尾器においても第8腹板後縁中央に三角形のプレートが伸びる点や,signumの存在で区別できる.分布:日本(琉球).Group B:雄前胸上前側板に毛束が存在する.A.bipinnata(Meyrick)(Figs 3,12,19,20,21)フタクロモンキバガ前翅前縁中央および中室中央に黒班があることにより他種との識別は容易である.分布:日本(北海道,本州),韓国.A.protensa Park(日本新記録)(Figs 4,13,22)マエモンハイキバガ(新称)A.isogonaに似るが,雄前胸上前側板に毛束が存在することで区別できる.また雌雄交尾器によっても他種との区別は容易である.分布:日本(本州,九州),台湾.Group C:雄交尾器の左valvaが大きく膨らむ;雄交尾器の左valvaに長く,大きく曲がる突起が存在する;雄交尾器の右valvaに前方に曲がる突起が存在する.A.bimaculata Ponomarenko(日本新記録)(Figs 5,8,14,23)フタモンキバガ(新称)A.bipinnataに似るが,雌雄交尾器によって識別は容易である.分布:日本(北海道,本州),ロシア,韓国.A.silvosa sp.n.(新種)(Figs 6,15,24)モンハイジロキバガ(新称)前翅中央に鱗粉の隆起した黒色班があることで他種から区別できる.雄交尾器は前種に似るがaedeagusの腹面基部の竜骨状の骨片が半円形になることで識別できる.雌交尾器による前種との区別もantrumがリング状になること,signumが存在することなどで容易である.分布:日本(本州,九州).Group D:雄後翅中室に毛束が存在する.A.tortuosa(Meyrick),comb.n.(新結合,日本新記録)(Figs 7a,7b,16,25)チャイロスジキバガ(新称)琉球地域で得られた標本をイギリスの自然史博物館に保管されている完模式標本およClarke(1969)に図示された雌交尾器と比較,検討した結果,本種であることが判明した.本種はこれまで,スリランカから得られた雌1個体のみしか知られておらず,Chelaria(=Hypatima)属に所属させられていたが,今回雄下唇鬚と雄交尾器の特徴からAnarsia属に所属を初めて移した(新結合).本種は前翅が褐色であることから日本産の他種と容易に区別できる.分布:日本(琉球),スリランカ.
  • 桜谷 保之, 大橋 和典, 森田 浩文, 伊藤 ふくお
    原稿種別: 本文
    1997 年 48 巻 2 号 p. 94-96
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    An example of the aestivating site of adults of Nymphalis xanthomelas japonica was reported. Three specimens were observed aestivating on underside of wooden boards put on the forest floor (alt. 1,050m) of mountain.
  • 顔 聖紘, 岸田 泰則
    原稿種別: 本文
    1997 年 48 巻 2 号 p. 97-108
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    Herimba atkinsoni Moore,コモンマドガという蛾は,セセリチョウ科のキコモンセセリに斑紋が酷似しているだけでなく,昼行性で,蛾とは思えない変わった種である.この蛾は当初イカリモンガ科の下に記載されたが,科の所属についてはMinet(1989)がマドガ科に所属するものとの論文を発表するまで学者により見解が異なり,イカリモンガ科またはマドガ科として扱われ,一定していなかった.筆者らはこの興味深い蛾の各地の標本を検討した結果,地理的変異を認めたのでここに原名亜種の他に3新亜種を記載した.Herimba atkinsoni atkinsoni Mooreインド,ネパール,ブータン,中国(チベット)Herimba atkinsoni tienmushanensis subsp.n.中国(浙江省天目山).Herimba atkinsoni gansuensis subsp.n.中国(甘粛省夏河)Herimba atkinsoni disconjuncta subsp.n.台湾また,記載以外に台湾亜種の生態を記述したが,本種の生態についての知見は初めてであった.なお,属Herimbaの構成は属の模式種である本種のみに限定し,従来Herimba属に含まれていたtrachiaria種群はこの属から排除した.この問題については近い将来に検討を行う予定である.白斑線網蛾之分類檢討以及中國與臺灣産三個新亜種之描述(網蛾科:線網蛾亜科)(顔聖紘・岸田泰則)本文檢討一種珍奇的網蛾-白斑線網蛾之分類學,並描述産自臺灣,中國浙江省天目山及甘肅省夏河的三個新亜種.其中臺灣産亜種之生物學資訊爲首次報導.此外,根據生殖器形態的差異,我們建議将Herimba屬限定於其模式種-白斑線網蛾,並排除Herimba trachiaria種群.作者於本文中将此屬置於線網蛾亜科,但其與其它屬之系統發生関係仍未確定.
  • 松村 行栄
    原稿種別: 本文
    1997 年 48 巻 2 号 p. 109-114
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    As a result of a study in the field, it has been learned that the average size of adult Luehdorfia puziloi inexpecta population has no correlation with that of the preceding year. Rather, it is closely related to the number of the successful 2nd instar larvae in the preceding year. The study shows that the environmental factors, especially temperature to which larvae have been exposed from egg to the successful 2nd instar larva, largely affect the population size of adult insects in the following year.
  • 伴野 英雄
    原稿種別: 本文
    1997 年 48 巻 2 号 p. 115-123
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    ゴイシシジミと食物であるアブラムシとの関係を明らかにするために,野外における調査と実験を行なった.調査地は茨城県つくば市にある道路と用水路に挟まれた細長いアカマツ林である.林床にはアズマネザサが生えており,ゴイシシジミの食物となるササコナフキアブラムシが寄生している.調査は1979年春から1982年秋まで行なわれた.週に一度の割でゴイシシジミ成虫の発生状況を記録した.また,アブラムシについては春から秋にかけては週に一度の割合で,冬期は月に一度の割合でコロニー数を調査した,このとき確認できたゴイシシジミの幼虫,蛹,ゴイシシジミ以外のアブラムシの捕食者についても記録した.1983年の夏期には調査地内の観察のし易い場所を選び,アブラムシの多い時期と減少した時期でのゴイシシジミの幼虫の生存について追跡調査を行なった.さらに1984年に調査地の一部に,ゴイシシジミ除去区と非除去区をもうけゴイシシジミによるアブラムシへの捕食圧の検討実験を行なった.室内実験ではササの鉢植えを用い,アブラムシの季節ごとの増加率を調べた.チョウの個体数およびアブラムシの量は季節的に大きく変動し,毎年同様の変化のパターンを示した.越冬したアブラムシは3月頃より徐々に増加し始め,5-6月に急激に増加した.6月下旬にいったんピークに達するがその後一時減少し,再び増加して7月に最大となった.8月には急にその量は減少し9月にはピーク時の数十分の一程度にまでなる,その後少し増加し越冬に入った.冬期には量はほとんど変化せず翌春まで推移した.一方,ゴイシシジミは第一世代の成虫は5月より出現するが,個体数は少なかった.第二世代の成虫は6月下旬から7月上旬にかけて出現した.そして7月上旬から中旬にかけて最多になった.その後,成虫は急に増加し,8月上旬にはその年の最多になった.しかし,8月中に急激に個体数は減少していき,9月には少数の個体が見られるだけとなった.ゴイシシジミの幼虫の個体数は成虫の増加にともなって変化し,7月から8月に最も多く,アブラムシを激しく捕食した.9-10月になるとほとんどの個体は2齢で越冬に入り,アブラムシへの捕食は停止した.ゴイシシジミ以外にアブラムシの捕食者として,ニセマイコガ科の一種,ヒラタアブ,ヒメカゲロウの幼虫を確認した.ガの幼虫が6月にアブラムシの量にやや影響を与える以外は,これらのアブラムシに対する捕食圧は極めて小さかった.ゴシシジミ幼虫の生存追跡調査より,アブラムシの多い期間には高い率で成虫まで生育するものと考えられた.一方,アブラムシの少ない期間では孵化した幼虫の内,成虫まで生育した個体はほとんどなかった.アブラムシに対する捕食圧を確かめる実験では,ゴイシシジミ除去区では8-9月でもアブラムシは増加した.一方,非除去区ではアブラムシは急激に減少し,ゴイシシジミの幼虫によるアブラムシに対するする捕食圧はかなり強力であると結論できた.アブラムシの個体群の増加率は5-6月が一番高く,初夏の急激な増加を可能にすると考えられた.以上の結果から,本調査地におけるゴイシシジミとアブラムシの関係は次のように成り立っていると考えられる.越冬したアブラムシは3月頃より増加を始め,またゴイシシジミの幼虫もアブラムシを捕食し始める.しかし4-6月にはゴイシシジミの幼虫の個体数は少ないためアブラムシに対する捕食圧は小さい.一方,アブラムシは5-6月にその増加率が高く,急激に個体数を増加することが出来る.アブラムシはその後いったん蛾の幼虫の捕食により減少するが,再び増加し7月に個体数は最大になる.ゴイシシジミは徐々に個体数を増していき,第三世代の幼虫は個体数も多くアブラムシを激しく捕食するため,8月にはアブラムシは急激にその数を減少させる.アブラムシが減少するとゴイシシジミの幼虫は食物不足に陥り,生育できない個体が増えると考えられる.このような理由によりゴイシシジミの個体数は8-9月に急に減少する.9月になるとゴイシシジミの幼虫の多くはアブラムシの捕食を徐々に減らし越冬に入る.これによりアブラムシは捕食から解放され,食い尽くされずに残ったアブラムシは9-11月に少し増加し冬を越す.調査地で毎年観察された両種の個体数の大きな変化はこのような両種の関係で生じると考えられる.この関係が成立するためには,春から初夏にかけてのアブラムシの高い増加率と秋にゴイシシジミ幼虫が越冬のため捕食を停止することが重要であると考えられる.本調査地はゴイシシジミの生息地としては規模が大きく,アブラムシが食い尽くされずに毎年部分的に残った.しかし,よく見られる生息地は規模が小さく,1シーズン中にアブラムシの食い尽くしによる生息地の消滅が頻繁に見られる.ゴイシシジミは不安定な食物に依存し,生息地の消滅と出現を繰り返しながら個体群を維持していると考えられる.
  • 原稿種別: 付録等
    1997 年 48 巻 2 号 p. App4-
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1997 年 48 巻 2 号 p. App5-
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    1997 年 48 巻 2 号 p. Cover2-
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    1997 年 48 巻 2 号 p. Cover3-
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
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