蝶と蛾
Online ISSN : 1880-8077
Print ISSN : 0024-0974
60 巻, 4 号
選択された号の論文の21件中1~21を表示しています
  • 原稿種別: 表紙
    2010 年 60 巻 4 号 p. Cover1-
    発行日: 2010/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2010 年 60 巻 4 号 p. App1-
    発行日: 2010/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2010 年 60 巻 4 号 p. App2-
    発行日: 2010/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2010 年 60 巻 4 号 p. App3-
    発行日: 2010/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 船橋 勝幸
    原稿種別: 本文
    2010 年 60 巻 4 号 p. 237-244
    発行日: 2010/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    D.naisは後翅裏面の地色が茶褐色の特徴的な種で,ニューギニア島のほぼ全域に渡る山地から高地帯にかけて広く分布し,これまで多くの亜種に分割されてきた.一方,Roepke(1955)によって別種として記載されたD.zebraは,西パプア(前のイリアンジャヤ)のWamena市を中心とした比較的狭い地域において前者と同所的に知られ,後翅裏面の翅脈沿いに白色鱗粉を表すことが主な区別点とされる.今般,西パプアのYohosinから両者の中間的な特徴を有する多数の標本がもたらされ,検討の結果,D.zebraはD.naisの地方的表現型(endemic phenotype)であると判断した.すでにParsons(1999)はパプアニューギニアから少数の事例に基づいてこのことに言及しているが,分類学的な整理はされておらず,本報文でD.zebraをシノニムとして取り扱った.著者が調査を行ったYohosinはWamena市の東南に位置し,同市を含むBaliem Valley一帯とは深い峡谷などで隔てられることはなく,両者は連続的な地域である.他方,Yohosinの東側にはMt Elitという標高約3,600mの急峻な山岳からはじまった中央山脈がパプアニューギニアとの国境を越えて連なっている.著者の知る限り後翅裏面の翅脈沿いに白色鱗粉を明瞭に表す個体群の東限は,このYohosin周辺であり,また,それより東側の生息地は知られていない.すなわち"zebra型"の分布の東限において,パプアニューギニアから連続する"nais型"と区別のできない中間型の発現頻度が極めて高く,その集団が東側の個体群と概ね分断されている可能性が示唆される.D.naisの後翅裏面の斑紋はニューギニア島産の山地性カザリシロチョウの中でも比較的シンプルで,次の3つの要素から構成される.1)中央の黒斑(median black patch)の大きさ,2)翅脈に沿った鱗粉の色彩とその発達程度,3)これらに占領されない残りの地色部分,である.この斑紋はごく一部の生息地を除いて地理的に安定しておらず,個体による変異性が非常に高いが,いずれの斑紋も強く翅脈に依存していることは明らかで,翅脈形成にともなった変異機構であると考えられる.なお,その適応意義についてはまだ不明である.
  • 福田 晴男, 美ノ谷 憲久, 新川 勉
    原稿種別: 本文
    2010 年 60 巻 4 号 p. 245-251
    発行日: 2010/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    The subspecies division of the Japanese population of Neptis pryeri Butler is revised. Through the analysis of wing maculation and mtDNA (ND5), a new subspecies N. pryeri kiiensis is described for the population ranging on the lime stones and rocky areas of the Kii Mountains in the Kii Peninsula, to which N.p. iwasei Fujioka, 1998 has so far been applied.
  • 千葉 秀幸, 築山 洋
    原稿種別: 本文
    2010 年 60 巻 4 号 p. 252-254
    発行日: 2010/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    マレー半島からは従来3種,Scobura phiditia,S.isota,S.woollettiが記録されていたが,第4の種S.cepahalaが見つかったので報告する.それに伴い,マレー半島の図鑑(Eliot,1992)の種の検索表を訂正した.
  • 大久保 潔
    原稿種別: 本文
    2010 年 60 巻 4 号 p. 255-258
    発行日: 2010/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    インドネシア,スンバワ島よりElymniasの一新種Elymnias tamboranaを記載した.本新種は隣のフローレス島より知られるE.detaniiに似るが,表面,裏面の亜外縁斑紋列が前後翅ともにより発達していること,前翅表面第1b室の斑紋は二分割されないこと,さらに後翅表面に中室端に接して第4室基部に明瞭な斑紋を有することなどで容易に区別できる.あわせてE.vitelliaのブル島亜種viminalisをはじめて図示した.
  • 矢後 勝也, 宮川 崇, 横山 潤, Mark WILLIAMS
    原稿種別: 本文
    2010 年 60 巻 4 号 p. 259-267
    発行日: 2010/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    ベニシジミ亜科(あるいはベニシジミ族)で唯一の中米種であるグァテマラクロベニシジミは,メキシコ南部からグァテマラの高標高地にのみ生息し,北米に産するベニシジミ類16種とは近縁性が見られない稀種である.そのため,本種の進化や系統地理の解明は非常に興味深いが,この不可思議な分布の謎を解くのに重要な系統学的,生物地理学的研究の基礎となる生態情報や幼生期の形態情報がほとんど知られていない.そこで筆者らは,本種の生活史解明を目的として2005年と2006年の2度にわたり,グァテマラ高地において本種の幼生期および成虫の探索を行った.その結果,現地での袋掛け飼育による蛹期を除く全ステージの野外観察,撮影に成功した.全幼生期および♀成虫の図示,さらに幼生期の記載はおそらく本稿が最初となる.本種は深い低木林に囲まれた浅い峡谷の山道沿いにある放牧地周辺や草地,伐採地あるいはその脇のブッシュに生息し,♂は午前中に地面近くをゆっくり飛翔,水たまりや馬の糞尿で吸水する姿が目撃され,午後になると低木上で占有行動が見られた.♀は♂よりも個体数は少なく,食餌植物の近くで終日観察された.また野外観察から本種は多化性であることが示唆された.本種の卵はchorionic cellが小さくchorionic ridgesが厚い点で,ウラフチベニシジミ属の種にやや似る.幼虫は若齢時でより扁平で,終齢ではやや筒状かつ細長くなる点で,やはりウラフチベニシジミ属の種に類似する.ただし,蛹はベニシジミやHeodes tityrusなどの真性ベニシジミ類のように全体の起伏が弱く,色彩は褐色で細かい斑点を散布する点で,黄緑色で丸く膨張した腹部を持つウラフチベニシジミ属と大きく異なる.♂成虫の翅表や♂♀両方の翅裏はパプアニューギニア固有のパプアクロベニシジミ属2種にかなりよく似るが,♀翅表の楕円形中央橙色斑の現れ方は中国西部-ヒマラヤの高地帯に固有のHelleia属グループに類似する.一方,本種の食餌植物としてタデ科のギシギシ属の一種がこれまで記録されているが,今回の調査ではタデ科のMuehlenbeckia tamnifoliaのみから卵,幼虫,♀の産卵行動が観察された.この情報から判断すると,本種と同じくMuehlenbeckia属を食するパプアクロベニシジミ属の種との近縁性が認められるが,成虫の形態でも翅の斑紋や前脚の〓節をはじめとする多くの共通した形質を本種とパプアクロベニシジミ属が持ち合わせることが知られる.総合的に見ると,本種はウラフチベニシジミ属やパプアクロベニシジミ属,中国-ヒマラヤ固有のHelleia属との類似性が認められるが,今回得られたデータから共通形質が派生的な状態であるかどうかの判断ができず,類縁関係の議論は難しい.また,上記のパプアクロベニシジミ属やHelleia属グループを含む多くの種の幼生期が図示されていないため,これらの生活史の解明が今後の課題となる.BaroniaやAnetia(最も原始的なアゲハチョウ科とマダラチョウ科)が同地域の中米に生息することから,グァテマラクロベニシジミは新世界へ中生代白亜紀-新生代第三紀に侵入した最も原始的な遺存種であるとMiller&Brown(1979)は指摘している.しかし,de Jong(2003)は化石証拠や最近の分子系統学的研究からこの仮説を疑問視している.いずれにせよ,本種が生じた歴史的背景は未解明のままであるため,今後はDNAによる分子系統解析も用いることで,ベニシジミ亜科全体の系統地理を明らかにしていく必要があるだろう.
  • 柴田 洋昭, 今福 道夫
    原稿種別: 本文
    2010 年 60 巻 4 号 p. 268-276
    発行日: 2010/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    ツマグロヒョウモンArgyreus hyperbiusとミドリヒョウモンArgynnis paphiaの食草外産卵について調べた.母蝶による産卵場所は,食草およびそれ以外のものを含むケージの中で,卵の被食率は野外の自然条件下で調べた.ツマグロヒョウモンは,食草にも食草外にも産卵したが,石や枯れ葉よりは生きた植物に多く卵を生み,また食草近くに多く生む傾向を示した.ミドリヒョウモンは食草から離れたケージの上部に産卵した.ミドリヒョウモンの卵の被食率は地表付近で高かったことから,本種の高所への産卵習性は,地上捕食者から卵を守るために進化したものと思われた.一方,しばしば見られたマグロヒョウモンの食草外産卵については,被食回避や,産卵習性の移行の可能性を検討した.
  • 中村 紀雄, 若原 弘之, 宮本 龍夫
    原稿種別: 本文
    2010 年 60 巻 4 号 p. 277-284
    発行日: 2010/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    Faunis(ヒメワモン)属は東洋区に分布するワモンチョウの1群で9種よりなる.その7種は東洋区南部の島嶼部から知られ,その中でF.canensだけは大陸部にも分布を拡げている.大陸部には他に2種が知られ,その1種F.aeropeは本属の最大種である.Monastyrskii(2004)によると種F.aeropeは西南中国およびベトナム北部に分布する名義タイプ亜種群とラオスおよびベトナムから知られるexcelsa/centrala亜種群に分けられる.前者では小型・前後翅裏面亜外縁の斑紋列が小さく・♂交尾器のvalvaが短いのに対し,後者では大型・上記斑紋列が大きく・valvaが長い.著者らは2007年以来ラオス第3の高峰Phou Samsoum(標高2620m)の山域で蝶類の分布調査を行っているが,その過程で大型・前後翅裏面亜外縁の斑紋列が大きい・♂交尾器のvalvaが短い特徴を持つF.aeropeの個体群を発見した.上記の他にも♂♀前翅表面先端-外縁部の黒褐色帯が幅広いなどの名義タイプ亜種との差異が認められるので,新亜種F.aerope montanaとして記載した.ランの1種(Coelogyne sp.)の葉上で終齢幼虫が発見され,この植物で飼育を続けたところ蛹化し4週間後に♂が羽化した.この幼虫は五十嵐・福田(2000)が図示したサルトリイバラ(Smilax sp.)を食するF.aerope aeropeの幼虫と背中の色彩が異なる以外は良く似ていた.本亜種は標高1900-2100mの常緑樹林帯に生息しており,地上1-1.5mの空中を緩やかに飛ぶ.他亜種に比べて高標高の山地に住むことからこの新亜種名を選んだ.ラオスより知られている亜種excelsaは小型で♂♀前翅表面先端-外縁部の黒褐色帯はmontanaと比べると不顕著で狭く,その♂交尾器のvalvaは遥かに長い.さらに,excelsaは中部ラオスの低山地(550-620m)の竹林に生息し迅速に飛翔する.これらの差異を考慮すると,aeropeとexcelsaは別種であるかも知れないとするMonastyrskii(2004)の意見は妥当であると判断される.
  • Hou-Shuai WANG, Min WANG, Xiao-Ling FAN
    原稿種別: 本文
    2010 年 60 巻 4 号 p. 285-288
    発行日: 2010/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    卵は球形に近く,直径は1380μm.産卵直後は黄色で,孵化前には黒くなる.卵殻の精孔部は少し陥没し,精孔は11個の花弁状の卵弁に囲まれる.卵殻表面には多角形の網目模様があり,隆起線の分岐点には明瞭なアエロパイルがある.
  • V. G. MIRONOV, A. C. GALSWORTHY
    原稿種別: 本文
    2010 年 60 巻 4 号 p. 289-292
    発行日: 2010/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    カバナミシャク属Eupitheciaは鱗翅目の中でも,多種を擁する属の一つであるが,Malesia地域では貧弱になり,オーストラリアやニュージーランドでは,カバナミシャク族の別属に置き換えられていく.ボルネオからは7種が記録されている(Holloway,1997).ミュンヘンの博物館にあった標本1♂を調べたら新種だったので,ここに記載する.この種はthe proterva groupに属し,外見はユーラシア種のE.centaureataに類似し,雄の第8腹板は日本のアキカバナミシャクE.subfumosaとキモンカバナミシャクE.flavoapicariaに似ているが,交尾器の形態で容易に区別される.
  • 伊藤 隆夫, 平野 和比古, 渡辺 一雄
    原稿種別: 本文
    2010 年 60 巻 4 号 p. 293-297
    発行日: 2010/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    互いに形態的に酷似している4種のOeneis属種(Oeneis norna,Oeneis polixenes,Oeneis bore,Oeneis melissa)のmtDNA(ND1)の452塩基対配列から,これら4種は互いに明瞭な独立種でほぼ同時代に分岐したことが示唆された.また,現在の所,種タカネヒカゲ(Oeneis norna)が新大陸に分布している明確な根拠はなく,このことは日本で出版された多数の図鑑の記述と矛盾することを言及した.
  • 原稿種別: 目次
    2010 年 60 巻 4 号 p. i-iii
    発行日: 2010/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2010 年 60 巻 4 号 p. iv-
    発行日: 2010/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2010 年 60 巻 4 号 p. App4-
    発行日: 2010/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2010 年 60 巻 4 号 p. App5-
    発行日: 2010/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2010 年 60 巻 4 号 p. App6-
    発行日: 2010/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    2010 年 60 巻 4 号 p. Cover2-
    発行日: 2010/03/15
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    2010 年 60 巻 4 号 p. Cover3-
    発行日: 2010/03/15
    公開日: 2017/10/04
    ジャーナル フリー
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