日本ムードル協会全国大会発表論文集
Online ISSN : 2189-5139
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選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
査読付き論文
  • ヴァンドゥーセン ブレンダン
    p. 6-13
    発行日: 2025/09/05
    公開日: 2026/03/04
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、日本の大学における外国語としての英語(EFL)授業において、反転授業モデルの中で H5P インタラクティブ動画を活用し、アクティブ・ラーニングを促進する方法を探究したものである。学習管理システムMoodle を用いて、学生は授業前にクイズやプロンプトなどのインタラクティブ要素を含んだ短い解説動画にアクセスした。本研究の目的は、学生の体験に対する認識を明らかにするとともに、今後の H5P 動画がアクティブ・ラーニングの支援にどのように活用できるかについての洞察を得ることである。動画の視聴履歴に基づく活動ログや授業後のアンケート調査、および自由記述から得られた質的データの分析により、大多数の学生がこの形式に対して肯定的な反応を示したことが明らかになった。さらに、動画の活用は学習内容の理解を深め、授業内でのアクティブ・ラーニングの機会を高める効果があることが示唆された。一方で、すべての学生が毎回動画を視聴していたわけではなく、アクセス制限機能などによるアカウンタビリティの確保が課題として浮かび上がった。本稿では、H5P と反転授業の組み合わせによる教育的効果について考察し、インタラクティブ動画を語学教育に導入する際の実践的な提案を行う。
  • ジェンキンズ アダム
    p. 14-25
    発行日: 2025/09/05
    公開日: 2026/03/04
    会議録・要旨集 フリー
    学習管理システム(LMS)である Moodle は、世界中の教育機関においてますます重要な役割を担っている。これらのプラットフォームのセキュリティ維持は最重要課題であり、サーバーインフラストラクチャやアプリケーションソフトウェアの更新に細心の注意を払う必要がある。本研究では、日本における Moodle の運営状況のセキュリティ体制を調査し、特にソフトウェアバージョン情報の公開状況と、旧バージョンが使用されている割合に焦点を当てた。126 の Moodle サイトを対象とした調査の結果、セキュリティ意識の低さが明らかになった。大多数のサイトがバージョン情報を公開しており、サポート対象外またはパッチ未適用の Moodle コードを実行していることが判明した。これらの結果は、日本の教育機関における Moodle の更新や全体的なセキュリティプロトコルに関する管理体制の改善が急務であることを示唆している。
  • 斉藤 準
    p. 26-33
    発行日: 2025/09/05
    公開日: 2026/03/04
    会議録・要旨集 フリー
    Moodle 上のインタラクティブな教材を用いたパフォーマンス評価の実装について報告する。学習者が操作することで主体的な学習を促すことのできるインタラクティブ教材は、操作ログとして表現される学習プロセスの分析によって、学習成果を適切に評価するとともに、効果的なフィードバックをリアルタイムで与えるパフォーマンス評価課題として設計できる。本研究ではその具体例として、STACK 問題タイプと GeoGebra で作成した動的シミュレーション型教材を連携させ、その操作ログを評価してフィードバックを与えるパフォーマンス課題を実装した。連携は、STACK の標準機能に JavaScript による簡易な改良を加えて行った。ログの評価には、適切なパフォーマンスの反映と思われる特徴を正規表現パターンとして定義し、ポテンシャル・レスポンス・ツリーで正規表現等価を用いて行った。これらにより、通常の教師ロールのユーザがその目的に応じて容易に導入・拡張できるパフォーマンス評価を、ラーニング・アナリティクスの応用例として具体的に実装できることが明らかとなった。
  • 斉藤 準
    p. 34-43
    発行日: 2025/09/05
    公開日: 2026/03/04
    会議録・要旨集 フリー
    JavaScript により Moodle の機能改善を図る取り組みとして,レッスン・モジュールにおけるレビュー機能の実装について報告する。レッスンは、コンテンツページと問題ページからなる教材であり、生徒のコンテンツ選択や問題解答結果によって次に遷移するページが分岐する。これにより、個別最適なシナリオ型活動の作成が可能となる。しかし、生徒の選択・解答内容やそれらに対するフィードバックを、生徒自身が後でレビューできないことは、実用上の本質的な課題である。そこで本研究では JavaScript を用いて、レッスン内の問題に対する解答・フィードバックを、同一コース内に設置したデータベース・モジュールへと自動送信・蓄積し、生徒がふたたびレッスンにアクセスした際にレビューコンテンツとして表示する方法を実装した。データベースとの連携を含む Moodle 内での JavaScriptの使用については、これまでに開発済みの手法を援用した。既存プラグインや小テスト・モジュール、 H5Pの Branching Scenario等の類似手法との比較により、教師による導入・拡張の容易な本実装独自の有効性を明らかにするとともに、課題・展望を検討した。
査読なし論文
  • 亀田 真澄, 宇田川 暢
    p. 45-54
    発行日: 2025/09/05
    公開日: 2026/03/04
    会議録・要旨集 フリー
    本稿は、2024 年度日本ムードル協会(MAJ)が支援する研究開発(R&D)プロジェクトに採択されたテーマ「複数回の小テスト受験結果に対する生成AI ツールによる個別かつ時系列的な学習データ分析」(採択通知:2024 年9 月)に関する研究開発活動について報告する。本プロジェクトでは、学習管理システムであるMoodle 上に構築された数学オンライン評価システム‘STACK’を用いて実施された小テストに対し、履修コース所属学生が複数回受験した際の最高得点データと問題文を、生成AI を用いて自動分析する手法を開発・実装した。分析には生成AI ツール‘OpenAI API’を活用している。本プロジェクトにおいては、以下の2 点を主要な研究開発活動として実施した。第一に、小テストの評価モデルと取得した得点データを基に、学生の学習進捗および理解度を時系列的に評価するモデルを設計した。このモデルにより、学生が成績をどのように向上させたか、あるいは学習上の課題にどのように直面しているかを分析可能とした。第二に、学生へのフィードバック機能を支援するプラグインの開発と実装を行った。このプラグインは生成AI を活用し、学生一人ひとりに個別化されたフィードバックを自動生成する機能を備えている。これにより、学生の学習行動を促進し、自己改善を支援することを目的としている。以上の活動を通じて、学習データ分析の精度向上を図るとともに、高等教育現場における生成AI 活用の有用性に関する知見を得たことを報告する。
  • 淺田 義和
    p. 55-59
    発行日: 2025/09/05
    公開日: 2026/03/04
    会議録・要旨集 フリー
    Moodle のデータベースモジュール(以下 DB)は、教師権限下でページのデザインやフィールド等を自由に設定し、教師・学生にエントリを投稿させることができる活動である。主体的な参加を促すための活動として利用可能であるが、1 つの欠点として、フォーラム等と異なり、エントリにコメントが付与された場合に通知が発生しないという欠点がある。今回、この課題を解決するためのプラグインを開発した。本プラグインは Moodle の基本機能のみを利用した拡張となっており、メンテナンスが行いやすい。また、用語集や小テスト問題バンクなどにも拡張可能性をもつ。
  • ジェンキンズ アダム
    p. 60-64
    発行日: 2025/09/05
    公開日: 2026/03/04
    会議録・要旨集 フリー
    本稿では、Moodle 学習管理システム(LMS)向けに開発した新しいローカルプラグインについて詳述する。このプラグインは、表示設定をユーザーが細かく制御できるようにすることで、アクセシビリティの向上を目指したものである。既存の Moodle におけるアクセシビリティ機能、例えば「アクセシビリティブロック」などは、カスタマイズの自由度が低く、実装にも課題が残る。そこで本プラグインでは、より包括的かつ使いやすいソリューションを提供し、学習者がそれぞれのニーズに合わせてコースコンテンツの視覚的表現を調整できるよう支援する。本稿では、その設計意図、プラグインの機能、そしてインクルーシブラーニングへの貢献の可能性について述べる。
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