徳之島において,2020年4月から2024年4月にかけて,オリイジネズミCrocidura oriiの生体を3例観察した.2009年以降,野外での生息記録が得られていなかった本種の野生個体の観察記録は非常に貴重な事例であり,今後の本種における保護対策構築の基礎資料となる.
生体観察3例から,オリイジネズミが昼夜ともに活動することや鳴声を発することが記録され,生息環境には落葉の存在が重要であることが示唆された.
過去の本種の生息記録について,文献調査と標本調査を実施し,標本14点と標本をともなわない生息記録4例について,新たに判明した知見を含めて整理した.
また,全21例のオリイジネズミの記録とあわせると,秋から春頃に活発に活動していることや,自然度の高い森林内だけでなく,平地から山地の多様な環境に生息している可能性が考えられた.
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