マーケティングジャーナル
Online ISSN : 2188-1669
Print ISSN : 0389-7265
36 巻 , 2 号
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巻頭言
論文
  • ─ 業態ロイヤルユーザーの分析から見た特徴と課題 ─
    髙橋 郁夫
    2016 年 36 巻 2 号 p. 5-20
    発行日: 2016/09/30
    公開日: 2020/04/07
    ジャーナル フリー

    筆者は,ネットスーパー業態におけるマーケティング成果としての利用者のロイヤルティが,買物満足と信頼性,それに両者を媒介して影響を及ぼすと想定される小売マーケティング要因によって規定されることを実証的に明らかにした(Moriuchi and Takahashi)。しかしながら,そこで用いたデータは,2012年という単一時点で収集されたクロスセクションデータであり,真に継続的に業態ロイヤルな利用者のみが分析対象となっていたわけではなかった。そこで,2012年調査の回答者に,今回再度,調査を行い,その後も継続利用している回答者を真の業態ロイヤルユーザーと位置づけ,まず,彼らの利用行動と意識を2012年のネットスーパー利用者全体のそれと比較し,次に,ロイヤルティを規定するとされた買物満足と信頼性に対し,小売マーケティング要因と,同一業態および異業態との競争とがいかなる影響力をもつかについて,それぞれ階層的重回帰分析を用いて明らかにした。これらの分析の結果を踏まえ,最後にイノベーターとしてのネットスーパー業態が抱える課題を指摘した。

  • ─ Mobile Deviceがもたらす小売業の未来と課題 ─
    奥谷 孝司
    2016 年 36 巻 2 号 p. 21-43
    発行日: 2016/09/30
    公開日: 2020/04/07
    ジャーナル フリー

    小売業界において「オムニチャネル」戦略の重要性が叫ばれている。本稿では,国内外オムニチャネル先行研究,事例を踏まえ,実務家視点のオムニチャネルの定義及びモバイルデバイスを活用した購買意思決定プロセスについて言及する。小売業の未来,イノベーションを考える上で,消費者がオムニチャネル化しているということ,消費者の意思決定プロセスを時間軸で捉えていくことの重要性,その可視化を可能にしているモバイルデバイスの可能性と限界についての示唆を提示したい。

  • ─ 食品スーパーを対象に ─
    髙橋 広行
    2016 年 36 巻 2 号 p. 44-61
    発行日: 2016/09/30
    公開日: 2020/04/07
    ジャーナル フリー

    本稿は,消費者の視点で食品スーパーのイノベーションについて議論するものである。消費者は買い物の仕方や店舗内でのふるまい方を行動パターンにもとづく認知要素(スクリプト)で把握しており,そのスクリプトは買い物行動,店舗内行動,売り場行動などの階層構造で捉え直すことができる。そこで本稿では,小売の価値に関する先行研究をレビューしながら,上記の階層構造ごとに革新性を整理する。その後,それぞれの革新性を具体的に実践している小売企業の先端事例(まいばすけっと,阪急オアシス,北野エース)を取り上げることで,実務的なインプリケーションを導出していく。

  • 清水 信年
    2016 年 36 巻 2 号 p. 62-77
    発行日: 2016/09/30
    公開日: 2020/04/07
    ジャーナル フリー

    チェーン・ストア経営に対して懐疑的な「脱チェーンストア」の動きが盛んである。しかし,チェーン・ストア経営の是非については,その原理・原則を全面的に受け入れるのか,もしくはそこから脱却するのか,という単純な議論ではなく,その経営形態としての有効性を実現するための課題を明らかにし,その解決に向けて取り組む必要がある。現在の小売競争環境におけるその課題とは,顧客が期待する商品やサービスをリアル店舗で提供することの重要性,生鮮食品のように地域性が高い商品の調達や取引関係構築の必要性,およびチェーン・ストア経営のメリットと店舗主体性との両立,といったことである。

  • 綿貫 真也, 長尾 智晴
    2016 年 36 巻 2 号 p. 78-110
    発行日: 2016/09/30
    公開日: 2020/04/07
    ジャーナル フリー

    ビッグデータ環境下におけるブランドエクイティ測定モデルは,多種多様なデータ,リアルタイム性への対応が要求されると考えられる。さらに,複雑化する情報メディア環境において,ブランドエクイティの維持・構築のためには,そうした環境への技術的な対応のみならず,消費者におけるブランドエクイティの情報処理過程を捉えるための測定モデルの構築が要請される。そこで,本研究では,コネクショニズムアプローチの観点から,進化型多層ニューラルネットワークモデルにより実証的な検討を行い,消費者において当該ブランドに対するブランドへの絆が形成されていく心的過程をモデル化することができた。本研究で扱ったデータは,実務的に扱うことが多いであろうアンケートデータにおける回答と自由回答におけるテキストデータを使用してモデルの構築・検証を行ったものであるが,今後のビッグデータ環境における技術的対応に加え,消費者のインサイトを捉えるためのブランドエクイティ測定モデル確立へ向けて,示唆を得ることができた点において意義があると考えられる。

取材レポート
テーマ書評
  • 磯田 友里子
    2016 年 36 巻 2 号 p. 162-174
    発行日: 2016/09/30
    公開日: 2020/04/07
    ジャーナル フリー

    伝統的情報処理理論において,人の知識は文脈や環境の影響を受けない独立した概念であると考えられてきた。しかし近年,知識の文脈依存性が指摘され,消費者がおかれた環境(気温や香り,他者の存在等)が意思決定や製品評価に与える影響に注目した研究成果が蓄積されつつある。そこで本稿では,知識は身体感覚や周辺環境と相互作用する依存的なものであるとする新しい認知の理論「グラウンディッド・コグニション」を中心にレビューを行い,こうした知見がマーケティングや経済学でどのように位置付けられてきたかを検討する。さらに,マーケティングにおける文脈(コンテクスト)が,知覚品質の向上や市場におけるポジショニング,ブランドの強化にいかに貢献しうるかを明らかにし,今後のコンテクスト研究の方向性を示す。

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